未経験でシステムエンジニア(SE)に転職するには?
システム開発に携わるシステムエンジニア(SE)は、「市場価値の高いスキルを身に着けたい」「手に職をつけたい」と考える求職者が選ぶことの多い職種のひとつです。
そこで、リクルートエージェントでSEの転職支援を専門とするキャリアアドバイザーに、未経験からSEにチャレンジする場合の、働き方の特徴や採用の可能性、キャリアパスや転職活動のポイントなどをインタビューしました。
アドバイザー
リクルートキャリア エージェント事業本部
首都圏第一統括部 カスタマーサービス1部 2グループ
比嘉 大さん
海上自衛隊から2012年10月リクルートキャリアに転職。リクルートエージェントのキャリアアドバイザーとして、これまで製造業、金融、ITなど様々な領域を経験。現在は、IT・インターネット業界全般を主に担当。第二新卒からミドル・シニア層まで、その人ならではのキャリア提案を実施し、通算、500名以上の転職成功を実現。
SEの働き方とは
SEの働き方は、大きく分けて「発注側」と「受注側」の2通りがあります。
「発注側」のSEとは、事業会社の情報システム部門などに所属し、社内システムの設計、構築、導入、運用保守などを行います。社内で求められているシステムを実現するにあたり、関係部署の課題を洗い出して要件を策定し、社外のベンダーやコンサルティング会社などとパートナーシップを築きながらプロジェクトマネジメントする役割を担っています。
一方、「受注側」のSEとは、SIer(システムインテグレーター)や技術者派遣、SES(システムエンジニアリングサービス)事業を行っている企業などに所属し、客先に常駐する働き方が中心となります。担当するプロジェクトによって、開発規模や求められる験・スキル、専門知識は異なります。
未経験からSEを目指す場合のキャリアパス
未経験からSEに転職する場合、事業会社の社内SEよりも、客先常駐型のSIerや派遣事業を行っている企業の方が採用されやすい傾向にあります。事業会社が中途採用でSE未経験者を採用するとなると、社内にSEの人数が多くないため教育コストの面で環境を用意することが難しく、即戦力となる経験者の方が採用では有利に働くからです。
客先常駐型のSIerや技術者派遣、SES事業を行っている企業の場合は、教育制度にコストをかけており、研修などの環境が整っていることが強みです。よって、未経験でも技術力を早期に身に着け、スキルアップすることができる環境と言えるでしょう。
中長期のキャリア形成という観点でも、SE未経験でまだご自身の「なりたい姿」が漠然としている状況であるならば、事業会社だと専門知識や技術力において、入社後に身に付けられるスキルは入社する企業に依存してしまう可能性があり、場合によってはキャリアの選択肢が限られてしまう可能性があります。
よって、これからエンジニアとして技術力を磨きたいと思われている方でしたら、教育制度が充実し、様々な業種の顧客やプロジェクトを経験できる客先常駐型(受注側)という働き方も選択肢の一つとして検討し、様々な経験を積み、エンジニアとしてできることの幅を広げていくと良いと思います。そして、「エンジニアとなりたい姿」が具体的に固まってきたタイミング段階で、再度、目標設定して今後のキャリアを考えていくと良いでしょう。
SE未経験の採用でチェックしているポイント
未経験なので、現時点でのIT経験や技術スキルはそれほど重視されるケースは多くはありません。未経験者に対して企業の採用担当者がチェックしているのは、ベースとなる論理的思考力やITや技術に対して、今後キャッチアップしていきたいと思う熱意などです。
そこをチェックしている背景として、入社後に企業がしっかりと教育制度を整えて実施した先に、きちんと技術力を身に着けてエンジニアとして成長し、「会社の戦力になってもらえるかどうか」、「そのための伸びしろがあるかどうか」を判断軸のひとつとしているのです。
論理的思考力や分析力がご自身の強みであれば、自己PRで伝えるのもひとつの方法です。
また、SEになるために何か具体的に取り組んでいる事があれば、具体的なエピソードとして自己PRに盛り込むのが効果的です。
自己PR例文
無訪問をメインとする新規開拓の営業担当として3年間、売り上げアップにつながる営業プロセスの分析と改善を繰り返してきました。受注件数を上げるために、受注につながった事例の共通点を探り、事前準備、テレアポの時間、セールストーク、クロージングなどの各プロセスを分解、数値化し、自分でもテストしてうまくいった方法をチームに展開しました。
メンバーから「業務時間が減って受注件数が増えた」と喜ばれた経験を今後も生かしながら、効率化と成果を最大化していきたいと考えています。
志望動機や転職理由のポイント
SEは一般的に「人材ニーズが高く技術力が身につく」というイメージがあり、事務職や接客販売、営業職など、様々な職種の方が未経験でチャレンジされています。
未経験からSEに転職する場合は、志望動機では「なぜその業界にチャレンジしたいのか」を、転職理由では「SEとして何を実現していきたいのか」を、一貫性をもって自分の言葉で自分なりに伝えることが重要です。採用担当者はこの2つの質問を通じて、漠然としたSEのイメージで志望して、入社後に壁に直面してくじけてしまわないか、壁や課題に対して逃げずに解決できるだけのエネルギーや想いの源泉があるかどうかを確認しています。
志望動機や転職理由を整理し、「SEでなくてはならない理由」を明確にして、自分の言葉で語れるようにしておきましょう。
志望動機例文
数あるIT企業の中でも、営業支援ツールの開発において多くのユーザーから支持を得ている貴社ならば、世の中の営業職を支援する理想的なツールが開発できると思い、志望いたしました。
転職理由例文
営業担当として顧客の課題解決と売り上げの貢献を求められていましたが、商品の構造上、残念ながら顧客の個別の課題にきめ細かく対応できませんでした。もっと現場の意見を取り入れてより良い商品をできるだけ早く社会に届けたいと考え、営業よりも商品に近い開発者にチャレンジすることにしました。スピード重視の商品開発を行う貴社で、SEとして技術力を身に着け、顧客のニーズを捉えた商品開発に貢献したいと考えております。
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