転職は当たり前の時代に?転職に対するイメージと本音をアンケート
今の時代、「転職するのは当たり前」とは言われるけど、本当にそう?――そんな疑問に答え、ビジネスパーソンを対象にアンケート調査を実施しました。実際に転職や転職活動の経験がある人はどれくらいいるのか、世間のビジネスパーソンは転職に対してどんなイメージを抱いているのか、また、転職にあたって意識しておきたいことをお伝えします。
目次
転職・転職活動をしたことがある人は6割以上。40代では8割を超える
全国の20代~50代の働く男女209人(男性:120人、女性:89人)にアンケート調査を実施。「転職活動したことはありますか?」という質問に対して、「転職活動をして、実際に転職した」が52.6%と半数以上を占め、「転職活動をした(転職しようと実際に企業に応募はした)が、転職はしていない」(12.4%)と合わせると65.0 %の人が、転職活動に対してアクションを起こした経験がありました。
Q1.転職活動したことはありますか?
総合
年代別
年代別に見てみると、転職活動へアクションを起こした人(転職活動をして、実際に転職した/転職活動したが、転職はしていない)の割合は以下の通りでした。
年代 | 転職活動へアクションを起こした人 |
20代 | 60.7% |
30代 | 64.1% |
40代 | 80.8% |
50代 | 54.1% |
年代を重ねるほど必然的に転職経験者も増えていきます。しかし、実際に転職しなかった人を含め、転職へアクションを起こした人は50代が5割程度なのに比べ、40代では8割を超えています。したがって、この年代から世の中で転職が「当たり前」になってきたと思われます。
そして、まだ社会人経験が浅い20代でも、転職・転職活動の経験者はすでに6割以上に達しています。この年代が今後経験を積んでさらなるキャリアアップを目指す、あるいはライフステージの変化に対応するなどの理由で転職へ動くことが予測できますので、この割合は今後、さらに高まりそうです。
5割以上の人が、転職に対して「ポジティブ」イメージを抱く
「転職することについてポジティブかネガティブか、どちらの印象を持っていますか?」という質問に対しては、「ポジティブ」(26.3%)「どちらかといえばポジティブ」(26.8%)と、ポジティブなイメージを持っている人が53.1%と半数を超えました。対して、「ネガティブ」(5.7%)「どちらかといえばネガティブ」(8.6%)は14.3%にとどまっています。
Q2. 転職することについて「ポジティブ」「ネガティブ」、どちらの印象を持っていますか?
総合
年代別
年代別に見た「ポジティブ・どちらかといえばポジティブ」「ネガティブ・どちらかといえばネガティブ」の割合は以下のとおり。
年代 | ポジティブ・どちらかといえばポジティブ | ネガティブ・どちらかといえばネガティブ |
20代 | 67.9% | 9% |
30代 | 54.7% | 18.8% |
40代 | 50. 0% | 11.6% |
50代 | 37.5% | 18.8% |
30~40代では「ポジティブ」が半数以上を占め、20代では7割近くに達しました。若い世代ほど、転職に対して前向きなイメージを持っていることがわかります。
なお、「どちらでもない」と答えた人は全体の約3割。その理由としては、「個人の事情によってポジティブでもネガティブでもある」「転職するのも転職しないのも、両方にリスクがある」という意見が多く見られました。
「ポジティブ」なイメージを抱く人の理由は4パターン
転職に対してポジティブなイメージを抱いている人にその理由をたずねたところ、大きく分けて5つのパターンが見られました。
待遇や環境が良くなる
「より自分の望む環境に身を置けるようになるから」(25歳/男性/商社)
「今の会社が合わないなら、会社なんてごまんとあるのだからさっさと辞めた方が人生幸福だと思うし、ステップアップのための転職ならば1つの会社に留まる意義なんて薄れている」(23歳/女性/IT・通信)
これまでの経験やスキルを活かせる
「自分の経験を買ってもらえるから」(44歳/男性/メーカー)
「今の会社以外に自分が役立つ場所があると思うから」(52歳/女性/IT・通信)
経験・視野の幅が広がる
「他の世界を知るのは良い機会と考えるから」(44歳/男性/金融)
「キャリアアップにつなげるだけでなく、さまざまな業界・業種を体験することができる数少ない手段だから」(27歳/男性/IT・通信)
自分を変える、チャレンジする機会である
「より良い自分に近づきたいための行動だから」(49歳/女性/サービス)
「新しいことにチャレンジするのはいいことだと思う」(35歳/女性/IT・通信)
「自分を変える、自分が変わることが求められるから。転職活動では自分をアピールし、選択した結果が自分に対してプラスになるよう考えて進めている」(54歳/男性/メーカー)
そのほかにも「今はそういう時代だから」(25歳/女性/サービス)、「自分を取り巻く労働環境は刻々と変化する。それに適合するために行動を起こすことが必要だと思うから」(42歳/男性/IT・通信)と時代の流れから今後のキャリアを見据え必要なものである、と考えも見受けられました。
「ネガティブ」なイメージを抱く人の理由とは?
一方、転職に対するイメージを「ネガティブ」と答えた人にも、その理由を聞きました。
複数見られたのは「今の会社に満足」というもの。つまり、転職そのものに抵抗感を抱いているというより、「転職する必要性を感じていない」ということのようです。
そのほかの理由としては、以下の回答が見られました。
「『退職する』ということに後ろめたさを感じる」(31歳/女性/サービス)
「退職金が減る」(28歳/男性/金融)
「未知なのは怖い」(34歳/女性/IT・通信)
「自分に自信がない」(32歳/男性/商社)
「実力がない」(59歳/男性/メーカー)
後半3つの意見は「転職先で活躍できないのではないか」という不安からきているようです。
転職にネガティブイメージを持つ方もいますが、65%以上が企業に応募したり、実際に転職を経験したりしていることや、20代の転職者も増えてきていることから、さらに転職が当たり前になっていく時代が予想されます。
そういった時代の流れの中では、「必要性のなさ」や「漠然とした不安」から転職に対してネガティブであり続けることは、かえってリスクになるかもしれません。先のキャリアを考える上で、転職の可能性を排除せず、次のような視点で準備をしておきましょう。
転職が当たり前になりつつある中で、今の仕事で意識しておきたいこと
今の会社での成果を、転職先(他社)でも再現できるか?
仕事で成果を出す上で、「今の会社の中だけで通用する仕事になっていないか、もし他社に行ったとしても、同じクオリティの仕事ができるか」を意識してみましょう。
例えば自社のブランドなどのおかげでできたこと、自分ならではの創意工夫があってできたこと、経験から学べたことなどを、客観的に分析・整理し、他社でも再現できるように抽象化していきます。これらの分析は、実際に転職をする、しないに限らず、汎用的なスキルを磨く上では重要です。
また転職の際は、応募先企業に「その会社のブランドや資源があるから出せた成果であり、自社では再現できない」などと見なされてしまうこともあります。今の会社での成功体験が自分の中で「ノウハウ化」されており、それが「ほかの会社でも活かせるかどうか」という視点を持つことが大切です。
転職市場でニーズのあるスキルや経験は何か?
転職市場には「トレンド」があります。ニーズが高まっている経験・スキルとはどんなものなのか、アンテナを張って情報収集しましょう。自分の経験が求められていると判断すれば、転職活動をしてみるのも手。経験・スキルが足りていないと思えば、今の会社で異動願いを出す、あるいは新規プロジェクトに率先して手を挙げ、新たな経験を積むなど、市場価値を高めるアクションを起こしてはいかがでしょうか。
自分の市場価値やニーズを把握するためのテクニック
社外を意識し、市場価値やニーズのトレンドを把握するための具体的なテクニックとしては、以下があげられます。
- 転職サイトや転職エージェントに応募をして、企業からのアプローチを見てみる
- 実際に職務経歴書を作成し、定期的にアップデートする
- カンファレンスやコミュニティにでてみる
自分の市場価値をつかむには、転職サイトに登録し、サービスを活用してみるのも手です。職務経歴書や履歴書といった応募書類や希望条件を登録しておくと、自分に興味を持った企業からオファーが届く「リクナビNEXTスカウト」サービスを利用できます。「こんな業界・企業にも転職できる可能性があるのか」と新たな発見ができるかもしれません。
あるいは、転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談し、転職のプロによる客観的な視点で経験・スキルを診断してもらい、どのように活かす道があるかアドバイスを受けてもいいでしょう。
また、社外を意識して、実際に自分の市場価値を試したい場合には、カンファレンスや社外コミュニティに参加してみるのも一つです。「社会人インターンシップ」や「社外ディスカッション」を通じ、企業の案件に携わることができる「サンカク」というサービスもあります。
転職のイメージだけでとらわれず、実際にまずは自分の中にある可能性を探ってみてはいかがでしょうか。
【調査概要】2019年5 月9 日~5 月16日 株式会社ジャストシステム「あなたご自身に関するアンケート」 調査対象:正社員として働く20~50代の男女209名
WRITER:青木典子 EDIT:リクナビNEXT編集部
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