転職時に企業と電話でやり取りする際のコツ、使える5つの例文
転職活動中に企業の採用担当者と電話でやり取りすることに不安を感じる方もいるでしょう。「マナーや言葉遣いが悪いと減点対象になるのでは?」「緊張して伝えたいことを伝えられなかったらどうしよう」「突然、採用担当者から電話がかかってきたときは、どう対応すればいいのか?」などなど。
結論を先にいうと、電話の受け答えだけで採否が決まることはほとんどありません。選考は書類や面接を含め、あらゆる角度から行われます。電話のやり取りについても、必要以上に転職活動だから…と意識する必要はありません。ただ、準備ができてないままやり取りしてうまくいかないと、ビジネス対応力に違和感を持たれてしまう可能性もまったくないとは言えません。
電話対応に不慣れで不安を感じるとき、どのようなケースがあるのか、事前に想定しておきたいですよね。
そこで今回は、実際の転職活動で起こりうるケースごとに、具体的な電話の例文を紹介。また、企業からかかってきた電話への対応方法についてお伝えします。
プロフィール
山口 拓朗(やまぐち・たくろう)
伝える力【話す・書く】研究所所長
「論理的に伝わる文章の書き方」や「好意と信頼を獲得するメールコミュニケーション」「売れるキャッチコピー作成」などの文章力向上をテーマに執筆・講演活動を行う。『伝わるメールが「正しく」「速く」書ける92の法則』(明日香出版社)のほか、『「9マス」で悩まず書ける文章術』(総合法令出版)、『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』(日本実業出版社)他がある。
山口拓朗公式サイト http://yamaguchi-takuro.com
電話をかけるときのポイントと目的別例文集
電話のかけるときのポイント
電話応対時の不安や緊張をやわらげるには、何はともあれ準備に万全を期すことです。電話をするときには手元にペンとメモ帳、それにスケジュールがわかるものを、必ず用意しましょう。相手に伝えたいことや質問したいことなどがあれば、あらかじめメモ帳にまとめておきます。
また、応募先企業の求人情報や提出した履歴書・職務経歴書も手元に置いておきましょう。資料があれば、相手から突発的な質問や確認事項が出たときに落ち着いて対応しやすくなるほか、他社と混同して話すミスを防ぐことができます。
もちろん、企業に電話をするときは、周囲の雑音が少なく、電波が良好な場所でかけるようにしましょう。
面接の日程変更・遅刻の連絡の場合
面接に遅刻しそうなときや、面接の日程変更やキャンセルをする場合は、そのことがわかった時点ですぐ電話をしましょう。では、それぞれの電話ケース別に例文をご紹介します。
例文(1)面接の日程変更したい
お忙しいところ、失礼いたします。6月26日の13時に面接のお約束をしている陸波玉夫と申します。人事部の〇〇様はいらっしゃいますか。
<〇〇さんが電話口に出る>
お忙しいところ、失礼いたします。6月26日の13時に面接のお約束をしている陸波玉夫と申します。大変恐れ入りますが、26日にどうしても外せない用事が入ってしまいました。面接の日程を調整していただくことはできますでしょうか。
<日程調整のやり取りを行う>
では、6月28日金曜日の15時に御社にうかがいます。ご調整いただき、ありがとうございました。お手数をおかけして申し訳ございませんでした。当日はどうぞよろしくお願いいたします。
日程変更は、少なからず相手に手間をかける行為です。「恐れ入りますが〜」「お手数をおかけいたしますが〜」「申し訳ございませんが〜」といったクッション言葉を使いながらお詫びを伝えましょう。
日程変更のやり取りをスムーズに進めるためにも、あらかじめ変更可能な日時候補を複数用意しておくことも大切です。聞かれたときにパっと答えられるよう、スケジュールを確認しておきましょう。
例文(2)面接をキャンセルしたい
お忙しいところ、失礼いたします。6月26日の13時に面接のお約束をしている陸波玉夫と申します。人事部の〇〇様はいらっしゃいますか。
<〇〇さんが電話口に出る>
お忙しいところ、失礼いたします。6月26日の13時に面接のお約束をしている陸波玉夫と申します。大変ご迷惑をおかけしますが、検討を重ね、今回は御社の選考を辞退させていただきたくお電話いたしました。貴重なお時間をいただいたにも関わらず、誠に申し訳ございません。
<〇〇さんが面接(選考)のキャンセルを了承する>
急な申し出にも関わらず、ご理解いただき、ありがとうございました。このたびはご迷惑をおかけして大変申し訳ございませんでした。
選考辞退の連絡は、メールでやり取りしていれば、メールで伝えてもよいでしょう。
選考辞退の理由をこちらから積極的に伝える必要はありません。ただ採用担当によっては、今後の採用活動の参考に理由を確認する場合もあります。理由を聞かれたら、企業を批判する形にならないよう注意しつつ、正直な理由を答えましょう。
例文(3)面接に遅刻する
お忙しいところ、失礼いたします。本日の13時に面接のお約束をしている陸波玉夫と申します。人事部の〇〇様はいらっしゃいますか。
<〇〇さんが電話口に出る>
お忙しいところ、失礼いたします。本日の13時に面接のお約束をしている陸波玉夫と申します。大変申し訳ございません。午前中の仕事が押してしまい、お約束の時間に15分ほど遅れてしまいそうです。これから御社にうかがいますが、面接を実施していただくことは可能でしょうか?
<〇〇さんが遅刻を了承する>
ありがとうございます。お忙しいところ、ご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。のちほどどうぞよろしくお願いいたします。
遅刻することがわかった時点で、すぐに電話を入れましょう。約束の時刻を過ぎてからの連絡はもってのほかですが、直前の連絡も印象がよくありません。変にごまかしたり、言い訳をしたりせず、伝えることが大切です。
約束の時間に間に合うか否かギリギリのときも、必ず企業へ電話を入れましょう。
内定承諾・辞退の連絡の場合
内定を承諾する際の電話と、内定を辞退する際の電話。それぞれのケースの例文をご紹介します。
例文(1)内定を承諾する
お忙しいところ、失礼いたします。本日メールで御社から内定をいただきました、陸波玉夫と申します。人事部の〇〇様はいらっしゃいますか。
<〇〇さんが電話口に出る>
このたびは、内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。ありがたくお受けしたく、お電話させていただきました。
<〇〇さんとやり取り>
入社後は、一日も早く御社に貢献できるよう努力してまいりますので、これからどうぞよろしくお願いいたします。
内定承諾の連絡は、必ずしも電話でなくても構いません。むしろメールをして記録として残すことが大切です。余裕があれば、電話で感謝の気持ちと自分の意気込みを直接伝えてみてもよいかもしれません。
ちなみに、回答期限が迫っている場合の連絡は、メール後に確認の電話をすると丁寧ですし、安心です。相手のメール開封が遅れたり、メールの未着が発生したりした際にリスクが生じてしまうからです。
なお、入社に向けた手続きなどで確認したいことがあるときは、内定承諾のやり取りを終えてから「つきましては、確認させていただきたいことがあるのですが、よろしいでしょうか?」のようにおうかがいを立ててから質問しましょう。
例文(2)内定を辞退する
お忙しいところ、失礼いたします。先日御社から内定をいただきました陸波玉夫と申します。人事部の〇〇様はいらっしゃいますか。
<〇〇さんが電話口に出る>
お忙しいところ、失礼いたします。大変申し訳ございませんが、諸般の事情で内定を辞退させていただきたくお電話いたしました。
<〇〇さんが内定辞退を受け入れる>
ご理解いただき、ありがとうございます。お電話でのご連絡、失礼いたしました。
内定辞退の連絡は必ずしも電話である必要はありません。電話で内定辞退の連絡をしたあと、あらためてメールで内定辞退を伝えましょう。
内定を辞退する理由は詳しく伝える必要はありません。選考辞退の場合と同様、今後の採用活動のために理由を聞かれたら、正直に話すのがベターです。この場合も企業を批判する形にならないよう注意しましょう。
こんなときどうする? 企業からの電話に関するQ&A
転職活動中には、企業側から電話がかかってくるケースも考えられます。企業から電話がかかってくるケースで、特に注意しておきたい3つのポイントをお伝えします。
Q. 折り返してはいけない時間はある?
A. 常識の範囲内の時間帯であれば、さほど神経質になる必要はありません。気になる場合は、応募企業の就業時間を事前に調べておくとよいでしょう。
Q. 騒がしいところで電話を受けたら?
A. 出られる状況であれば、いったん電話に出て、こちらから折り返す旨を伝えます。「恐れ入ります。少し騒がしい場所におりますので、5分後にこちらからお電話差し上げてもよろしいでしょうか?」「申し訳ございません。いま移動中ですので、あらためてこちらからお電話差し上げます。ご都合のよろしい時間はございますか?」のように伝えればOKです。相手が余計な気をもまないよう、次に連絡を取り合う時間を確定させましょう。
Q. 応募企業の留守電に業務時間外に気が付いたら?
A. 電話がかかってきた時刻が、留守電に気づいた直前であれば(目安は30分以内)、業務時間外であっても折返しの電話を入れましょう。
一方、かかってきてからかなり時間が経過してしまった場合は、翌日、できる限り早めに電話を入れます。土日を挟む場合は、翌営業日に折り返せばOKです。折り返しまでの時間が空くことが気になるようなら、「留守電に気づくのが遅れた旨」と「あらためて電話をする旨」をメールしておくといいでしょう。
WRITER:山口 拓朗 EDIT:リクナビNEXT編集部
こちらの記事も読まれています
新着記事
- 2025年3月27日応募書類が自動で作成できる!リクナビNEXTの「レジュメ」機能とは?
- 2025年3月14日転職活動で役立つ!無料の自己分析ツール厳選5種を紹介
- 2024年12月17日第二新卒の転職理由・退職理由|本音も交えた上手い答え方&NG例文
- 2024年12月3日盛り上がらず淡々と終わった面接は、不合格?それとも合格?
- 2024年11月29日コンサル業界の面接特徴|企業のチェック観点と答え方、準備・対策のコツ
- 2024年11月27日自分に合う「ニッチな企業」「隠れた優良企業」の探し方
- 2024年11月19日コールセンターに応募する際のアピールポイント・志望動機の書き方(未経験からの転職)
- 2024年11月1日転職して新規事業開発に携わりたいのですが、未経験では難しいでしょうか?【転職相談室】