退職届はいつまでに出す? 退職までの流れや出すタイミングなど

円満な退職を実現するうえで、退職届の提出は欠かせないステップです。しかし、「いつまでに」「どのような手順で」渡せばよいのか、判断に迷う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、退職届の提出期限や、退職に向けたスケジュール、受取拒否の場合の対処法などを解説します。
国家資格 キャリアコンサルタント,組織人事コンサルティングSeguros 代表
目次
退職届はそもそも必要?
退職届の必要性は、法律上の解釈と、実際の会社の手続き上の事情とは異なる面があります。
まずは、民法上では、退職の意思表示は必ずしも書面である必要はなく、口頭による合意のみでも退職は成立します。つまり、書面による退職届では無くても良いということになります。
一方、実際に退職の申し出を受ける場面においては、書面による証跡(=退職届)の提出をするのが一般的です。提出の目的は、「言った、言わない」とならないよう証跡として書面にするというものと、退職届に書いてある日付や退職理由を、社内の退職手続きの参照元にするためなどがあります。
就業規則に「書面による届出」と定めているところも多いので、退職を考え始めた段階で、就業規則を確認するようにしましょう。
退職届はいつまでに出すべき?
退職届を出すタイミングにも、「会社の規定」と「法律の定め」という2つの基準があります。提出が遅れると、希望通りの日程で退職できない可能性もあり注意が必要です。
それぞれの違いを正しく理解し、余裕を持って準備を進めましょう。
1ヶ月前の提出を求める企業が多い
退職届の提出期限は、多くの企業が就業規則で定めています。一般的には「退職希望日の1ヶ月前まで」が目安ですが、企業によっては1ヶ月よりも前に定めているケースもあります。
法律上は2週間前まで
民法では、正社員のような期間の定めのない雇用契約の場合、退職の申し入れから2週間が経過すれば雇用契約は終了するとされています。そのため、制度上は2週間前までに退職届を提出すれば退職することはできます。
ただし、急な退職は周囲に負担をかけ、思わぬトラブルを引き起こす可能性もあります。また、企業は必要な引き継ぎを求めることができるので、円満な退職のためには就業規則の期限を優先し、余裕を持ってスケジュールを組むことをおすすめします。
退職までの流れと退職願・退職届の提出タイミング
退職を決めてから退職日まで、まずは全体の流れを押さえておきましょう。どのタイミングで「退職願」「退職届」を提出すればいいか確認し、適切な時期に提出できるよう準備してください。
退職までの一般的なスケジュール
| ▼それ以前 | 退職の意志を固める |
|---|---|
| ▼2〜3ヶ月前 | 上司に退職の相談、退職願を提出 |
| ▼1ヶ月前 | 退職確定後、退職届を提出 ※就業規則で提出期限を「1ヶ月前まで」とする会社が多い |
| ▼退職日 | 退職 ※引き継ぎや挨拶、貸与品の返却などをして退職日を迎える |
退職届と退職願の違い、使い分け方
| 退職願 | 退職届 | |
|---|---|---|
| 目的 | 退職の願い出(打診・相談) | 退職の通告(確定) |
| 出すタイミング | 退職を会社と合意する前 | 退職が決まってから |
| 撤回の可否 | 会社が承諾する前なら撤回可能 | 原則撤回できない |
「退職願」は退職を願い出る書類で、合意前なら撤回することもできます。対して「退職届」は退職が確定してから提出する書類で、原則、撤回できません。
「退職願」で退職の交渉を開始し、話がまとまったら「退職届」を出す、という使い分けになります。
退職届の提出期限に間に合わなかったらどうなる?
就業規則の期限を過ぎてしまった場合、すぐに上司に相談するのが鉄則です。
お詫びを伝えた上で、当初から希望する退職日で調整できるかを相談しましょう。転職先の入社日が決まっているなど、個別の事情があれば考慮してくれる可能性もあります。
その代わり、引き継ぎの状況次第で最終出社日を少し伸ばすなどの配慮は必要かもしれません。また、退職金の支給条件に退職届の提出期限を決めている場合は、減額や支給されないこともあるでしょう。
退職届をそもそも出さないとどうなる?
会社の規定で退職届の提出が定められているにもかかわらず、提出しなかった場合、会社側が正式な退職日を確定・受理できなくなります。その結果、退職後の手続きが停滞し、次のようなことが起こり得ます。
離職票や源泉徴収票が届かない
転職先での入社手続きや、ハローワークでの雇用保険の基本手当(失業保険)の受給に欠かせない「離職票」や「源泉徴収票」は、会社が退職処理を完了した後に発行されます。
退職届が出されないことで退職処理が進まず、再就職先での手続きや給付金の受け取りに支障が出る可能性があります。
在職中のままと扱われる可能性がある
退職届を提出していないことで、人事で退職処理が行われないと、法的には問題のない、もしくは口頭では合意していた本来の退職日を過ぎても「在籍中」として扱われ続けることがあります。
その結果、前述した退職手続きが完了せず、前職の社会保険料の請求が続いたり、欠勤と勘違いされる可能性などもあります。
退職金の減額や支給されない可能性がある
退職金制度がある会社では、支給要件に退職届の提出を求めているのが一般的です。法の定めや就業規則の期限を守って退職を伝えていたとしても、書面による正式な手続き(退職届の提出)がされていないと、退職金が減額されたり、支給時期が遅れたりする可能性も否定できません。
退職届を受け取ってもらえない場合の対処法
退職届を受け取ってもらえない場合の対処法について紹介します。どうしても受け取りを拒否されてしまう場合は対策も必要です。
さらに上の役職者や人事部に提出する
直属の上司が「退職届」の受け取ってくれなかった場合は、直属の組織を越えて部長や人事部の担当者に直接提出しましょう。 その際、直属の上司にいつどのように話したかなどの経緯も一緒に伝えるようにします。個人の判断で抱え込まず、会社の正式な窓口(人事部など)に意思を「到達」させることが、退職への近道です。
「内容証明郵便」で郵送する
どうしても退職届を受け取ってもらえない場合は、郵便局の「内容証明郵便」を利用して郵送する方法もあります。
内容証明郵便により「いつ、どのような内容の手紙を送り、相手がいつ受け取ったか」を公的に証明することができます。会社側に届いた時点で退職の意思表示が「到達」したとみなされるため、「受け取っていない」といったドラブルを防ぐことが可能です。これにより、法的に退職の手続きを進める足掛かりになります。
退職届の郵送方法や封筒の選び方は、こちらで解説しています。
退職届の提出に関するQ&A
退職にあたって有給を消化したい場合や出社が難しい場合、退職届の提出はどうしたらいいのでしょうか。ここでは退職届の提出に関するよくある疑問を紹介するので参考にしてください。
有給消化したい場合、退職届はいつまでに出す?
有給休暇を消化してから退職するには、「退職日(契約終了日)」から、引き継ぎなどを逆算して考えるのが重要です。就業規則で「退職の1ヶ月前までに退職届を提出」と定められている場合、最終出社を希望する日のさらに1ヶ月前まで、つまり退職日の2ヶ月前までに退職届を提出しておくことで、有給消化も、業務の引き継ぎ期間も確保しやすくなります。
| 2ヶ月前 | 退職届提出(有休消化を見越した退職日を確定) ※提出後、引き継ぎなどをする |
|---|---|
| 1ヶ月前 | 最終出社日 |
| 〜 | (有休消化) |
| 退職日 | 退職日 |
会社都合退職でも退職届は必要?
倒産や解雇など「会社都合」で退職する場合は、自分から退職届を出す必要はありません。
会社の手続き上、提出を求められることもありますが、内容には注意が必要です。提出する場合は「自己都合退職」として処理されないように、退職理由は「貴社の事業縮小に伴う人員整理のため退職」「所属部署の閉鎖に伴い退職」など会社都合である事実を記載しましょう。
| 【関連記事】 会社都合退職と自己都合退職の違いとは? |
出社が難しい場合、どうやって提出する?
体調不良や心身の不調などで出社が難しい場合は、メールや郵送で提出したい旨を伝えましょう。その際は、退職届だけでなく「添え状(送付状)」を同封します。保険証などの返却物や書類のやり取りに関する確認事項を添えておくと、退職の手続きがスムーズになります。
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組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。
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