今の会社が自分に合っているかを判断する方法は?【転職相談室】

新卒入社で3年目、仕事には慣れてきたものの「今の会社は自分に合っているのか」と疑問を感じている相談者Wさん。
抱えている“もやもや”をどう解消していくべきか、組織人事コンサルタントの粟野友樹氏がお答えします。
目次
今の会社が本当に自分に合っているか知りたいです。判断方法があれば教えてください(Wさん/25歳/コンサル)

<相談内容>
新卒で入った日系のコンサルティング会社に勤めて3年目になります。お客様の課題解決に向き合う仕事自体は好きなのですが、社内の居心地がいいとは言えず、入社2年目あたりから「今の会社は、自分に合っているのだろうか」と疑問を感じるようになりました。
合う・合わないの判断方法や、合わない場合の対処法を知っておきたいです。(Wさん/25歳/コンサル)
まずは「合っていないと感じる理由」を探ろう
▶アドバイザー
お客様との関係は良好で仕事も好きではあるけれど、社内の環境に“自分と合っていない”というズレを感じているんですね。
▶相談者
そうです。1年目は仕事を覚えることに必死だったので気づかなかったのですが、2年目の後半あたりから違和感を覚えることが増えてきて…。
社風が合わないのかな、自分に何か問題があるのかなと、ずっともやもやしています。
▶アドバイザー
まずは、Wさんのおっしゃる“違和感”がどこから来ているのか、探るところから始めましょう。
株式会社リクルートで2023年2月に行った転職活動者調査で、「転職を考えるようになったきっかけ」を聞いたところ、上位を占めたのは「いまの会社の将来性に不安があるため」「成長できる環境で働きたいため」「より責任ややりがいのある仕事をしたいため」の3つでした。
Wさんは、仕事自体にはやりがいを感じていらっしゃるので、合わないと思う理由はほかにありそうですね。
▶相談者
そうですね。会社の業績は好調ですし、今は中長期プロジェクトの途中段階なので、まだまだスキルを身につけて成長していきたいです。
クライアントの経営陣の皆さんへ提案を進めるなど、裁量権の大きさでも不満はありません。
▶アドバイザー
同調査でほかの理由を見ていくと、「すぐに賃金を上げたいため」「労働条件や勤務地に不満があるため」と条件面の内容が続き、さらに「職場の人間関係に不満を感じるため」「上司のマネジメントに不満を感じるため」と続きます。
▶相談者
なるほど。給料は上がるに越したことはないですが、ワークライフバランスも比較的とれていることを考えれば、そこが理由ではないですね…。
こうして改めて理由を整理していくと、上司との人間関係が一番の要因かもしれません。
▶アドバイザー
上司とのコミュニケーションでは、どのような時に「合わない」と感じるのでしょうか。
▶相談者
上司からの指示が曖昧だったり、大雑把だったりして、何をどこまでやればOKなのかわからないんです。
作った資料の再提出を求められることも多いのですが、手順やゴールの指示があるわけではなく、自分で試行錯誤しながら進めなくてはならず、時間がかかって非効率的です。
▶アドバイザー
NGは出すけれど、「どこがダメかは自分で考えなさい」ということなのでしょうか。
確かに、戸惑ってしまいそうですね。
▶相談者
“突き放している”ということでもなく、「数字をもっと精緻に出したほうがいい」など、一見具体的なフィードバックをくれるんです。
でも私には、どこまで細かく入れると上司の言う“精緻”なレベルに達するのかがわからない。
以前、「もう少し指示を細かくしてもらえないでしょうか」と伝えたことがあったのですが、とくに変化がなくて…。
私にとっては曖昧でやりづらいと感じる一方、問題なく仕事を進めている同期や先輩もいるので、「自分が合っていないだけなのでは」と思ってしまいます。
判断するためにも試したいこと:「合わない」環境、人間関係への対処法
▶アドバイザー
上司は毎日コミュニケーションを取らざるを得ない相手ですから、Wさんのストレスもどんどん溜まっていってしまいますね。
上司のマネジメントに対して「合わない」と感じている場合、Wさんがとれる選択肢は主に次の4つのことが考えられるでしょう。
- 自分の対応の仕方や考え方を変える
- 上司に働きかける
- 周りの同僚や先輩に話を聞く
- (チーム異動、部署異動、転職など)環境を変える
対応の仕方や考え方を変え、上司に働きかける
▶相談者
まずは、自分の捉え方を見直す、ということですね。
▶アドバイザー
上司に対して「自分とは合わない」と思えば思うほど、感情的に嫌だ、避けたいと思ってしまうのは自然なことです。
一方で、ビジネスパーソンとして尊敬できる部分や信頼できる学べる部分はあるのでしたら、上司のマネジメントには、Wさんに成長を期待する何らかの意図があるのかもしれません。
その点はいかがでしょうか。
▶相談者
上司はクライアントの課題を引き出すのがすごくうまくて、お客様からの信頼が厚いんです。
プレゼンや商談の進め方も、学ぶところは多いです。
▶アドバイザー
お客様の課題を引き出せるのは、相手の状況をよく観察しているからでしょう。
Wさんに対しても、「答えを示したら目先の仕事は早く進むけれど、Wさんが自分で考え答えを出すプロセスを阻害してしまう」「時間はかかっても、自分でやった、という成長実感を得てほしい」などと期待している可能性もあります。
▶相談者
うーん、確かに上司は以前、「自ら考えて課題解決に向かう、どこに行っても通用する人材になってほしい」と言っていました。
でも、私としては、答えが分かっているなら具体的に教えてもらって成功体験を数多く積む方が、結果として成長が早いと思うのですが…。
▶アドバイザー
それも一つの考え方ですので、改めて上司と話をする時間を設けたほうが良いかもしれませんね。
「上司の指示の仕方が自分には合わない」という思いが先走り、対話を避けがちになると、状況は悪くなるばかりです。
もしかしたら、上司側も、Wさんに合う指導方法を探しあぐねているかもしれません。
求める指示の仕方について、「提案づくりで困っているときには、情報収集の方法や、誰に聞けば解決するかなどプロセスごとのアドバイスをもっと具体的に出してほしい」など、正直に話をしてみるのもいいと思います。
周りの同僚や先輩に話を聞いてみる
▶アドバイザー
先ほど、「周りの同僚や先輩は、上司と問題なく仕事を進めているように見える」とおっしゃっていましたね。
それならば、その同僚や先輩に話を聞いてみてはいかがでしょうか。
「自分だけが上司と合わない」と思っていると、「その上司とうまくやれている周りとも合わない」「この会社とは合わない」と、どんどんネガティブ思考になってしまいます。
▶相談者
まさに、そう思っていました…!
▶アドバイザー
話を聞いてみたら、同じように不満を感じながらも“うまい対処方法”を心得ていた、ことが判明するかもしれません。
例えば、相談するときには、たたき台の資料を作って臨んだり、仮説を複数持っていったりすることで、上司のアドバイスが具体的になる…というケースもあるかもしれません。
あるいは、「失敗しても見守る育成方針の人だから、気にしなくていい」「もっと自由にチャレンジしたらいい」と、上司の捉え方を変えるヒントを得られるかもしれませんよ。
思い切って環境を変える
▶相談者
もし、同僚や先輩たちが「不満はあるけどやり過ごしている」などと、私と似た状況だったら、残る選択肢は「環境を変えること」でしょうか。
▶アドバイザー
そうですね。そのようなケースであれば、他チームへ異動する、部署異動する、なども1つの選択肢です。
自分の合うチームや部署がありそうか情報を集め、選択肢を作っておくと気持ちに余裕ができるでしょう。
他チームの話を聞いて、社内はどこも同じような指導マネジメントスタイルだと分かれば、異動しても違和感を持ち続けることになります。
その場合は、転職を視野に考えていってもいいでしょう。
転職活動をする場合は「自分にぴったり合う会社はない」という前提で考える
▶相談者
会社が合わないかも…ともやもやしていた理由が明確になってきました。
もし今後、転職を考えたときには、気をつけるべきことはありますか。
▶アドバイザー
どんな環境にも、自分に合うところと合わないところはあります。
「自分にぴったり合う会社があるはず」というスタンスで転職活動を行い、「ここはすべてが合う!」と入社を決めたとしても、自分にはコントロールできない外的要因により何らかの合わなさにはぶつかってしまうでしょう。
そのような状況を避けるためにも、「合わないからだめ」ではなく、「合わないことを前提に接点を探す」「やれることや面白みを見つける」「合わせられる部分は合わせていく」という姿勢は欠かせません。
また、自分なりに“譲れないポイント”や”許容できる範囲“を整理しておくことも大切です。
▶相談者
ありがとうございます。今の環境でも、まだまだできることがありそうだと感じたので、まずは周囲とのコミュニケーションを増やすことから始めてみます!
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