【体験談】家族が増えたのを機に、東京から福岡へIターン転職を実現
ヨウスケさん(仮名):31歳 建築設計 |
子どもを伸び伸び育てたい。家族が増えたのを機に東京を離れる
熊本で生まれ育ち、福岡の大学に進んだヨウスケさん。最初は音響設計を学んでいたが、しだいに「目に見えるものづくり」がしたいと工業系の学科に転籍した。卒業後は建築設計を志し、新卒で東京の設計事務所を選んだ。住宅や店舗をデザインする仕事は面白く、休日には美術館めぐりを楽しむなど、東京生活を満喫していたが、心のどこかでは息苦しさを感じていたという。
「もともと田舎育ちで、山や川、海がいつでも身近にある暮らしが日常的だったので、視界をさえぎる建物などほとんどない環境が心地良く、懐かしく思い出すこともありました。漠然といつか帰るだろうなと予感していましたが、結婚して子供ができてからは、Uターン転職が具体化していきました。東京は家賃も高いし、人も車も多い。子どもを伸び伸び育てるのはちょっと難しい。妻とは職場結婚ですが、彼女も北陸の田舎の出身で、僕と同じような気持ちでいたようで、すぐに理解してくれました。上京して5年、ちょうど息子が1歳、僕が30歳になるのを区切りにして転職を決意しました。」
勤務地は九州が条件だったが、ヨウスケさんには1つ心当たりがあった。新卒の時に気になった会社の1つが福岡だった。調べてみたところたまたま人を募集しており、すんなりと採用が決まった。
家の広さは3倍に。通勤時間が短縮されたため育児にも余裕ができた
「家賃は10万円で東京に住んでいたころと変わらずですが、ワンルームだった生活スペースが今は3倍の広さになりました。住まいは会社から徒歩圏内。朝、ベビーカーに乗せた息子を保育園に連れていくのに、電車の乗り継ぎや階段の登り下りで疲れることもありません。緑がいっぱいの大濠公園を横切るのは本当に気持ちがいいものです。仕事内容は前とそう変わりませんが、強いて違いを言えばデザインの精度の追求など専門性が高くなったこと。そこは追いつこうと努力しています。」
福岡での新生活は順調にスタート。帰宅時間も以前より少し早くなり、育児も手伝えるようになったほか、新しい会社で期待にこたえるために勉強する時間も取れるようになったという。今の会社で扱う物件の大半は、東京の案件だ。福岡の案件は2割くらいで、ほかに海外案件も手がける。店舗の経営者や企業、住宅の施主(個人)から、会社指名で内装デザインの依頼も来るという。
ヨウスケさんの会社が福岡を拠点にしているのは、代表が「東京の忙しいサイクルが肌に合わない」とあえて地元で起業したからだ。東京からの依頼がどれだけ増えても移転は考えず、納得いくまで設計プランを練り上げられるよう、落ち着いて仕事に取り組める環境を何よりも重視しているという。もちろん対面での打ち合わせは必要なので、ヨウスケさんも2カ月に1回は東京に出張している。流行発信地の東京で刺激を受けるために、出張中は気になる店に行き、会いたい人に会う機会を設けるようにしているそうだ。こうした時間は、クリエイターとしての感性を確認するひと時でもある。また、福岡市内は空港のアクセスも良く、「出張にストレスを感じないのもありがたい」とのこと。
首都圏の仕事を請けて地方で暮らす、新たなライフスタイル
ヨウスケさんが転職した会社のように、得意先は東京などの大都市圏に多く持つが、拠点は地方に構えるという会社が増えつつある。クリエイティブ系だけでなく、情報システムやソフトウェアなどの開発を国内の遠隔地の企業に委託する「ニアショア開発」が注目されているように、IT業界の活躍も目立っている。こうした潮流によって、経験を活かしながらIターン、Uターン転職を実現できる機会は増えていくのではないか。ワークライフバランスも地方のほうが叶えやすい。やりがいのある仕事と心豊かな暮らしを両立させる、新しいライフスタイルが生まれつつあるのかもしれない。
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