【株式会社ABC Cooking Studio】「誰もがキラキラと働ける環境をつくりたかった」女性創業者が語る、成長ストーリーの原点にあった想い
今や、日本全国125スタジオ、そして、海外11都市に23スタジオの料理教室を展開する、ABCクッキングスタジオ。料理教室ビジネスにおけるリーディングカンパニーとして業界を牽引し続ける同社だが、その始まりは、1985年、静岡県藤枝市の小さな雑居ビルの一室からのスタートだった…。その成長のストーリーを、そして、情熱の原点となった“想い”を創業者である、志村なるみ氏にうかがった。
▲株式会社ABC Cooking Studio 取締役 志村なるみ氏
目次
「働きたいと思える場所がなければ、つくればいい」
「働きたい、そう思える企業が少なかったから」
ABCクッキングタジオを設立した理由を志村に尋ねると、そんな答えが返ってきた。今から、32年前。男女雇用機会均等法の施行よりも1年前にABCクッキングスタジオは設立されたが、女性が日の目を浴びる職場はなかなかない時代だった。
「女性も輝ける場所、誰もが個性を活かして働ける場所がない。ないなら、自分でつくってしまえばいい。そうしてABCクッキングスタジオが生まれたのです」創業当初、調理器具の販売店がメインであり、料理教室は人を呼び込み、商品を販売するための無料イベントだったが、口コミで噂が広がり、大勢の人が集まるようになっていった。
「最初は事業内容にも、そこまでこだわりはありませんでした。とにかく“日本一”になりたかった(笑)。当時は店舗数なのか、講師の数なのか、はたまた、レシピの数なのか、何で日本一になる、という目標ははっきりしていませんでした。藤枝はサッカーが盛んですが、小・中・高のサッカー部が日本一になって、地域全体が盛り上がり、皆から祝福されていた…。そんな光景を見ていて、“日本一を目指す”って、分かりやすい目標だと思ったんです」
調理グッズが売れない理由が、女性が料理をしないからだと考えれば、料理教室を開催し、事業の主軸も時流を読みながら、変えていく。目の前の人の想いに応えて、改良を重ね、上を目指す。そんなイノベーションのサイクルを、ABCクッキングスタジオは創業当初から回してきたのだ。
お客様の想いに向き合い続けたら、業界の異端児になっていた
ABCクッキングスタジオは、常に業界の常識を打ち破ってきた。例えば、当時の料理教室といえば、女性が花嫁修行のために行ったり、富裕層がさらに料理の腕前を磨くもの。一般向けには敷居も高く、学べる料理も日常で食べるような料理ではなく、時間をかけて作り込む特別なものだった。しかし、そんな常識を同社は覆す。一般的な家庭料理を題材に取り上げたのだ。
「主婦の方、若い女性が困っているのは、毎日の料理。高級食材を揃えてつくる料理ではなく、毎日の食卓に並ぶ料理です。だからこそ、なるべく手際よく、短時間で調理できたほうがいいし、市販の調味料だって、美味しくて使えるものがあれば、使えばいいんです」
また、生徒が先生を指名できる指名制、予約システムを業界に先駆けて取り入れたのも、同社だった。先生も、受講時間も、学びたい料理も、通いたい教室も、生徒が自由に選ぶことができる。このシステムは、その後、料理教室だけでなく、他の習い事教室や塾でも採用され、一般的になっていた。
「イノベーションを生み出す答えは、必ず現場にあります。お客様が何を求めているかを汲み取り、それを実現するための努力をする。それが業界の常識と違っていたために、当社は“業界の異端児”と言われ続けてきましたが、真正面からお客様に向き合い続けてきただけ。とても、素直で、シンプルです」
人が輝く場所、成長する場所としてのABCクッキングスタジオ
現場に“答え”を求める姿勢は、料理教室の運営や事業開発だけにとどまらない。ABCクッキングスタジオの人材採用・育成の仕組みも、現場で働く一人ひとりのモチベーションを最大化するものとして、設計されている。
「人が働きたいと思う環境は、評価が平等になされ、期待され、任され、コミュニケーションも活発で、将来のキャリアにも希望が持てる環境だと思います。ABCの制度は、それを実現すべく、つくられたもの。インセンティブ制を早くから取り入れ、昇進に関する基準も明確に設けました。女性も、男性も、性別に関係なく、その活躍に応じて評価する。自分が社員だったら働きたいと思える会社にしたのです」
実際、ABCクッキングスタジオで働くスタッフは、皆、自信に満ち溢れ、キラキラと輝いている印象がある。若くして、店舗統括責任者やエリアマネージャーなどのポジションを任されているスタッフ、本社で事業開発や経営戦略に携わるスタッフも、多い。一人ひとりの想いに向き合い、その実現のためには変化を恐れないABCクッキングスタジオの仕事、そして、環境が、人の育成においても、効果的に働いていることが分かる。
「今ではABCクッキングスタジオの特徴とも言える、ガラス張りの教室の発想は、もともと、そこで料理を学ぶ生徒さんやスタッフのイキイキとした表情を、世の中に見てもらいたかったから…。ABCには人が育つ風土が、たしかに根付いている。だからこそ、ABCは採用活動に注力する。良い方が入社されたら、きっと、必ず、素敵な方に成長すると信じていますからね」
海外、オンライン、新規事業…。新しい仲間と変革を続けていく
一度は、ABCクッキングスタジオの代表を退任し、講演活動や香港に拠点を移し、事業活動を行っていた志村氏だが、2017年に取締役として同社に復帰。今、胸中には秘めた想いがあるという。
「成し遂げたいことがあって復帰したのですが、その内容はまだ内緒(笑)。でも、これからABCクッキングスタジオがもっと面白くなることは、お約束できます。NTTドコモと業務提携したことで、オンライン動画サービス『ABC Cooking Channel』やdグルメでのコンテンツ提供のような、店舗という“ハコ”を飛び越えた新事業も続々と生まれていきますし、全国のスタジオ自体もさらに変革を遂げていく。また、海外では現在、アジアを中心に展開していますが、パリやNYにもスタジオがほしい…。今後も、当社は大きな変革を遂げていく。それを一緒に楽しんでくれる方、一緒に実現してくれる仲間を採用したいですね」
今年、同社ではSPICE PROJECT(スパイス プロジェクト)と銘打って、中途採用活動を大々的に実施。これまでの同社にとって、まさに“刺激”となるような、新しい人材を積極的に採用する。
「入社される方にはABCクッキングスタジオにとっての“刺激”になってくださることを期待していますが、ABCクッキングスタジオという環境が、皆様の人生にとって、きっと良い“刺激”になる。これからのキャリアに悩まれている皆様、個性を活かして、いきいきと働きたいと考える皆様は、ぜひ、当社を一つの選択肢として見ていただけたらと思います」
『世界中に笑顔のあふれる食卓を』を企業理念として掲げ、創業以来、急成長を続けるABCクッキングスタジオ。このスタジオは、料理だけではなく、人生を“おいしく”する場所としても、注目を集め続けている。
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