興味のある分野で転職したい。語学力が会社選びの後押しに
エミさん(仮名):28歳 事務職 |
業務内容は希望通りだったが、社風に馴染まず転職を決意
大学、大学院と米国で学んでいたエミさんのTOEICスコアは980点。長い留学経験と高いTOEICスコアを持ちながらも、エミさんは「英語を活かした仕事に就きたくなかった」という。その背景にあるのは、日本で出会った転職エージェントから外資系のベンチャー企業を紹介されて面接に赴いた時に感じた、自身の語学力と企業が求める語学力との落差だった。企業が求めていた語学力は自分が今まで日常的に使ってきた英語とかけ離れており、「自分の語学力はビジネスレベルには達していない」と実感したからだ。
そのため、以降は語学力だけに注目されて送られてくるオファーには見向きもせず、就職したのは国内大手の建設会社系列の建物管理会社。仕事はバックオフィス業務が中心で業務内容自体は希望通りではあったが、会社の風土や社内の雰囲気に馴染めなかったという。
例えば仕事の効率化のための提案をしても、硬直化した組織でなかなか意見が通らない。また、業務時間外の社内行事が多く、飲み会でお酒を注ぐ役割を任されるのも苦手だった。職場にはロールモデルとなる先輩もおらず、将来のキャリアも見えなくなって転職を決意した。
転職活動を続ける中で、改めて自分がしたかったことに気付く
もともとエミさんは大学と大学院で臨床心理学を専攻し、本来は教育関係の仕事がしたかったという。転職活動では教育事業を行う企業を中心に、これまで行っていた事務職のスキルが活かせる仕事を探した。当初は教育をビジネスとしている会社で働くことに抵抗があったが、転職先を探す中で「やっぱり自分は教育の仕事がしたかった」と改めて気がついたのだという。
転職先として選んだのは、全国の国公立小・中・高に向けて、ALT(ネイティブの外国語指導助手)を手配する会社だ。外国人講師を日本に招致する際のサポートや、実生活のアドバイスをはじめ、教育委員会や学校とも予算や内容について交渉を行う。時には企画書を作成し、クライアントへの提案も行う。何よりここなら、自分が得意とする英語が活かせる。
「ビジネス英語は必要ありませんが、日常英会話でALTにさまざまなサポートを行います。取引先は主に国や自治体なのですが、自分が目指していた『営利だけを目的としない、あらゆる人への教育』に携われるという点も魅力でした」。
好きなことなら仕事は楽しい。自分に合った仲間と働くことが大事
偶然にも現在働いている会社の社長は留学経験があり、また心理学専攻という点で共通項があったことも大きかった。前職では上司との価値観の違いにも苦労したからだ。何よりも、会社規模が全社で150人、勤務している事業所は15人と小規模でアットホーム。役割に縛られることなく全員が仕事に対して同じ責任感で向き合っていることが心地よい。ただし会社の規模がコンパクトになったことで、掃除なども自分でやらなければならなくなった。
「雑務が増えたのは些細なこと。重要なのは、『手にしているスキルも使い方次第』ということですね。面白いと感じられない仕事に就いてしまうと結局長く続かない。学生時代に学んだ心理学と、ずっと興味を持っていた教育分野に携われること、そして語学力も活かせる今の仕事に変わってからは、とても充実していると感じます」。
転職活動を振り返って
高い語学力を有していたエミさんだが、彼女の持つ語学力はビジネスシーンでは通用しないことを早い段階で理解しており、「語学力」だけにこだわることなく【興味のある分野】とこれまで培ってきた【業務経験】を軸に転職活動を行った。転職活動では職場環境、福利厚生、年収などといった条件に注視しがちであるが、「面白いと感じる仕事」「興味のある分野」という観点での仕事選びも、転職後の仕事の満足度につながるひとつの選択肢なのではないだろうか。
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