転職の面接で避けた方が良いNGワードとは?
何気ない受け答えのつもりが、場合によっては相手にネガティブにとらえられてしまうことも。
面接でネガティブな印象を与えないために避けた方が良いNGワードや表現について、組織人事コンサルティングSegurosの粟野友樹氏にお聞きしました。
目次
準備不足が伝わってしまうNGワード・表現の例
「御社の企業理念は何ですか?」
事前に調べられる「企業理念」のような質問は、避けた方がいいNGワードのひとつでしょう。
ただし、企業理念そのものを聞きたいのではなく、企業理念にまつわる質問をしたいのであれば、聞き方に注意しましょう。例えば、「御社の企業理念は○○だと思いますが、どのような背景でこの理念に至ったのかをお伺いしたいです」と言い換えることで、その企業が大切にしている考え方に興味を持っている姿勢が伝わり、準備不足の誤解を与えることはなくなります。
また、「企業理念を大切にしている会社に転職したい気持ちがあるのですが、御社では社員に企業理念を浸透させる取り組みとしてどのようなことをされているのでしょうか?」のように話を展開させていく聞き方も、きちんと考えて準備をしている印象を与えられると思います。
志望動機や転職理由などが曖昧
志望動機や転職理由などが曖昧な発言は、「企業のことを調べていない」「自分のキャリアの棚卸しができていない」「転職に紐づくキャリアプランを考えていない」といった準備不足の印象を与えてしまいます。
これらを語る際は、具体的なエピソードを交え、「入社したらどう貢献できるのか」を考えた上で、面接までに答えを準備しておきましょう。
受け身な姿勢が伝わってしまうNGワード・表現の例
「御社ではどういった研修を実施されているのでしょうか?」
一見ポジティブな質問にも感じられますが、相手によっては、主体性がない受け身の姿勢に見られてしまうことも。単に研修の有無や実施内容を問うのではなく、質問をした背景も言葉として加えて聞くのがベターです。
例えば、「自分は○○の分野に興味があり、本を読んで勉強をしています。御社では、その分野の研修や社内勉強会など実施されているのでしょうか?」というように、能動的に勉強している姿勢、学ぼうとする意思や行動がイメージできるような聞き方であればいいでしょう。
「特に質問はございません」と言い切ってしまう
面接の終わりに「最後に何か質問はありますか?」と聞かれることがありますね。ここにも注意すべきポイントがあります。
もう質問がないからと、正直に「特にございません」と言い切ってしまうのはあまりおすすめしません。聞かれたことだけに答える受け身の印象を与え、相手先に対しての興味や関心が薄く、自ら積極的に情報を取得する気がないように思われてしまうことも。
面接はコミュニケーションの場です。会話のキャッチボールが和やかに成立することを意識して、「○○と××について質問させていただき、お聞きしたいことはクリアになりましたので、追加の質問はございません」というように、最後まで丁寧な返答を心がけるのが理想的です。
働く意欲が伝わらないNGワード・表現の例
「月の残業時間はどれくらいですか?」
残業時間について質問すること自体はNGではありません。しかし、聞き方を間違えると、働く意欲がないように連想されてしまうことがあります。
残業時間の許容範囲は人によって様々ですから、「月の残業時間はどれくらいですか?」とだけ聞かれると、残業時間を情報として知りたいだけなのか、短い時間で終わらせる仕事に就きたいのか、人事担当者は質問の意図をつかめずに困惑します。単に情報として知りたかっただけなのに、残業ばかり気にする人だと思われては本末転倒です。働く意欲に加えて、現職での残業時間(許容範囲の目安)、残業時間を知りたい理由(質問の背景・意図)もあわせて伝えるといいでしょう。
例えば、「前職では平均○時間程度残業していました。働くことには前向きですが、御社で働くイメージを具体化したいので、情報として大体の残業時間をお聞きしたいです。通常期は何時間くらい、繁忙期は何時間くらいでしょうか?」というような聞き方であれば、働く意欲がないと誤解されることはないでしょう。
有給・福利厚生など制度面の質問が多い
有給休暇や福利厚生など、制度面の基本情報は求人票に記載されています。
求人票の記載内容ではわからない事柄に関する質問であればNGではないものの、仕事内容よりも制度面の話ばかりたくさん質問してしまうのは、あまりおすすめしません。仕事への意欲が感じられず、評価を下げてしまう恐れがあるからです。
ただし、「家族に要介護者がいて、突発的に休まなければならない事象が想定されるため」「仕事に支障はないが、持病があって3ヶ月に一度通院する必要があるため」など、質問の背景が伝わる聞き方であれば、働く意欲がないように思われることはないでしょう。
前職や現職の不満ばかりだと思われてしまうNGワード・表現の例
「上司と合わず退職いたしました」
応募先企業の面接官は第三者で、前職や現職の上司の人物像を知りません。「上司と合わない」という言い方では、ただの不満にしか聞こえず、共感を得ることはなかなか難しいでしょう。
例えば、「上司は結果を重視するタイプで、私はプロセスを大事にしたいタイプ。仕事で結果は出せていましたが、考え方の違いからこのままでは充実して働けないと感じておりました。御社のようにプロセスを大事にしている企業で自分を成長させながら、会社に貢献して働いていきたいと思っています」のように、業務を進めるにあたって重視している考え方が伝わる言い方であれば、不満に聞こえることなくポジティブな印象を与えることができるでしょう。
「年収が低いため退職をしました」
これも第三者が共感しにくく、不満にしか聞こえないNGワードと言えるでしょう。
面接官には前職での年収水準がわかりませんから、その年収査定が相対的にどんな評価であるのかもわかりません。年収の不満ばかり言っているように聞こえてしまうと、事業内容よりも年収の高さだけで我が社を志望したのかも?と思われてしまう可能性もあります。
また、面接で現職の不満ばかり聞かされた面接官は、入社したら同じように我が社の不満も言うだろうと勘ぐってしまいます。不満が転職のきっかけであることは悪くありませんが、面接の場では不満ばかりを口にしない方が無難でしょう。
要望ばかりだと思われてしまうNGワード・表現の例
「転勤は希望いたしません」
求職者側の要望を伝えることは大切ですが、「転勤は希望しません」ときっぱり言い切るような物言いは、ネガティブな印象につながる可能性があるので控える方がいいでしょう。
「出来るだけ転勤は避けたいと考えています」とやわらかな物言いに言い換え、「妻も仕事があって」「子どもの学校の都合で」「要介護の家族がいるので」など、転勤を希望しない背景もきちんと伝えるようにしましょう。これは、入社日など他の要望を伝える際にも有効です。
「副業をしてもいいですか?」
副業を認める企業は増えてきましたが、制度としてまだ認めていない会社もまだまだあります。「副業をしていいですか?」とストレートな言い方では、要望を強く主張するだけの人に見えてしまい、コミュニケーションをとるのが難しい人だと思われてしまうこともあるので注意しましょう。
言い換えの例として、「本業に良い影響のある副業を週末や就業後に週に○時間程度行っています。もし、御社が副業を認めない場合は、○月○日までに案件を終わらせますので、そこまでお待ちいただけるとありがたいです」というように、相互に歩み寄り話し合いで着地点を決めたいという姿勢を見せるといいでしょう。
転職の面接で大切なこと
言葉そのものよりも、言い方やスタンスによってNGワード・表現となってしまうことがあります。
ネガティブな印象を与えないためには、面接は求職者と面接官の相互のコミュニケーションの場であることを意識し、一方的なやりとりではなく歩み寄って話し合いができる姿勢を見せること、質問には意図や背景もセットにして伝えることを心がけましょう。
また、納得して転職するためにも、知りたいこと・希望・要望を企業に遠慮して伝えないといったことがないよう気を付けましょう。
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