「家庭の事情」で転職する場合の転職理由の伝え方、ポイント
結婚、パートナーの転勤、育児、看病、介護など、家族の人や事情によって、転職を決意した方もいるでしょう。労働条件に制限が出てくることも多い「家庭の事情」。今回は「家庭の事情」で転職活動を行うときの伝え方についてご紹介します。
1.転職活動をする際のポイント
「制限されること」「譲れない条件」を整理する
ひとことに「家庭の事情」と言っても、立場や環境によって状況は様々です。まずは転職において、自分はどんなことが制限されるのか、転職の際の譲れない条件は何かを整理しておく必要があります。例えば、勤務形態、残業の対応、休日出社の可否、出張の可否、勤務地、通勤時間など。家族と相談しながら確認しておきましょう。ちなみに、家庭の事情が「きっかけ」となって転職活動をする場合は、通常の転職活動と変わりません。転職によって実現したいことを整理しておきましょう。
転職理由の考え方と、面接で聞かれたときの回答例
自分の強み、スキルをあぶり出しておく
一般的には、制限が多いほど転職活動は不利に働きがちかもしれませんが、中途採用においては企業が喉から手が出るほど欲しいスキルさえあれば、話は別。転職先の企業に対してどんなスキルを提供できるのか、自分のキャリアを掘り起こしてみましょう。保有している資格やこれまでの実績はどのように積み上げ、評価されたのか。また「評価されたのはなぜなのか」まで落としこんで考えておくことで、再現性のあるスキルだと受け止めてもらいやすくなります。
失敗しない会社選びのために
在宅ワークやフレックス勤務、時短勤務、育児休暇や介護休暇など、多様な働き方ができる制度が増えてきています。自分の家庭の事情にあった働き方ができるかどうか、制度があっても利用できる社風なのか、実際に制度を利用している人はどのくらいいるのか、管理職の人で制度を利用したことがある人は何人いるのか。これらを事前に確認できれば、入社後のギャップは少ないかもしれません。
2.書類、面接での伝え方、ポイント
事情は包み隠さず正直に伝える
書類や面接で、転職理由である家庭の事情をどこまで伝えたらいいのかは、悩みどころですね。しかしその事情は、介護であれ、育児であれ、動かすことのできない事実ですので、ミスマッチを防ぐためにも包み隠さず正直に企業側に伝えることがベストです。ただ、伝える順番に注意が必要です。企業が求めているスキルや実績、仕事への意欲を伝えたうえで、家庭の事情のための転職だと伝えるほうが、受け入れやすいでしょう。
面接では、家庭の事情について詳しく聞かれることがあるかもしれません。誠実に伝えられれば企業側の共感も得やすく、その事実や制限に対応できるだけの制度が企業にあるのかどうかもきちんと確認することができます。事実を隠して、受け入れ体制がない企業に入ってしまったら、お互いに不幸な結果を招くことになってしまいます。
実績をベースに、仕事への意欲を伝える
採用は、スキル、人柄、条件を総合的にみて判断します。企業が求めているスキルをどのように実績として残してきたのかをアピールできれば、最大の強みとなります。
例えば、子育て中で時短勤務を希望されていた方が、高いスキルと人柄のよさが高評価につながり、本来なら有利なはずのフルタイムで働ける人を差し置いて、採用になったケースがあります。企業側としては、ライフステージが変われば、フルタイムで働けるようになる時期が来ることを見越し、長い目でみて戦力になると判断することもあります。
3.企業が気にするポイント
制約はどのくらいなのか?
介護や育児による制約で言うと、何時までに帰らなければならないのか、休みはどれくらい必要なのか、突発的な休みはどのくらい発生しそうか、など業務を進めるにあたって配慮しなければならないことを企業側は気にします。
それに対しては、例えば、時短勤務においては、業務の効率化を図った実績を示しながら、効率化により業務を迅速に行う意欲を伝えること、介護の場合は、外部のヘルパーなどサポート体制や、緊急時のフォロー体制を整えているなど、個人でカバーできることを具体的に示すことができればベストです。ただ出来ないことをあたかも出来るように伝えてしまうと、企業側との認識がずれ、入社後苦しい想いをするかもしれません。面接ではつい良く見せようとしてしまいがちですが、事実は事実として、正直に伝えるのが一番です。
同じ理由で退職されないかという懸念を払拭
家庭の事情による転職は「同じ理由で退職してしまうのではないか」と企業が不安に思う要素のひとつです。
この不安に対しては、前職の時よりも状況が改善していることを伝えましょう。例えば、「子どもを保育園に預けられるようになった」、「介護のサポート要員が増えた」、「時短勤務やフレックスなどの制度を利用できるようになるので」など、前職退職時よりもフォロー体制がしっかり構築できたことを伝えたうえで働く意欲を示すことができれば、企業側も安心できるでしょう。
WRITER:タナカトウコ EDIT:リクナビNEXT編集部
こちらの記事も読まれています
新着記事
- 2025年3月27日応募書類が自動で作成できる!リクナビNEXTの「レジュメ」機能とは?
- 2025年3月14日転職活動で役立つ!無料の自己分析ツール厳選5種を紹介
- 2024年12月17日第二新卒の転職理由・退職理由|本音も交えた上手い答え方&NG例文
- 2024年12月3日盛り上がらず淡々と終わった面接は、不合格?それとも合格?
- 2024年11月29日コンサル業界の面接特徴|企業のチェック観点と答え方、準備・対策のコツ
- 2024年11月27日自分に合う「ニッチな企業」「隠れた優良企業」の探し方
- 2024年11月19日コールセンターに応募する際のアピールポイント・志望動機の書き方(未経験からの転職)
- 2024年11月1日転職して新規事業開発に携わりたいのですが、未経験では難しいでしょうか?【転職相談室】