転職後、即戦力になれるか不安な方へ【いきいき働く4つの鍵と6つの具体策】

即戦力として活躍できるか不安な人に、いきいき働くための4つの鍵と6つの具体策を紹介します。
また、成果を出さないといけない時期の目安や、求められる仕事のレベルなど、企業の中途採用で入社する社員への期待値を組織人事コンサルタントの粟野友樹さんが解説。
目標を正しく理解することで、安心して転職し、活躍するためのヒントが得られるかもしれません。
即戦力として成果を出せるか不安な人は、まずは企業の期待値を知ることが大事
即戦力を期待される中途入社では、成果を出せるのかと不安になるのは自然なことです。
ですが、不安になりすぎるあまり、プレッシャーに潰されて本来の力を発揮できなくなったり、鬱々としてしまったりしては元も子もありません。
企業の期待値を正しく理解し、過度に不安になってしまう状況から抜け出すことから始めましょう。
まず前提として、転職者への期待値は企業の採用背景にも左右されます。
例えば、退職者の補充のために急ぎで採用する場合と、事業の拡大に伴う計画的な採用の場合では、前者の方が「すぐに活躍してほしい」というニーズが高い可能性は否めません。
しかし、その「すぐ」という時期も、「活躍」の定義も、転職者が考えているよりも意外と猶予があるケースが多いのです。
【期待値その1】企業が即戦力として成果を出して欲しいと考えている時期の目安は「入社後、約3~6ヶ月」
どんなに優れた経験と実力をもつ人材であっても、転職後は新しい環境への適応が必要です。
社内の人間関係、暗黙のルール、好まれる仕事の進め方などが全くわからない状態でも成果が出せると考えている企業の方が少ないでしょう。
例えば、成果主義・実力主義の傾向が強い外資系コンサル企業のマネジャークラスの転職であっても「入社後100日プラン(※)」と呼ばれる行動目標があるように、成果を求められるのは入社から3ヶ月後が目安になっています。
それ以外の企業では、よほどの事情がない限りは入社後3〜6ヶ月は、業務をしながら新しい環境に慣れる期間としてみてもらえるでしょう。
この期間は、教育担当やバディ、メンターがついたり、研修を受けたりなど、環境に適応することが求められます。
1人前の仕事をして、何らかの成果を求められるのはその後だと思っていて良いのではないでしょうか。
※入社後100日プランとは、企業が求めるミッション・目標を達成するために、入社してからの100日間の行動計画を立てること。
【期待値その2】企業が即戦力として求める仕事のレベルは「既存社員と同じ水準で仕事を進めること」
入社後3〜6ヶ月は会社に慣れる時期で、その後徐々に成果を求められるようになるとお伝えしました。
では、その時期に求められる成果、仕事のレベルはどのくらいなのでしょうか。
実は、多くの企業では中途採用をした転職者に対して、最初から華々しい活躍を期待しているわけではありません。
圧倒的な売上実績を出して業績をV字回復させて欲しい、業界が驚くような新商品を開発して欲しい、これまで社内にはなかったイノベーティブな考え方で業務改善をして欲しいなどと、考えている企業の方が稀(まれ)でしょう。
多くの企業が即戦力として期待していることは、実はもっとシンプルです。
入社後3~6ヶ月を目処に新しい会社での仕事の進め方に慣れて、既存社員と同じ水準で仕事をできればOKなのです。
「えっ、そんなことでいいの?もっと革新的な何かをして、圧倒的なパフォーマンスを発揮して、採用して良かった!と思わせなくていいのかな…」と思う人もいるかもしれませんが、大丈夫。
教育担当が常にべったりとついて支援やフォローをしなければいけない状態でなければ、十分即戦力としての期待には応えられています。
それ以上の活躍はもちろん実現できればベストですが、まずは最低限やるべきことをやれるようになっていて、1人前の仕事ができるようになっている状態を目指しましょう。
【即戦力としての自分に不安を感じた時の対処法】転職後にいきいきと働くための4つの鍵と6つの具体策
企業が即戦力として求めるレベルと成果を出すべき時期の目安を理解しても、まだ不安やプレッシャーを感じるという人のために、転職後にいきいきと働くための4つの鍵と、新しい会社に馴染んで成果を出すための6つの具体策を解説します。
転職後にいきいきと働くための4つの鍵
せっかく転職したからには、即戦力であることのプレッシャーに押しつぶされずにいきいきと精力的に働いて成果を出したいもの。
そのためにはどんなことが大切なのでしょうか?
株式会社リクルートによる「転職者に聞いた転職後実態調査(転職後半年~1 年の方対象)」によると、転職後にいきいきと精力的に働く鍵は、以下の4つとされています。
1. 周囲からの期待:期待されること、どんな期待をされているか把握すること 2. 上司からの業務支援:業務支援を受ける、受けやすい関係性や環境を作る 3. 同僚が転職者の持ち味を理解:理解してもらうように働きかける 4. 協働実感:コミュニケーションを積極的に取るなど |
特に、「周囲からの期待」と「転職後にいきいきと働けているか」には深い関係がみられます。
同調査によると、転職後「周囲から期待されている」と回答した人のうち、「転職後にいきいきと働けている」と回答した人は 86.8%にもなっています。
一方で、「周囲から期待されていない」と考えている人のうち、「転職後にいきいきと働けていない」と回答した人は 79.1%。
つまり、あなたが「企業に即戦力として見られていて不安だ」と思う気持ちは、一方で「企業から期待されている」ということの裏返しである可能性もあり、それは転職後にいきいきと働くために大切な鍵でもあるということです。
同様に、転職後にいきいきと働くためには、「上司からの業務支援」「同僚が転職者の持ち味を理解すること」「協働実感を持つこと」の3つも大事とされているので、転職後はこの3つを得るために組織に馴染む努力をするようにすると良いでしょう。
転職後に新しい会社に馴染んで成果を出すための6つの具体策
転職後にいきいきと働くためには、「周囲からの期待」に加え、「上司からの業務支援」「同僚が転職者の持ち味を理解すること」「協働実感を持つこと」の3つも大事だとお伝えしました。
では、これらを得るためにはどのようにすれば良いのでしょうか。
転職後に新しい会社に馴染んで成果を出すための6つの具体策を解説します。
具体策1. 時間の認識を正しくもつ
そもそも転職後は、新しい環境に慣れるのに約1ヶ月、既存社員と同じように仕事をこなせるようになるのに約3~6ヶ月、自分1人でひととりの仕事のサイクルを回して経験するのに約1年は必要ではないでしょうか。
入社後すぐに大きな成果を出す必要はないので、まずは直属の上司や教育担当と入社後1ヶ月、3ヶ月、半年、1年といった節目にどうなっていれば良いのかをその都度擦り合わせていくようにしましょう。
具体策2. 必要以上に自分を大きく見せすぎない
「成果を出さなければ!」と意気込むあまり自分を大きく見せようとするのは止めましょう。
必要以上に自分を大きく見せてしまうと、周囲の期待と自分の実力の均衡が取れずに苦しむことになります。
また、誤解された結果、「きっとあの人はこのくらいは1人でできるだろう」などと誤解をされて、周囲の協力を得にくくなるかもしれません。
具体策3. 新しい会社でのやり方にまずは慣れる
転職すると、前職での知識ややり方を披露して、自分の実力を周囲に示したくなりがちです。
それ自体は悪いことではないのですが、「前のときはこうしていた、こっちの方が絶対に良い」などと前職でのやり方に固執していると、新しい会社の組織から浮いてしまい成果を出しづらくなってしまう可能性もあります。
特に転職直後は、新しい会社でのやり方やその背景にある考え方を理解して、慣れることを心掛けましょう。
具体策4. 特に入社直後は、「教えてほしい」と積極的に周囲に働きかける
転職直後に、新しい環境や新しいやり方に戸惑うのはどんな人も一緒です。決して恥ずかしいことではありません。
知ったかぶりをしたり、自分で勝手な推測をしたりすると、仕事の効率が落ちるだけではなく、周囲との関係構築のチャンスも逃してしまいます。
自分から教えを請わないと、周りは「もう他の人が教えた後で、知っているかもしれないから私がわざわざ教えなくていいか」と思ってしまうものなので、積極的に働きかけるようにしましょう。
具体策5. 挨拶やコミュニケーションを積極的にして、相談できる人をつくる
仕事の基本は、挨拶と日々のコミュニケーションにあると言っても過言ではありません。
早めに周囲の協力を得られるような体制を構築するためにも、配属されたチームの上司や先輩、同僚などとのコミュニケーションを積極的に取るようにしましょう。
例えば、仕事の始まりと終わりに5~15分の短い定例を設けて、日々の不明点を相談させてもらうなども効果的です。
中途入社の同期がいる場合には積極的に話しかけてみたり、社内イベントに最初は頑張って参加してみたりするのもオススメです。
具体策6. 入社前のイメトレや勉強は必須ではないので、入社後に向けて英気を養う
転職後に向けて、入社前から業界や職種関連の本を読んだり、セミナー行ったり、同僚の話を聞いてイメトレなどをした方がいいのかも…と考え、それが精神的に負担に感じている人もいるかもしれません。
実現できれば意欲的で素晴らしいことですが、これらは必須ではありません。
入社前に必要だと思っていたスキルや勉強が、実はずれていて入社後にはあまり役立たないことも多いからです。
例えば、「Excelの基本操作が業務で必須と言われたが使ったことがないので勉強する」など、明確に業務に必要な苦手分野がある場合は別ですが、そうでなければ無理に勉強などはしなくても大丈夫です。
必要以上に心配しすぎず、入社後に「よしやるぞ!」とエンジンをかけられるように英気を養うことも大切です。
- タグ:
こちらの記事も読まれています
新着記事
- 2025年7月18日メールで履歴書を送付する際、パスワードはいる?いらない?
- 2025年7月18日職務経歴書の「タイトル・日付・氏名」の書き方|記載例あり
- 2025年7月18日「職業訓練」とは?公的なスキルアップ方法と転職活動のメリット
- 2025年7月18日地方創生に関わりたいのですが、可能でしょうか?【転職相談室】
- 2025年7月17日グローバルに関わる仕事とは【転職先の候補と注意点】
- 2025年7月17日【秘書の転職事例】経歴をアピールして希望の転職を実現するコツは?
- 2025年7月17日【自衛隊の転職事例】企業からの評価は高い?希望を叶えるためのコツは?
- 2025年7月17日転職後、即戦力になれるか不安な方へ【いきいき働く4つの鍵と6つの具体策】