履歴書は手書きすべき?それともパソコン?手書きでの作成手順・ポイントを解説

履歴書は、手書きでもパソコンでも、どちらで作成しても問題はありません。
本記事では、手書きで作成する場合のポイントや基本ルール、手書きとパソコンそれぞれのメリットなどについて、組織人事コンサルタントSagurosの粟野友樹氏が解説します。
履歴書はパソコンと手書きのどちらで作成しても問題ない
履歴書は手書きとパソコンのどちらで作成しても問題なく、採否に大きな影響はありません。
転職活動ではどちらかと言うとパソコン作成が一般的ですが、重視されるのは履歴書の内容であり、書き方自体で評価に直結することは少ないでしょう。
一方で、応募企業によっては、指定された応募書類を使用するケースがあります。
募集要項に履歴書の書き方などに指定がないかを確認し、あればそれに従って作成するようにします。
パソコンで作成する場合はもちろん、印刷をして手書きすることもできる履歴書テンプレートを、以下のページから無料でダウンロードすることができます。
パソコン作成と手書き作成の履歴書、企業の評価はどう変わる?
企業の採用担当者は、どのくらい書き方を重視しているものなのでしょうか?
少し古いデータではありますが、リクナビNEXTが2017年に実施したアンケートデータをご紹介します。
アンケート調査によると、「違いはない」が半数
採用担当者へのアンケートによると、手書きとパソコンで作成した履歴書について、約半数である51%の人が「違いはない」と回答しました。
また、「手書きのほうを評価する」と回答した人は29%、「パソコンで作成したほうを評価する」と回答した人は10%という結果となりました。

「評価する」「評価しない」採用担当者の声
具体的には、次のような意見が寄せられました。
「手書きのほうを評価する」と回答した採用担当者の声 | ・字そのものをきれいに正確にかけるかの確認をしているから ・文字には人となりが表れやすく、上手・下手ではなく丁寧に書かれているかどうかで、その人自身を判断する材料となり得るため |
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「パソコン作成のほうを評価する」と回答した採用担当者の声 | ・文章が読みやすい – パソコンスキルと作成能力を見ている |
「どちらとも言えない」と回答した採用担当者の声 | ・手書きは筆跡の綺麗さ丁寧さも判断できるし、PCで作成したものは、きっちりしたスキルがある感じがするので、一長一短 ・字の上手さや、書き方のバランスによってはプラスにもマイナスにもなる |
【アンケート調査概要】
「リクナビNEXT 採用実態調査」 実施期間:2017年3月23日~3月27日 調査機関:楽天リサーチ
調査対象:直近一年間に正社員の中途採用に携わった従業員50名以上の企業の採用担当者300名
手書きの履歴書の書き方

手書きする際の基本ルール
- 読みやすさを心がけ、枠内にバランスよく書く
- 履歴書を不自然に折り曲げない・汚さない
- 黒のボールペンまたは万年筆を使う
- 修正テープや修正液は使わない
- 写真サイズを確認し丁寧にカットし、裏側に氏名を書いてから貼る
この基本ルールに則りながら、以下の5つのステップで作成していきます。
ステップ1:履歴書のフォーマットを準備する
まずは履歴書フォーマット(テンプレート)を用意します。
企業から指定のものがあればそちらを使用し、なければ市販あるいは無料でダウンロード(プリントアウト)できる一般的なフォーマットを利用して問題ありません。
手書きの文字でも読みやすいように、A4サイズのものがおすすめです。
履歴書の各種フォーマットはこちら:履歴書テンプレート8種|無料ダウンロード【Word・Excel・PDF対応】 |
ステップ2:下書きする
実際に履歴書を書く前に、パソコンで下書きを作成すると、ミスや誤字脱字を防ぎやすくなります。
まず、Webでダウンロードできるテンプレートを使って必要事項を記入し、見本として作成します。
次に、それを見ながら手元のフォーマットに手書きで記入していきます。
この方法であれば、全体のバランスも整えやすいでしょう。
履歴書に鉛筆で下書きしてしまうと、後が残りやすい上、下書きを消しゴムで消す際に跡が残ったり、文字がにじんで汚れたりする可能性があるため、避けたほうが無難です。
ステップ3:黒のボールペンまたは万年筆で清書する
履歴書を作成する際は、黒のボールペンを使用しましょう。
慣れている方は万年筆でもOK。ダマになったりかすれたりしないもの、自分が書きやすいと思えるものを選ぶのがポイントです。
なお、鉛筆やシャープペン、こすると文字が消えるボールペンを使用するのはNGです。
修正テープや修正液を使うのも避けてください。ビジネス文書には不適切であり、ビジネスマナーをわきまえていないと捉えられてしまう可能性があります。
もし間違えてしまった場合は、新しい履歴書に書き直します。
最終手段にはなりますが、書き直す時間がない場合は、正式な書類で使われる「間違えた箇所に二重線を引き訂正印を押す」という訂正方法で対応します。
ステップ4:写真を貼る
履歴書を手書きする場合は、写真も印刷をしたものを、切って、貼る作業が発生します。
その際は、次のポイントを押さえましょう。
- 写真のサイズが証明写真の枠のサイズ(タテ40.cm×ヨコ3.0cm)と合っているかを確認する
- 曲がらずまっすぐカットできているか、枠からはみ出していたり、枠より小さくなったりしていないか確認する
- 紙がヨレたり汚れたりしないように、糊ではなく両面テープや写真用接着剤を使用する
- 履歴書から写真がはがれてしまった場合に備え、写真の裏側に氏名を書いてから貼りつける
履歴書の「写真」について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
ステップ5:完成後に全体をチェックする
完成したら、「誤字脱字がないか」「汚れや折れ曲がりがないか」など、全体をチェックします。
可能であれば、家族や友人などの第三者にチェックしてもらってください。自分では見落としていた誤字や読みにくいポイントを発見してくれることがあります。
履歴書のパソコン作成と手書き作成のメリット
履歴書のパソコン作成と手書き作成、それぞれどのようなメリットがあるのでしょう。
パソコン作成なら手間がかからず、効率化できる
パソコンで履歴書を作成するメリットには、以下のような点が挙げられます。
・データを保存できる ・記入欄や文字の大きさなどを調整できる ・すぐにメールで送信できる ・誤字・脱字のチェックがしやすい企業の採用担当者が読みやすい |
パソコン作成の最大の利点は、手間がかからず効率化できるところです。
一度作成したデータを保存しておけば、応募企業に合わせて志望動機や自己PR欄などを書き換えることで、複数社への応用が可能です。
紙の履歴書とは異なり、記入欄の調整も可能なので、職務経歴や資格などが増えた場合も、その都度データに書き足すなど、自分の経歴に合わせ柔軟に改変ができるのも特徴です。
応募企業が履歴書をデータで受け付けている場合は、すぐにメール添付・ストレージ経由などで送ることができ、郵送に比べて手間がかからないでしょう。企業からの受領確認もしやすく安心です。
一方デメリットとして「個人用パソコンが必要になる場合がある」「データを紙に出力する際、手間がかかる可能性がある」「一定のパソコンスキルが必要」などが挙げられます。
スマートフォン用のアプリケーションを使って履歴書を作成する方法はありますが、履歴書のフォーマットはパソコン用に作られているケースが多いようです。
また、郵送や手渡しなど紙で提出を求められた場合は、プリンターで出力する必要があります。自宅にプリンターがなくてもコンビニエンスストアなどで出力は可能ですが、手間と感じるかもしれません。
手書き作成ならパソコンスキルは不要、すぐ作成に着手できる
手書き作成の場合のメリットは、次の点が考えられます。
・パソコンを持っていなくてもすぐに作成できる ・パソコンスキルは不要 ・手書きを人柄や熱意が伝わって良いと評価する企業の採用担当者もいる |
手書きの場合は市販の履歴書用紙と黒ボールペンさえあれば作成できるので、パソコンやプリンターを持っていない人もすぐに作成できます。
一方デメリットは「作成に手間がかかり、間違えたら書き直しが必要になる」「履歴書を購入するコストがかかる(無料テンプレートの出力する際にも紙代がかかる)」「手書き文字を丁寧・きれいに書けないと企業の採用担当者が読みづらい」などが挙げられます。
情報量の多い履歴書を手書きでミスなく書き上げるのには、集中力が必要です。
一文字間違えたら最初からやり直し、というプレッシャーから、1社分書いただけで疲れてしまう人も少なくないでしょう。応募先が複数ある場合はなおさら、多くの時間と労力を費やさなければなりません。
また、手書きゆえに、丁寧に書かなければ採用担当者が読むのにストレスを感じることも…。
雑に書かれた文字、バランスが崩れた文字であれば、「仕事も丁寧さに欠けるのではないか」と印象が悪くなる可能性があります。
このように、手書きとパソコン作成には、それぞれにメリット・デメリットがあります。どちらで作成しても問題はありませんので、自分にあったやり方を選ぶといいでしょう。