【株式会社アサンテ】仕事に愛と誇りを持てる社員を育成してこそ、会社は成長する――アサンテ・宗政社長の「人材育成への思い」とは?
一般の個人住宅を対象としたシロアリ防除、湿気対策、地震対策、リフォームなどといったハウスメンテナンスサービス全般を手掛ける株式会社アサンテ。住宅用のシロアリ防除ではトップ(会社四季報2017年第2集)。同社では創業時から、「会社の成長のために最も重要なのは“人”である」という思いを持ち、人材育成に注力し続けている。
同社の人材に対する思い、人材育成において大切にしていることなどを、同社の宗政誠社長に伺った。
▲株式会社アサンテ 代表取締役 宗政 誠氏
人こそ会社の財産。この仕事の意義を感じ、誇りを持って活躍してほしい
同社が扱っている商品は、シロアリ防除や湿気対策、地震対策が主。被害のある場所は、住宅では床下が多く、普段の生活では被害があっても気付きにくい場所となる。そのため、アサンテの営業スタイルは、営業担当者が一般の個人住宅を訪問し、床下調査の案内を行ない、アポイントを取得。そして実際に調査した後、状況報告、提案、成約といった流れとなる。施工は技術担当者が2人1組で対応し、シロアリ防除や湿気対策などといった、「住宅を長持ちさせるサービス」の提供を行なう。
「この仕事に愛を持ち、使命感を感じることが何より重要。自分の家を守るような気持ちで仕事に臨んでこそ、お客様の信頼を得られるのです。そのために当社では、『“人”こそ財産』と捉え、人材育成に注力しています」
同社では、猪苗代町(福島県)と三ヶ日町(静岡県)に独自の総合研修センターを設立。入社時の導入研修では、住宅の構造やシロアリなどの専門知識のほか、作業手順なども一からじっくり学べる。また業務知識だけでなく、礼儀、マナーなどといった基礎も教わることができる。「様々な経験を積んでいる中途入社の方に対しても、一からしっかりと学べる機会、場所を設けること」で、未経験者であっても高い技術力や接客力が身につけられるという。
また、研修中は「社員同士のコミュニケーション」も重要視している。仲間と寝食をともにしながら、互いが仕事に対して感じていることについて話し合い、意見交換し合う中で、皆が「この仕事の意義」を実感し、「仕事に対する誇り」も醸成されるという。このような研修を経て、信頼を得られる人材へと成長していき、全国どの営業所でも高品質のサービスを提供することが可能になると、力強く語っている。
「当社の仕事は決して楽ではありませんが、施工後は、お客様から『ありがとう』『お願いしてよかった』など感謝の言葉を直接いただくことができます。そして“家を守る”ことは、ひいてはその家に住む“家族を守る”ことにもつながります。喜びとやりがい、そして大きな使命感を感じられる仕事だと考えています」
1軒1軒の住宅と真摯に向き合い、使命感を持って真面目に仕事に取り組む社員の姿は、さらなる信頼につながっている。また全国に約40万軒ものお客様がいるという。顧客数の多さが、顧客信頼度の高さを物語っている。電話や手紙で、改めて感謝の気持ちを伝えてくれる顧客も多く、その内容を全社員に共有することで、社員のモチベーションアップにもつながっている。
「同志」となる人材をじっくり育てることに注力すれば、業績は後からついてくる
1950年代から70年代にかけて、日本は高度経済成長期の真っ只中にあった。山林はどんどん切り開かれ、住宅着工件数は一気に増えた。
当時、アルバイトでシロアリ防除に携わった宗政社長は、シロアリのすさまじい被害と繁殖力を、身を持って体感したという。宅地開発が急速に進むにつれて、シロアリ防除はますます重要な仕事になると実感。その思いを形にするため、1970年に三洋消毒社(現、アサンテ)を創業した。
その時、支えになってくれたのが仲間の存在だった。宗政社長と同じく、この仕事に使命感を感じ、ともに会社を大きくしようと集まってくれたのだという。
「仲間がいたからこそ、当社の基礎ができた。この経験から、一期一会を大切にしたいという思いが強まり、一生懸命、社員を育て続けてきました。その思いが脈々と受け継がれ、今へとつながっていると感じます」
現在、住宅に対する人々の志向は、平成21年6月に施行された長期優良住宅の普及の促進に関する法律の影響もあり、「いい家を建て、長く大事に長く暮らす」に変化しつつある。それに伴い、既存の住宅に住んでいる消費者も、住宅の定期的なメンテナンスの重要性をより強く認識されるようになり、同社の活躍の場も広がっているという。
2014年に東証1部に上場し、創業来の目標を達成したアサンテ。次の目標は、「未進出だった関西以西への営業所の開設・拡大」、そして「2020年までに売上高200億円達成」だが、そのためにはやはり「人」が要になる…と宗政社長は話す。
「今までに、いろいろな企業を見てきました。急成長していても、業績ありきで突き進んだ結果、人材育成が追い付かずに失速し潰れた企業も数多く知っています。当社は、まず人ありきであり、人がいてこそ業績は作ることができると思っています。だからこそ、これからも社員を大切に、という方針は変わりません。当社の事業に共感し、仕事に誇りを持ってくれる“同志”を一からじっくり育成して、着実に営業所を拡大していきたい。それにより、各地域で信頼を集め、地域に根差す存在になることで、業績拡大につながっていく――そう信じています」
記事掲載日:2017年4月14日 WRITING 伊藤理子
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