不満はないけど、現状維持で過ごすことにもやもやする。転職活動をするべき?【転職相談室】

現職に大きな不満はないものの、成長実感が得られず、現状維持で過ごすことに“もやもや”を抱えている相談者。漠然とした不安感から転職活動に踏み切っていいものか、と悩んでいるようです。
そんな相談者に、組織人事コンサルタントの粟野友樹氏が、「現状維持バイアス」について交えながらアドバイスします。
目次
現状維持で成長実感がなく、不満はないけれどやりたいこともない。もやもや解消のために転職活動をするべき?(Kさん/営業/27歳)

<相談内容>
新卒で入った日系メーカーで営業を担当し5年目です。
今の会社に大きな不満はないのですが、成長できている実感があまりなく、なんとなく現状維持をしているだけに感じています。
心機一転、転職をしてみてもよいのでしょうか。
これといってやりたいことがあるわけではないので、「これを極めたい!できるようになりたい!」という具体的な意欲もありません。
こんな状況で転職活動に踏み切っていいのか迷っています。
現状維持にもやもやしている時が、転職活動の始め時
▶アドバイザー
営業5年目で仕事にも慣れ、安定した環境で変化がない─そんな現状なのかな、と推察しました。
仕事に意欲が感じられず、もやもやを抱えたまま時間が過ぎているのであれば、転職活動を始めてみるのも一つの解決策かもしれません。
▶相談者
明確な転職理由ややりたいことがなくても、動いてしまっていいものでしょうか。
▶アドバイザー
「転職すること」と「転職活動をすること」は違います。
転職活動を経た上で、転職をするかどうかを決めるのはまた別の話。
そう捉えて、まずは気軽に動き始めるのもいいと思いますよ。
転職活動の第一歩は、情報収集です。
そもそも世の中にはどんな業界、企業、職種の選択肢があるのか、どんな求人が出ているのか、任される仕事内容や給与体系はどうかなど、さまざまな情報に触れることで、Kさんが置かれている現状を客観的に見直す機会になるかもしれません。
▶相談者
確かに、新卒入社以来、現職のことしか知らないので、他社との相対比較はしてきませんでした。
▶アドバイザー
情報を得る中で、「こんな仕事だったらやりたい」と興味を引かれる領域が見つかったり、働いてみたい企業、事業内容を知れたりするかもしれません。
逆に、今の仕事が自分に合っていることを再認識したり、給与体系などの条件面から「現職は恵まれた環境なんだな」と気づかされたりすることもあるかもしれませんよね。
どんな感情が引き出されるのかを知るためにも、転職サイトに登録したり、転職エージェントに相談してみたりと、動いてみることをおすすめします。
もやもやしているのに転職を決意できないのは「現状維持バイアス」が原因かもしれない
▶相談者
このまま現状維持のぬるま湯にいたら、どうなってしまうんだろうという不安はあります。
ただ、今の職場に具体的な不満があるかと言われれば、思い当たらない…。
思い切って動いてから、「やっぱり前のほうがよかったな」と後悔するのだけは避けたいです。
環境や人間関係が変わることを考えると、ちょっと腰が重くなっているんです。
▶アドバイザー
変化を恐れ、避けたいと思うのは、人間の自然な心理です。
「知らないことや経験のないことは受け入れたくない」「現状維持のままでいたい」という心理的作用を「現状維持バイアス」といいます。
たとえ、状況が好転すると分かっていても、損失が発生するリスクを回避するほうに意識が向いてしまい、行動できなくなってしまうのです。
▶相談者
なるほど。自分は「現状維持バイアス」にかかっているかもしれないですね。
▶アドバイザー
現職に不満がないのであれば、現状維持が安心と考えるのは決して悪いことではありません。
ただ、バイアスが強いと中長期的なキャリア面でネガティブな影響が出てくる可能性があります。
仕事に意欲が持てないのに惰性で2~3年続けていても、時間だけが過ぎていき、結果としてスキルや経験が身に着いていきません。
また、現職で異動や出向、昇進の機会、新たなプロジェクトに参画する機会などさまざまなスキルアップのチャンスが訪れても、挑戦しようと動くことができず、成長機会を逃してしまうかもしれません。
▶相談者
今のままだと、まさにそうやってチャンスを失っていきそうです。
現状維持バイアス自体を克服する方法はあるのでしょうか。
▶アドバイザー
まず大切なのは、「現状維持バイアス」という概念を理解すること。
人間の特性として知っておくことで、自分の状態をより客観的に見直すことができます。
「物事を数字で考えてみる」のも一つの方法です。
現職しか知らない今の状態から抜け出し、転職活動によって情報を集めることで、「このまま転職しなければ3年後、5年後にどうなるのか」「転職した場合はどうなるのか」を、たとえば年収で比較検討することもできるようになります。
年収はあくまでも一つの基準なので、任される業務範囲や昇進スピード、その後のキャリアの選択肢の広がりなど、さまざまな観点で現状と比べてみるといいかもしれません。
▶相談者
バイアスが強いと、転職した場合のリスクの方を過大にとらえてしまいそうですね。
▶アドバイザー
そうなんです。自分一人で比較するのではなく、転職エージェントなどの第三者からアドバイスをもらうのも有効だと思います。
もし、周りに転職経験者の友人や先輩がいるのなら、転職する前に感じていた不安や、実際に動いてみた結果はどうだったのかをエピソードベースで聞きに行くのもいいでしょう。
▶相談者
そうですか。現職のままか、転職かという二択で考えていましたが、まずは転職活動で情報に触れるステップが大事なんですね。
もやもやとしたまま時間を過ごすのではなく、定量・定性、いろいろな情報を集めに動いてみたいと思います!
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