「食品に関わる仕事」に転職するなら、どんな仕事がある?転職のポイントを解説

「衣・食・住」という言葉があるように、「食」は生活に欠かせない要素のひとつです。そのため、誰しも必要となる「食品に関わる仕事」に就きたいと考える方も少なくありません。
では、「食品に関わる仕事」には、どのような職種が挙げられるのでしょうか。
そこで今回は、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏に取材し、「食品に関わる仕事」の種類や転職のポイントについてまとめました。
「食品に関わる仕事」とは
食品に関わる仕事を大きく分けると、農業や漁業などに代表される「生産者」と、食品加工を行う「メーカー」、食品を運んで販売する「流通・販売」に大別されます。
一般的に、生産者を「1次産業」、メーカーを「2次産業」、流通・販売を「3次産業」と呼んでいますが、例えば農家が育てた野菜を調理し、飲食店として料理を提供するといった、生産者自身が加工してそのまま販売するケースもあります。
こうした取り組みは、「1次産業×2次産業×3次産業」として「6次産業」と呼ばれています。
他にも、生産者から食品を仕入れてメーカーに販売する「商社」や、メーカーから食品を仕入れて小売りに販売する「卸」、食品の魅力を伝える「広告・メディア」、ITの力で食の課題を解決しようとする「フードテック(FoodTech)」など、食品に関わる仕事は数多くあります。
「食品に関わる業界」8選
食品に関わる代表的な業界を解説します。
生産者(1次産業)
食品の生産としては、「農業」「漁業」が代表的です。
農業には、米や野菜を作る他に、酪農や養鶏などの「畜産」もあります。
また、漁業には、魚介類を捕獲する漁業の他に、魚介類を養殖する養殖業に分けることができます。
商社
海外の農家などから食材を仕入れて日本に輸入し、国内のメーカーに販売するのが商社の役割です。
総合商社と専門商社があり、企業によっては加工などを行うこともあります。
メーカー
食材を加工して加工食品や調味料、飲料などにするのがメーカーの役割です。
食に関わるメーカーは、直接食品を加工する食品メーカーだけでなく、食品加工機器や厨房機器などを製造する機械メーカー、加工した食品を梱包するパッケージメーカーなどもあります。
食品卸・流通
メーカーが加工した食品を、小売り業者や飲食店・ホテルなどに届ける役割を担うのが食品卸・流通業者です。
食品卸は「問屋」と呼ばれることもあります。
物流や在庫に特化することで、効率的に食品の供給を行うことができるのが食品卸・流通業者の強みです。
小売り
スーパーマーケットやコンビニエンスストアなど、食品を直接消費者に販売するのが小売業者です。
専門店やインターネットのECサイトも小売りに分類されます。
飲食店・ホテル
飲食店やホテルも食品を扱っています。
飲食店やホテルの飲食部門を細分化すると、レストランや居酒屋、カフェやファーストフードなどが挙げられますが、これらを総称して外食産業とも呼ばれます。
弁当や総菜などを販売する店舗は中食産業と呼ばれています。
広告・メディア
直接、食品を生産したり運んだり販売したりするわけではありませんが、広告やメディアを通じて食の魅力を消費者に伝えるのが広告・メディア業界です。
レストランなどと異なり、味やにおいを直接伝えることができないため、食品ならではの独特な表現力を発揮しています。
フードテック
食(Food)と技術(Technology)を掛け合わせた言葉が「フードテック」です。
技術を活かして食の課題を解決したり、新たな可能性を見出したりする領域をフードテックと呼んでいます。
世界的な課題となっているフードロスや食糧不足を解決する技術や、労働力不足を解決する調理・運搬ロボットなどの技術に注目が集まっています。
「食品に関わる職種」
これから転職を検討している方に向けて、未経験にも門戸を広げている「食品に関わる職種」をご紹介します。
営業
数ある食品に関わる職種の中で、求人が多いのは営業職です。
未経験を採用するかどうかは企業によって異なるため、メーカーや商社、卸や流通など、興味を持った業界があれば、幅広く求人を探してみましょう。
マーケティング・広報・PR
食品メーカーや飲食店、ホテルや広告代理店、メディアなど、自社が扱う食品の魅力を伝えるのが、マーケティング・広報・PRです。
例えば、ホテルのPR担当が季節に合わせたフェアを告知したり、レストランチェーンが新店舗のPRを行ったりするなど、集客・販売促進のための企画や運営を行います。
バイヤー
主に小売りや飲食店・ホテルなどに在籍するバイヤーは、生産者やメーカーなどの商品を選定し、仕入れを行います。
自社のサービス品質や顧客ニーズ、コストにマッチした商品を見極め、交渉する必要があり、企業によっては海外とのやり取りも発生します。
そのため、バイヤーの求人は経験者向けが多い傾向があります。
コンサルタント
食品業界を専門としてアドバイスを行うコンサルティングサービスを提供します。
飲食店のプロデュース、店舗開発、メニュー開発、集客、フランチャイズ展開、IT活用に伴う業務効率化、人材支援など、コンサルティングを行う領域は多岐にわたります。
バイヤー同様に、求人は経験者向けが多い傾向があります。
販売・接客
飲食店やホテル、デパートなどで食品を販売・接客するスタッフです。
直接食品を扱い、世の中に自社商品の魅力を伝えることができる仕事なので、「食に関わる仕事をしている」というやりがいを得られるでしょう。
未経験にも門戸を広げている求人が多いのも、販売・接客の特徴です。
調理
飲食店やホテルなどの外食産業および、弁当や総菜などの中食産業に欠かせないのが調理スタッフです。
一般的に、調理の仕事は調理補助を経て調理師にステップアップし、料理長などになるケースが大半。
調理補助であれば未経験からでも転職可能です。経験を積んで独立・開業というキャリアも目指すことができる職種です。
研究開発
主にメーカーに所属し、成分分析や精製、調査など、食品の研究を行う職種です。
基礎研究や応用研究だけでなく、新製品の商品化や既存製品の改良など、商品開発も研究開発部門が行うこともあります。
生産技術
生産技術とは、食品に限らず全てのものづくりの現場において、品質を維持しながら商品を量産するための技術開発を行う仕事です。
生産プロセスを改善するために生産体制を見直したり、高率化してコストダウンを実現したりして、ものづくりの効率化・安定化に努めています。
品質管理
品質管理は、生産した商品の品質が保たれているかを確認する仕事です。
食品の場合は、管理体制によっては衛生上の問題が生じる可能性があるため、食品メーカーは生産環境の衛生確認や品質チェックなどを徹底しています。
製造
工場で食品の生産に携わるのが製造の仕事です。食品工場での製造の仕事は、シフト制となっていることが多く、作業時間や行程が明確になっているケースが一般的です。
社員として経験を積むと、製造だけでなくアルバイト・パートの管理や生産工程の改善などに関わることもあります。
未経験から「食品に関わる仕事」に転職するポイント
未経験から、食品に関わる仕事に転職するためのポイントを解説します。
応募する仕事との共通点を意識する
例えば「課題解決力」「巻き込む力」など、業界や職種を超えて持ち運びのできるスキルのことを、「ポータブルスキル」と呼んでいます。
未経験だとしても、応募する求人で活かせそうな経験・スキルがないか探してみて、自己PRや志望動機などでアピールしましょう。
成果にこだわる姿勢も伝える
採用担当者が最も判断したいことのひとつが、「入社後に成果を出してもらえるか」という点です。
「食品に関わる仕事がしたい」「応募企業のクレドに共感した」などのアピールだけでなく、入社後にどのように成果を出したいのかを伝えましょう。
未経験の転職の場合は、即戦力としてすぐに成果を出すことが難しいかもしれませんが、成果を出すための学習意欲や姿勢を伝えることが重要です。
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