自分に合う仕事・適職を見つける4つの方法【適職診断ツールも紹介】

自分に合う仕事や向いている仕事、適職が分からないために、今の仕事で悩みを抱えていたり、転職に踏み切れなかったりするケースは珍しくありません。
転職をしたいけれど、自分に合った仕事には何があるのか分からないという方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、「自分に合う」「向いている」仕事を見つける4つの方法を、組織人事コンサルタントの粟野友樹氏にお伺いしました。
「適職」「自分に向いている仕事」とは?
「転職して適職に就きたい。でも、自分に合った適職が何か分からない」という方は少なくありません。
「適職」や「天職との違い」について解説します。
適職とは「得意な仕事」
「適職」を、「やりたい仕事」「好きな仕事」と捉える方もいるようですが、やりたい仕事や好きな仕事が必ずしも成果を出せるとは限りません。
うまく進められなかったり成果が出なかったりすると、好きな仕事であっても興味を失っていく可能性があります。
適職とは、「自分の才能や特性、経験スキルなどの得意分野を活かし、成果を出せる仕事」を指します。
成果を出すと評価されるため、モチベーション高く主体的に取り組めるようになります。
適職に就くためには、自分の得意分野を正確に把握することが重要です。
適職と天職の違い
適職と似ている言葉に「天職」があります。「天職」とは、適職の側面に加えて「やりがいがある・好き・夢中になれる」という面も兼ね備えています。
適職と転職の主な違いは、下記の表の通りです。
項目 | 適職 | 天職 |
---|---|---|
仕事で実績などの結果を出せるか | 出しやすい | 出しやすい |
仕事で自分の才能や特性、経験スキルを生かせるか | 生かしやすい | 生かしやすい |
モチベーション高く主体的に取り組める仕事か | 取り組める | 取り組める |
得意な仕事であるか | 得意と言える | 得意と言える |
やりがいがある仕事か | 必ずしも必要でない | ある |
好きな仕事か | 嫌いではない | 好き |
夢中になれる仕事か(没頭できる仕事か) | 必ずしも必要でない | なれる(できる) |
自分に合う仕事を見つけるための4つの方法
自分に合った仕事を見つけるために、具体的にどのような方法があるのでしょうか。
適職が見つかる4つの方法をご紹介します。
自己分析を行う
適職を見つけるには、「自分が主体的に取り組める仕事」の範囲を見極めることが大切です。
見極めには、フレームワークを使って整理するといいでしょう。
フレームワークには「自分年表(フォーマットはこちら)」 「モチベーショングラフ」など様々なタイプのものがあるので、自分の使いやすいものを使ってみてください。
例えばスキルの棚卸しをしたいなら「経験・スキルから棚卸し」、価値観について深く探りたいなら「モチベーショングラフ」を手始めに活用するといいでしょう。
フレームワークを使った自己分析が難しいと感じた場合は、リクナビNEXTの「グッドポイント診断」を利用するという方法もあります。
診断で自分の強みを見つけて、向いていそうな仕事を考えてみましょう。
自己分析ツールは、厚生労働省が提供する職業情報提供サイト(日本版O-NET)にもあります。
外部ツールも積極的に活用しながら、自分を客観的に見てみることもおすすめです。
評価が高かった仕事を整理する
仕事の好き嫌いに関係なく、客観的な評価が高い仕事も、自分に合った仕事である可能性が高いと言われています。
これまでの仕事で売り上げに貢献できたことや、上司・会社からの評価が高かった仕事内容・エピソードなどをまとめてみましょう。
業績などの結果以外でも、「周りのメンバーに影響を与えた」「チームワークのためにこんな行動をとった」など、プロセスの部分で評価された内容も振り返ります。
評価が高かった仕事や業務内容をまとめ、自分の強みが活かされそうな仕事を検討してみるといいでしょう。
第三者のアドバイスを受ける
「客観的に自分を知る」ためには、第三者の意見をもらうことも非常に有効です。
自分では気づけなかった強みや適性を見つけられる可能性があるからです。
まずは家族や友人など、自分のことをよく知っている人に自分の強み・弱みを客観的に分析してもらうといいでしょう。
それが、好きなことや特技を見つけ出すための大きなヒントにつながるかもしれません。
身近には相談相手がいない、親しい間柄だとやはり主観的な意見が混じってしまう、という場合は、転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談するのもおすすめです。
キャリアアドバイザーから、キャリアの棚卸しを通じてアドバイスを受けることができます。
第三者の指摘によって気づかなかった自分の仕事に対するこだわりや価値観が明らかになることもあるでしょう。
適職診断ツールを参考にする
自分にできる仕事を整理するのが得意でない、または時間がかかりそうな場合は、手始めに「適職診断」を活用するのも1つの方法です。
診断結果から、「確かにそうだな」と納得できる点や「予想と違う」などと引っ掛かる点を整理できるので、自分に合った仕事を選択しやすくなります。
リクナビNEXTの「適職診断」を利用すれば、あなたの価値観や隠れた性格を分析し、理想の仕事を見つけるヒントが得られるかもしれません。
「自分に合う仕事が分からない」と感じてしまう理由
「自分に合う仕事が分からない」という場合は、2つの情報収集不足が考えられます。
1. 自分の強みや得意分野が分からない 2. 自分に合う業界や企業が分からない |
自分に合う仕事を見つけるには、自分の強みや価値観と、それらにマッチする企業を絞り込むためのさまざまな情報収集が欠かせません。転職活動を始める際に不足しやすい2つの情報について解説します。
自分の強みや得意分野が分からない
転職しようにも、「得意な仕事が思い浮かばない」「自分の強みや身についたスキルが分からない」という人は多いものです。
得意なことや強み、身につけたスキルを明らかにするには、これまで経験してきた仕事の棚卸し・振り返りが有効です。
「自分がどういったことを大切にしてきたのか」「どのようなことに喜びや面白さを見出し、感情を揺さぶられたのか」などをできるだけ丁寧に振り返りましょう。
自己分析を進めていくうちに、例えば「チームで成果を出すことが得意で、モチベーションを感じる」などの気づきを得て、「チームメンバー同士で活発に対話しながらプロジェクトを推進していく仕事がしたい」など、考えを整理できるようになります。
社内でそのためのチームを作る・上司に相談や提案をする・異動する・転職するなど、「自分に合った仕事や働き方(適職)」に近づくための選択肢が見えてくるでしょう。
自分に合う業界・職種・企業が分からない
仕事について知るための業界・職種・企業研究不足も、自分に合う仕事が分からなくなる理由の一つに挙げられます。
業界・職種・企業研究が不足していると、自分の知識の範囲内でキャリアを決めてしまう可能性があります。
例えば、同じ「営業」でも、個人主義で新規獲得が中心の営業や、チーム制で既存顧客との関係構築が中心の営業など、業界や会社、部門が変わると、全く別の仕事になることがあります。
仕事の研究を十分に行うことによって、これまでの経験が次の仕事にどのようにつながるのかを想像できるようになったり、自分に合った働き方を具体的にイメージできるようになったりします。
自己分析と同時に業界・企業研究を深めることで、自分に合った仕事や環境を見つけられるようになるでしょう。
業界・職種・企業研究のポイント
「自分に合う仕事を探す」という観点から、業界・職種・企業の研究のポイントについて解説します。
業界研究のポイント
まずは業界を限定することなく、各業界の大まかな見取り図や相関図を幅広く知ることから始めましょう。
例えば、「人材業界」とひとくくりにしても、転職サイト・人材紹介・派遣・人事コンサル・HRテック・研修など、様々な人材系のサービスがあります。
その中で「採用領域」に絞り込むと、新卒向け・中途向け・地方向け・第二新卒向け・総合・RPO(採用代行)などに細分化されていることが分かります。
業界研究のポイントとしては、全体を俯瞰して見たとき、「その業界にはどのようなプレイヤー(企業)がいるか」「SNSやニュースサイトで取り上げられるような業界のトレンドや将来性の話題」といったことをざっくり把握することが大切です。
職種研究のポイント
業界のイメージができてきたところで、職種研究をやってみましょう。
業界によって活躍する職種は異なります。
例えばメーカーの場合、機械設計や生産技術、品質管理などのものづくり系の技術職種がありますが、ITの場合は、システムエンジニアやインフラエンジニア、セキュリティエンジニアなどのIT系の技術職種になります。
また、「営業」という職種も、業界や顧客によって仕事の内容や進め方が異なります。
個人向け営業の場合は、新規顧客が中心で受注までの期間が短い傾向がありますが、法人向け営業の場合は、既存顧客が多く稟議を通すため受注までに時間がかかるという傾向があります。
職種研究は、興味を持った職種の求人をチェックする、転職フェアで直接話を聞く、転職エージェントのキャリアアドバイザーに質問する、といった方法があるでしょう。
企業研究のポイント
業界・職種研究が進み、興味を持った分野が見えてきたら、企業についても丁寧に調べて整理しましょう。
最近は「人的資本開示」に取り組む企業が増加し、企業ごとのビジネスモデル・競合優位性や、働き方や定着率、人材育成の取り組み、エンゲージメント、人材の多様性などの情報が得られやすくなっています。
採用に関しても、採用ピッチ資料の公開、会社の雰囲気・社風などを動画で発信する、社員自らのSNS活用などが盛んです。
その辺りを見回してみて、興味を持った企業から注目してみるといいでしょう。
業界研究も生かしながら、3Cフレームワークなどを用いて整理する方法があります。
自分の言葉で企業の情報を書いてまとめると、企業理解を格段に深まるでしょう。
現職で違和感を持ったときに試したいこと
現職を続けながら「自分に合った仕事ではないのでは」「ほかにもっと向いている仕事がある気がする」とモヤモヤを抱えている人もいるかもしれません。
そんな時は、転職を考える前に、現時点でできることも考えていきましょう。
まず進めたいのが、「社内での相談やヒアリング」です。
上司に相談し、現状の改善方法を一緒に考えてもらうのです。
解決策には、
・リーダー職など新たな役割を提案してもらう ・改善・成長するためのアドバイスを受ける ・目標をモチベーションが上がる内容に再設定する ・異動を相談する |
など、さまざまな方法があるでしょう。
ほかに、
・活躍している同僚などに仕事のやりがいや進め方などをヒアリングする・まねる ・人事にキャリア相談をしてマッチする部署の人を紹介してもらう ・異動や社内公募などの制度を教わる |
といったアクションもあります。
上記と並行して進めたいのが、「将来につながる経験・スキルを身につける」ことです。
自己分析や業界・企業分析を通じて、「こういう方向でキャリアを歩みたい」と方向性が見えたら、それにつながる経験・スキルを身につけられるように社内でアクションをとりましょう。
異動を希望したり、上司に提案したりと周りに働きかけたりするほか、資格取得などスキルアップもコツコツと進めていくと良いでしょう。
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