新卒2年目だけど転職を検討中。3年働いてからのほうが有利ですか?【転職相談室】
新卒で入社して1年経ち、今年で2年目。憧れている業界があり、いつかは転職したいと考えているが、入社して3年は働いたほうがいいのか、すぐに転職したほうがいいか迷っている――そんなお悩みに、リクルートエージェントのキャリアアドバイザーがお答えします。
アドバイザー
三角 南海子(みかど・なみこ)
現在、販売・営業・その他サービス職を担当。企業向けに求人開拓をしていた経験を活かしつつ、キャリアの方向性に迷っている転職者の思考を整理、納得感のある判断ができるよう目指している。
目次
入社2年目ですが、転職するか迷っています。3年間働いた場合とどちらが有利なのでしょうか?(Aさん/24歳/女性)
<相談内容>
憧れの業界で働きたいと思っており、初めて転職を検討しています。
現在、新卒で入社した食品メーカーで営業事務をしています。就活の際にはブライダル業界を目指しましたが、叶いませんでした。たまたま内定が出た今の会社に入社したものの、やはりウェディングプランナーになる夢をあきらめきれません。
「最低3年間は働いたほうがいい」という話を聞いたことがあるので、今の会社で3年頑張ってから転職しようかと考えていました。
ところが最近、大学時代の同期の友人が転職したため、話を聞くと、「第二新卒は有利」と言われました。
これは友人の運が良かっただけでしょうか。第二新卒が有利なら、すぐにでも転職したいです。だけど、まだ1年しか働いていないのに、本当に転職に踏み切っていいのでしょうか?転職活動をするとしたら、うまくいくのでしょうか?
「入社2年目で転職してもいい?」――見極めるポイント
今回のAさんのように、「新卒の就職活動で目指した仕事に就けなかったので、転職で再チャレンジしたい」というご相談はよくお受けします。それが、入社して3年以内――いわゆる「第二新卒」のタイミングである場合、転職をしていいかどうか見極めるポイントは大きく2つ。「今の会社で積める経験が次に目指す業界・職種で活かせるか」と、「一時的なマイナスの感情だけで転職を踏み切っていないか」です。
1.今の会社で積める経験が、次に目指す業界・職種で活かせるかどうか
今の仕事を通じて得られる経験・スキルが、次に目指す仕事でも活かせる場合は、その仕事への転職を図る際に「即戦力」として評価される可能性があります
例えば、現在はA業界の法人営業を務めていて、B業界の法人営業への転職を目指す場合などは、「法人営業経験」が評価されます。顧客企業の属性や営業手法が似ていれば、さらにプラス評価につながるでしょう。
そのような場合は、今の会社にもうしばらくとどまり、転職の武器となる経験を積むのも選択肢の一つです。
しかし、今の仕事と目指す仕事の関連性が薄く、かつ、「どうしてもその仕事に就きたい」という意志が強いのであれば、早めのタイミングで転職活動をしてみるのも1つの手です。
企業側としては、まったくの異業界・異職種からの応募者が経験・スキルをいかに頑張って年数をかけて積んでいたとしても、現職と目指す仕事の関連性が低い場合は評価をしづらい可能性があります。また、応募者のポテンシャルや伸びしろを評価する企業の場合は、仕事の手法などが固まりきってしまう前の柔軟性を評価することもあります。今の仕事で年齢・経験を重ねていくことは、異業種・異職種への転職の際にむしろ不利になるケースもあるということです。
2. 一時的なマイナス感情だけで転職に踏み切っていないか
「やりたいことがある」「この業界に行きたい」と前向きに語っていても、実のところ「今の状況から逃げたい」という本音がある…ということはないでしょうか。
中には「人間関係がうまくいかない」「仕事が自分に合っていないと思う」「成果が挙がらない」など、一時的なマイナス感情から転職に踏み切る人もいます。
しかし、転職の目的を持たないままだと、憧れの業界に移れたとしても、また同じような悩みを抱えてしまうことはよくあります。
転職の目的をしっかり見つめ直した上で、「努力しても、求めているものは今の会社では手に入らない」と冷静に判断したのであれば、転職活動に踏み切ってみてもいいでしょう。
Aさんが転職を実現させるためのポイント
1.営業事務の経験の中から、ウェディングプランナーの仕事に活かせる経験を探してみる
中途採用においては、「未経験者歓迎」としていても、やはり「なるべく早く戦力化できる人がほしい」と考えられています。
そこで、これまでの経験が目指す仕事でも活かせることをアピールできるようにしておきましょう。
Aさんが経験してきた「営業事務」の仕事は、一見すると「ウェディングプランナー」とはまったく異なるように思えますが、実は共通する部分もあるはずです。例えば、
・営業担当者に代わり、お客様と折衝した
・受注から納品までのスケジュール管理を行った
・周囲の動きに目を配り、今必要と思った行動を起こした
ウェディングプランナーの仕事では、新郎新婦や結婚式のゲストとのコミュニケーション、挙式当日までの準備のスケジュール管理、さまざまなスタッフとのチームワークが重要です。営業事務としての上記の経験が活かせるのではないでしょうか。
上記に限らず、自分が経験してきたこと、日々の仕事の中で心がけてきたことが、ウェディングプランナーの仕事現場でどう発揮できそうかを考えてみてください。
2.ブライダル業界を研究し、「自分が働くとしたら」の視点を養う
未経験の業界・職種を目指す場合、「憧れています」「興味があります」と訴えるだけでなく、その業界・職種について独自に勉強をしていることを伝えればプラス評価につながります。
ウェディングプランナーを目指すAさんの場合、例えば「結婚情報誌を読む」「ブライダル施設やドレスショップを見学する」「ブライダルフェアなどのイベントに参加する」「友人・親戚などの結婚式に出席した際、スタッフの動きを観察してみる」など、仕事の現場への理解を深めるための行動を起こしてみてはいかがでしょうか。それをふまえ、「自分ならどう働きたいか」を伝えられるようにしておくといいでしょう。
また、面接では「なぜうちの会社に入りたいのですか?」とたずねられます。ブライダル業界のトップ企業、何社かの研究をして、各社の特徴をつかんだ上で、志望企業に魅力を感じたポイントを伝えられるようにしてください。
3.ウェディングプランナーの仕事について、多面的に情報収集し、働くイメージを明確化する
Aさんはウェディングプランナーへの憧れがとても強いようです。
憧れが強い人の場合、良いイメージだけを持って転職し、入社後に現実を知るとギャップを感じてしまうことがあります。良いイメージを持っていただけに落差のショックが大きく、また転職を繰り返してしまう…というのはよくあることです。
求人情報に書かれているのは、仕事のやりがいや面白みといった側面が中心。一方、どんな苦労や大変さがあるのかも理解しておくことが大切です。
ウェディングプランナーの場合、実際に働く人からは「土日に休めない」「勤務体系が不規則」「売上目標のプレッシャーがある」といった声も聞こえてきます。
採用担当者も、憧れが強いタイプの人には、実際の仕事の大変さをイメージできているかどうか面接で確認しようとしますので、「理解できており、覚悟がある」ことを伝えられるといいでしょう。
一番の情報源は、実際に業界で働いている人。その仕事をしている友人・知人がいれば、話を聞いてみましょう。身の回りにいなければ、友人の友人・知人までたどってみてください。例えば、その仕事に就いている人をSNSで探し出し、「話を聞かせてください」とダイレクトメッセージを送る…といった行動をしている人もいます。
また、面接のプロセスで、「現場で働いている人と話をさせてください」と頼んでみるのもおすすめです。相手企業も、現実を理解した上で来てほしいと考えていますので、セッティングをしてもらえる可能性があります。
さまざまな角度から情報収集をして、「憧れ」のレベルから「現実の理解」へ落とし込んでいきましょう。その上で、「なぜその仕事がしたいのか」を見つめ直せば、面接でも説得力のある受け答えができ、転職成功へつながるはずです。
WRITER:青木 典子 EDIT:リクナビNEXT編集部
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