職場に細かなルールが多すぎる。もっと柔軟に働ける職場を探したい【転職相談室】

ルールが多く、管理のしっかりした会社で働く相談者。窮屈さを感じ、「もっと柔軟に働ける職場に転職したい」と話します。
どんな探し方をすれば求める環境に巡り会えるのか、転職するにあたって気を付けるポイントはどこにあるのか。組織人事コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。
目次
ルールに縛られすぎず柔軟に働きたいのですが、どのように職場探しをしたらいいでしょうか(Uさん/メーカー/23歳)

<相談内容>
現在は、新卒で入った製造業のメーカーで総務をしています。
安定感を求めて入社したのですが、些細なことにもルールが多く、柔軟さのない職場での働き方が合わないなと感じるようになりました。朝の出勤、退勤はもちろん、ランチ時間に至るまでタイムカードでかっちり管理され、業務報告の書類提出も徹底されています。仕事の進め方も同様で、過去事例と慣例を調べた上でそこから外れないように徹底し、上司の確認と承認が必須。ミスは起こりにくい環境ですが、正直なところ息が詰まります。
もっと、自分で判断して柔軟に働ける職場に転職したいのですが、どうやって探せばいいのでしょうか。職場環境を見分けるコツを教えてください。
柔軟な職場を探すには?職場環境を知るための情報収集方法
▶アドバイザー
管理の行き届いた環境に窮屈さを感じているんですね。
もっと柔軟な職場に行きたいとのことですが、どのような“柔軟さ”を求めているかによって、企業の探し方は変わってきます。
働く場所や時間、仕事の進め方など、Uさんはどこに柔軟さを求めているのでしょうか。
▶相談者
職場に出社する働き方にはさほど不満はないのですが、業務時間の配分を個人の事情に合わせてもっと柔軟に選べたらいいのに…と思っています。
総務として、「組織のためにこんな施策ができたらいいな」と思うことは多くあるんです。でも、提案から実行に移すまでの承認プロセスが多すぎて、時間がやたらかかってしまう。
課題解決に向けてすぐにアクションを起こせないことに、もどかしさがあります。
▶アドバイザー
そうなんですね。現職のどの部分がどう柔軟に変わるといいのか、細かく言語化していった上で企業情報に触れると、求める環境にたどり着きやすいと思います。
情報収集の手段には、
- 会社が発信する公式ブログ
- ビジネスサイト、雑誌、新聞などに掲載された経営者インタビュー、社員インタビュー
- 口コミサイト
- 転職サイト
- スカウトサービス、転職エージェント
- 転職イベント(合同、個別企業説明会など)
- 知人友人
- 所属社員とのカジュアル面談
などがあります。
まずは、柔軟な会社を探す際にどんな切り口があるのか、見るべきポイントを見ていきましょう。
具体的にどんなところが柔軟になるといいなと思っていますか?
▶相談者
そうですね…働く場所や、時間、仕事の進め方などが柔軟な職場を探したいです。
▶アドバイザー
働く場所を柔軟に選びたいのであれば、在宅勤務OK、サテライトオフィスあり、などのキーワードで調べてみてください。
働く時間を柔軟に決めたい場合は、フレックスタイム制、時短勤務制、裁量労働制、週休3日制など、自分のライフスタイルに合わせて働く時間を選べる制度があるかどうかをチェックするといいでしょう。
仕事の進め方が柔軟な職場を見つけたいのであれば、上司のマネジメント方針を確認できるといいと思います。
細かな業務報告が必要なマイクロマネジメントではなく、ある程度は個人の判断に任せてくれる…という裁量の大きな社風だと、Uさんのように窮屈さを感じることはないかもしれません。
社風の自由さを見る観点で、「ノルマなし」「服装自由」「直行直帰あり」といったキーワードで企業情報を集めるのもいいでしょう。
▶相談者
なるほど。「柔軟」と一言でいっても、いろんな切り口で情報を集めることができるんですね。
▶アドバイザー
そうですね。リクナビNEXTをはじめとした各種転職サイトでは、さまざまなキーワード検索ができるので、求める環境に合ったキーワードで企業を広く見るといいと思います。
ほかにも、多様性を認めてくれる柔軟な考え方の組織で働きたい、という場合、「中途入社50%以上」「子育てママ活躍中」「女性管理職登用あり」「2週間以上の連続休暇制度あり」「副業OK」「職種未経験歓迎」「業界未経験歓迎」「学歴不問」「応募者全員と面接」などのキーワードで見ることもできます。
社内公募制度があったり、地域限定社員という働き方があったりなど、キャリアパスが多様な組織も、柔軟な職場といえるかもしれません。
柔軟な職場環境を求めて転職するときの注意点
▶相談者
実際に「柔軟な職場」という軸で転職活動を始めるとしたら、注意点や知っておくべきポイントはありますか。
▶アドバイザー
職場や組織の柔軟さは、事業内容や業界に関係しているケースもあります。
取り扱うものが、エネルギーや交通、通信、金融など社会インフラや、医療など生命にかかわる分野の場合、一つのミスが深刻な事態を招きかねません。
そのため、厳格なルール設定や運用の仕組みを作る必要があり、結果として柔軟性の少ない仕事の進め方になってしまうこともあるでしょう。
▶相談者
なるほど。事業上の必要性から、柔軟なオペレーションにしにくい会社もあるということですね。
▶アドバイザー
そうです。そうした企業に柔軟性を求めて転職しても、求める職場環境にはつながらないかもしれません。
また、仕事に柔軟さを求められる職場環境は、業務内容や範囲が曖昧で、その場に応じた判断が常に必要とされる、というところもあるでしょう。
制度が曖昧でマネジメント体制や育成プランが整っていない、セルフマネジメントが必要な過負荷な環境、というケースもあります。
柔軟=自由に働けそう、とイメージだけで捉えず、具体的にどのような働き方をしているのか、面談や面接などで社員の方からリアルな情報を聞くことが大切だと思います。
▶相談者
たしかにそうですね。自分が求める柔軟な職場とは何か、もう一度整理した上で、事前にどんな情報を集めるとよいのかも考えていきたいです。今日はありがとうございました。
こちらの記事も読まれています
新着記事
- 2025年8月6日看護師、医療・介護職の志望動機例文|職種別×未経験・経験者の書き方ポイント
- 2025年8月6日クリエイティブ職の志望動機例文|職種別×未経験・経験者の書き方ポイント
- 2025年8月6日営業職の自己PR例文|業界別のアピールポイントと書き方
- 2025年8月6日ITエンジニアの自己PR例文|職種別のアピールポイントと書き方
- 2025年8月6日販売・サービス職の自己PR例文|業界別のアピールポイントと書き方
- 2025年8月6日建設・建築・不動産業界を目指す場合の志望動機の例文
- 2025年8月6日化学系エンジニア(研究開発・生産管理・品質管理など)の志望動機の例文
- 2025年8月6日企画・管理部門を目指す場合の志望動機の例文