バックオフィス職種のキャリアパス|経理・人事・総務・法務・財務・情報システムなど

経理や人事、総務、法務、財務、情報システムなどのバックオフィス職種には、どのようなキャリアパスの可能性があるのでしょうか。
「今培っているスキルや経験は、今後どんな風に役立つの?」と思っているバックオフィス職種の皆さんへ、組織人事コンサルタントの粟野友樹氏が職種ごとのキャリアの選択肢を紹介します。
バックオフィス職種とは
バックオフィス職種とは、「顧客と直接的な関わりを持たない部門や職種、業務の総称」です。
間接部門や管理部門とも呼ばれることもあります。
一方、顧客と直接やりとりが生じる営業職やマーケティング、カスタマーサポートはフロントオフィスや直接部門と呼ばれます。
業界によっては、リスクマネジメントや営業企画などをミドルオフィスと区分けしているところもあります。
バックオフィス職種の役割は、企業全体やフロント・ミドルオフィスが安定した事業活動や組織運営を行っていくための基盤を支えること。
もしバックオフィス部門が機能していなければ、本来お客様に向き合うべきフロントオフィス職種が業務に集中できず、事業成長にも大きな影響が及びます。
バックオフィス職種は直接利益を生み出す仕事ではありませんが、組織全体の後方支援部門として、会社の円滑な運営、業務の効率化をもたらす大事な存在です。
バックオフィス職種のキャリアパス
では、バックオフィス職種には、どのようなキャリアパスの可能性があるのでしょう。
バックオフィス業務を担う経理・人事・総務・法務・財務・情報システムの6職種をそれぞれ見ていきます。
すべての職種に、多様なキャリアチェンジの可能性がありますが、本記事では、現職種の経験スキルを生かした例をお伝えします。
経理のキャリアパス
●経営の上位層(ゼネラリスト)として: 事業会社で財務や管理会計、税務などを経験後、経営企画、管理部門長、CFO(最高財務責任者)などマネジメント層への挑戦 ●スペシャリスト人材として: 経理としての経験値を増し、上場企業、IPO準備会社、ベンチャー企業、外資系企業、グローバルに展開する企業における海外子会社の内部統制対応など |
会計事務所、税理士事務所、アウトソーシング企業、監査法人などで、会計コンサル、財務アドバイザリーを担当 |
公認会計士や税理士などの資格を取得して独立、財務経理コンサルとして独立 |
人事のキャリアパス
●経営の上位層(ゼネラリスト)として: 採用、教育研修、制度設計のほか、労務の経験+総務、法務などの他管理部門業務を経験し、管理部門長やCHRO(最高人事責任者)などマネジメント層への挑戦 |
採用、教育研修、制度設計のほか、労務全般を経験するか、あるいは特定の業務の専門家としての経験値を得て、上場企業、IPO準備会社、ベンチャー企業、外資系企業、グローバルに展開する企業などで活躍 |
組織人事コンサル、労務コンサル、人材業界、アウトソーシングなどでの活躍 |
社会保険労務士などの資格を取得し、各種人事系コンサル、研修講師などとして独立・起業 |
総務のキャリアパス
●経営の上位層(ゼネラリスト)として: 人事、労務、経理、法務、社内ITなどを経験し、管理部門長やCAO(最高総務責任者)へ挑戦 ●スペシャリスト人材として: 総務の専門家としての経験値を増す。上場企業、IPO準備会社、ベンチャー企業、外資系企業、グローバルに展開する企業などで活躍 |
FMコンサル(ファシリティマネジメント)、株主総会支援コンサル、組織人事系コンサル、IT(DX)コンサルとして活躍 |
社会保険労務士などの資格を取得し、コンサルとして独立 |
財務のキャリアパス
●経営の上位層(ゼネラリスト)として: 経営企画やIRなどを経験し管理部門長、CFO(最高財務責任者)に挑戦 ●スペシャリスト人材として: 財務の専門家としての経験値を増す。上場企業、IPO準備会社、ベンチャー企業、外資系企業、グローバルに展開する企業などで活躍 |
財務コンサル、財務アドバイザリー、監査法人、会計事務所、ファンド(VCやPEファンドなど)、アウトソーシングなどで活躍 |
税理士、公認会計士などの資格を取得、財務アドバイザリーとして独立 |
法務のキャリアパス
●経営の上位層(ゼネラリスト)として: 総務、人事、内部統制、経営企画などの経験を経て、管理部門長、CLO(最高法務責任者)への挑戦 ●スペシャリストとして: 法務(契約、知財、組織など)の専門家としての経験値を増す。上場企業、IPO準備会社、ベンチャー企業、外資系企業、グローバルに展開する企業などで活躍 |
法務コンサル、リスクコンサル、法律事務所などへの挑戦 |
弁護士、司法書士、行政書士などの資格を取得して独立 |
情報システムのキャリアパス
●経営の上位層(ゼネラリスト)として: 総務、内部統制、IT企画などを経験し、CIO(最高情報責任者)やCISO(最高情報セキュリティ責任者)、CTO(最高技術責任者)を務める ●スペシャリスト人材として: 情報システムの専門家としての経験値を増す。ネットワークやセキュリティなどの分野、上場企業、IPO準備会社、ベンチャー企業、外資系企業、グローバルに展開する企業などで活躍 |
ITコンサル、セキュリティ関連コンサル(ISMS、Pマークなど)、監査法人(システム監査、内部統制)、インフラエンジニア、SEとして活躍 |
ITコンサル、インフラエンジニアとして独立 |
まとめ
事業会社、コンサルその他、独立・起業という3つの軸で説明してきましたが、これらはもちろん一つの例です。
まったく異なる職種へのキャリアチェンジに挑戦して活躍している方も多くいます。
「今の仕事の経験やスキルをどう生かしたいか」に向き合いながら、キャリアパス事例を参考に考えてみてください。
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