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仕事に汎用性がなくて不安。ニッチなスキルをキャリアに活かすには【転職相談室】

ニッチな仕事で汎用性がなく、将来が不安だという相談者。

ビジネススキルに汎用性は必要なのか、どうやって今の仕事の中から汎用性を探すのかという相談に、ポータブルスキルについても交えながら組織人事コンサルタントの粟野友樹さんがアドバイスします。

アドバイザー 粟野友樹
アドバイザー 粟野友樹

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

仕事に汎用性がなく、将来のキャリアをどう考えていけば良いのかわからない(Kさん/商品企画/25歳)

相談者
相談者

【相談内容】
新卒で、市場規模が小さくニッチな分野の中小企業メーカーに入社し、商品企画をしています。現職の仕事で得る情報やスキルは専門的かつ局所的なため、仕事に汎用性が無く、長い目でみたときの将来が不安です。

先行き不透明な時代なので、今いる会社もいつどうなるかわからず心配ですし、同業他社は全国でも2〜3社しかなく、どこも少人数精鋭のため転職先として現実味がありません。商品企画の仕事はやりがいがあるので、続けていきたいですが、ニッチすぎる私の知識やスキルでは、他業界で活かせるようなものもなく、転職すらできないのではないかと不安です。

やはり、ビジネススキルの汎用性は大切なのでしょうか?将来のことを考えるなら、一度全く関係ない仕事でもいいから、早いうちに転職してキャリアをリセットした方が賢い選択なのでしょうか?私のように、仕事に汎用性がないことをしている場合は、将来のキャリアをどう考えていけば良いのか教えてください。

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ビジネススキルに汎用性が大切な理由

▶アドバイザー
まず、「ビジネススキルに汎用性は大切なのか」という質問にお答えしますね。結論として、汎用性は大切です。ただし、ここでの汎用性とは「ポータブルスキル」のことを示します。Kさんが考えているものとは少し違うかもしれませんね。

▶相談者
ポータブルスキルってなんでしょうか?初めて聞きました。

▶アドバイザー
まず、ビジネススキルは大きく2つに分けられます。業種や職種に関わらず通用する、持ち出し可能な能力である「ポータブルスキル」と、特定の職務を遂行する上で必要となる専門的な知識・技術である「テクニカルスキル」です。

▶相談者
ポータブルスキルの「持ち出し可能な能力」とは、どういう意味ですか?

▶アドバイザー
その人が、どんな企業・どんな職場でも発揮することができる能力という意味です。「仕事の仕方」「人とのかかわり方」によって構成され、職種や仕事内容にかかわらず、誰でもアピールすることができると言われています。

▶相談者
ということは、私が心配しているような「ニッチな分野での仕事ばかりしていて汎用性がない」ということとは無関係のスキルということですか?

▶アドバイザー
その通りです。例えば、関係者を調整するコミュニケーション力課題分析力などが、ポータブルスキルに当てはまります。こういった能力は、扱うサービスや環境が変わっても発揮することができますよね。

つまり、現職でKさんがどんなにニッチな分野の仕事をしていたとしても、ポータブルスキルという意味では「汎用性が全くない」ということはありません。心配しなくても大丈夫ですよ。

▶相談者
私が心配していたのは、どちらかというと「テクニカルスキル」を発揮できる環境が限られるということだったんですね。ただ、転職というとやはり、専門的なテクニカルスキルをどれだけ持っていて活かせるかが大切そうだと思っていたのですが、違うのでしょうか?

▶アドバイザー
一般的に、20代転職では、ポテンシャルとポータブルスキルを重視する企業が多いんです。第二新卒や20代前半であればポテンシャルを重視し、20代後半ならポータブルスキルがより重視されるようになります。

30代の転職ではテクニカルスキルも評価ポイントになりますが、引き続きポータブルスキルも見られているんですよ。

▶相談者
そうなんですね。それを聞いて安心しました。ところで、自分のポータブルスキルは、どうやって探せばいんでしょうか。

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今の仕事の中から、他の会社でも発揮できる「汎用性」を探すには

▶相談者
現職はクライアントごとに要望を汲んで顧客ごとに商品を作っているため、商品のアップデートも微細な改良のみで、商品企画といっても営業と顧客の御用聞き的な仕事なんです。

たまに海外の同業他社の商品や動向をチェックしたり、海外の展示会に顧客と一緒に参加したりはしますが、市場調査などはほとんどしません。顧客が固定されているので、販売戦略の経験もないんです…。どうやってポータブルスキルを探せばいいのか、イメージがつきません。

▶アドバイザー
一度、「商品企画」という職種から離れて、職務分析的に1つ1つの仕事内容を細かく考えてみましょう。

例えば、御用聞きや海外の展示会参加などでは、情報収集スキル、ヒアリングスキル、コミュニケーション力が必要になるはずです。顧客の要望に応じた、マーケットインでの発想力や企画力の基本スキルもあるでしょう。

固定された顧客との付き合いには誠実さが必要ですし、微細な改良には、細かい調整や微調整に対応する粘り強さが求められるはずです。

▶相談者
今やっている仕事で心がけていることなどを1つ1つ振り返っていくといいんですね。

▶アドバイザー
そうです。今あげた他にも、社長に対するプレゼン力、スピード対応力、柔軟性、論理的思考力なども磨かれているかもしれませんね。営業や開発・製造部隊と連携する中で、協調性やチームワークなども発揮しているはずですよ。

▶相談者
なるほど。今教えていただいたようなことは、仕事をする上で当たり前のことだと思っていたので、汎用的なビジネススキルと捉えていませんでした。自分には何もないと思い込んでいましたが、そうやって考えると、他にも色々とありそうな気がしてきました。

▶アドバイザー
そうですね。1つの仕事をそれなりに長く取り込んでいる場合、ポータブルスキルが全くないということは考えられません。求められて培ってきた能力が必ずあるはずなので、細かく業務を振り返っていくといいですよ。他にも、診断ツールなどを使ってみて、参考にするのも一つの手です。

参考:ポータブルスキル診断(一般社団法人人材サービス産業協議会)

ニッチな仕事をしていて汎用性が心配な人はどうキャリアを考えたらいい?

▶相談者
仕事そのものがニッチで汎用性がないと思っていたので、早く転職したほうがいいのかもと焦っていましたが、自分にも汎用性のあるポータブルスキルがありそうで安心しました。

ただ、これからのキャリアという意味では、どういう選択肢があるのかはまだ不安です。

▶アドバイザー
すぐに転職をしないと「キャリアが詰んでしまう」といった状況ではないので、焦る必要は全くありません。また、選択肢も色々とあると思います。

このまま現職で専門性を追求して、その道の第一人者になるというのも良いでしょう。「○○製品なら、Kさんに聞くのが1番だ」という状況を目指して長くやっていくことで、商品企画力をゆっくりでも、より高めることもできるでしょう。

現職で、商品開発、営業、管理部門、経営企画など他の職種経験を積んでゼネラリストを目指すという手もあります。

▶相談者
現職の中での職種変更ですか。それは考えていませんでした。確かに、営業なども経験できれば、将来的な選択肢がさらに広がりそうですね。

▶アドバイザー
現職への不満があまりなく、転職希望度がそこまで高くない場合や、現職の経営環境が安定している場合などにはオススメです。職場を変えるストレスなく、よりキャリアに広がりを持たせることができますよ。

▶相談者
ちなみに、転職する場合にはどういう考え方がありますか?

▶アドバイザー
商品企画としてもう少し幅を広げたい、スキル習得や成長スピードを上げたいという場合は、異業種へ商品企画として転職をするのも良いでしょう。その場合は、ポテンシャルを評価される要素が大きい、若い段階で転職をしていくのも一つの手です。

完成品メーカーの商品企画として新商品を企画する経験スキルを積んだり、to C向け企業での経験や、無形商品の経験を積んだりするのもオススメですね。

▶相談者
完成品メーカーの商品企画などは面白そうですね。

▶アドバイザー
他には、商品企画という職種にこだわらず、別職種に移るのも選択肢としてあります。商品企画としての職種の経験スキルに加え、先ほど分析したように、職務を分解していくと、ないと思っていた強みやポータブルスキルがあるはずです。それを活かして転職活動をしてみるのも良いでしょう。

▶相談者
具体的には、どういったことが考えられるでしょうか?

▶アドバイザー
例えば、ヒアリング力や商品企画としての経験を活かして、メーカーの営業職になるといったことが考えられます。サプライヤー側としての経験を活かして、完成品メーカーの購買・調達としてコスト、技術力品質、納期などを見極める仕事をするのも良いでしょう。

他にも、受注管理や生産管理等など数値で物事を見ていくことが得意なら、簿記勉強して数字を扱う経理を目指すのも良いかもしれません。

▶相談者
仕事に汎用性がないと思い込んでいた時は、自分のキャリアは狭くて閉じられていると感じていましたが、実際はいろんな可能性があるんですね。転職についても、ポジティブに考えられそうです。

▶アドバイザー
転職活動をする場合は、ポータブルスキルを前面に出して、具体的なエピソードとともにアピールすると良いですよ。

STARフレーム(Situation:どのような状況で、Task:どのような課題があり、Action:どのような行動をして、Result:どのような成果が出たのか)を使うと、面接でキャリアの詳細や具体的なシーンも交えて伝えられるようになります。

▶相談者
具体的なエピソードというのは、どういうことを語れば良いのでしょうか?ニッチな仕事なので一般に知られていない専門用語が多いのですが、そういった言葉は避けたほうがいいんですよね?

▶アドバイザー
おっしゃる通り、専門用語は避けましょう。課題を抱えたクライアントの組織の状況やプロジェクト規模、かかわった人数や達成した目標指標などを、数字や専門外の人にも伝わるような言葉で明確に伝えることがポイントです。求職者と企業との間に共通認識を生むことが、スキルを伝えるコツですよ。

▶相談者
わかりました!転職活動をする際には、面接を受けるまでにしっかり整理しておくようにします。今日はありがとうございました。

記事作成日:2023年5月12日 ILLUST:安西哲平 EDIT:リクナビNEXT編集部

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