転職活動がうまくいく人・うまくいかない人の違いは?準備~内定まで
転職活動が思うように進まない場合、「自分の何がダメなんだろう」「うまくいくのは、どんな人なんだろう」と悩む方は少なくありません。
今回は、大まかな転職活動の流れごとに、転職活動がうまくいく人とうまくいかない人の違いを粟野友樹さんに聞きました。
そもそも転職活動にはどんなステップがあるのか
一般的な転職活動期間の目安は全体で3~6カ月くらい。その内訳として、転職ステップは大きく5つに分かれます。
- 自己分析・情報収集
- 応募書類の作成
- 求人応募
- 面接対策
- 内定・退職手続き
それぞれで必要な期間は人によって異なりますが、目安は、ステップ1・2「自己分析・情報収集などから応募書類の作成」に2週間。ステップ3・4「求人に応募して面接対策する」のに1〜2ヶ月。ステップ5「内定・退職手続き」までは1〜3ヶ月程度だと言われています。
転職活動の5つのステップ別「転職活動がうまくいく人・うまくいかない人」の違い
それでは早速、それぞれのステップごとに、転職活動がうまくいく人・うまくいかない人の違いを説明していきます。
ご自身がどこでつまずいているのかを振り返りながら、それぞれのステップでのポイントを押さえて、今後の転職活動に活かしてみてくださいね。
ステップ1「自己分析・情報収集」での違い
自己分析
転職活動がうまくいかない人は、自己分析を後回しにしていきなり求人に応募したり、学生時代の就活でした分析結果をそのまま使いまわしたりなど、働くことと自分の立ち位置についてしっかりと分析しきれていないケースが見受けられます。
一方で転職活動がうまくいく人は、自己分析で、人間性、仕事における得意・不得意、興味やモチベーションの源泉といった内容はもちろん、転職市場における自分の立ち位置についても分析をしっかりとしています。
転職活動は「自分」と「ライバルとなるほかの応募者」「応募先の企業」の三者の関係で決まるもの。
応募したい企業に対して、どんな人が応募しているのか、自分はその人たちと比べて、何が強みで何が足りていないのかを分析することで、面接での自己PRにも活かしているのです。
自己分析のポイントは、転職で叶えたいことは何なのか「軸」を見つけ、自分がどういった内容で応募先の企業に貢献できそうかを見つけること。面接の時の志望動機にも活かすこともできるので、面倒くさがらずにしっかりと取り組みましょう。
リクナビNEXTでは、リクルートキャリアが持つ独自のノウハウを活かして開発した、本格診断サービスを無料で提供しています。
診断された強みがどのような仕事の成果をもたらすかも説明してくれるので、こういったサービスを活用してみるのもいいでしょう。
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情報収集
転職活動がうまくいかない人は、求人内容や、気になる企業のコーポレートサイトを見ただけで終わらせているケースが多いように思います。
一方で、転職活動がうまくいく人は、企業のコーポレートサイトだけではなく、業界研究本、会社四季報、プレスリリース、採用担当者が書くブログやSNSアカウントなどをうまく活用しています。
情報を多角的に集めて、仕事内容や働き方、企業姿勢などできる限り理解を深めて、自分と企業との接点を見つけ、応募先企業の選定や面接にも活かしているのです。
その際のポイントは、情報を漫然と集めるのではなく、自分が整理しやすいようにポイントを絞って集めることです。例えば、「独自の強みがありそうなところ」「海外に関係する仕事ができるところ」など軸を設定して、そこを切り口に情報を集めていくのが効率的です。
また、ついつい有名企業や注目企業の情報にばかり目が行きがちですが、必ずしもそういった企業に転職することが自分にとってもいいとは限りません。情報収集を通して、自分と企業との接点を探し、「自分に合う企業」を見つけていくことが大切です。
ステップ2「応募書類の作成」での違い
転職活動がうまくいかない人は、職務経歴書に具体的なことがあまり書かれておらず入社後の活躍イメージがしづらい場合が多いです。また、細かい業務内容ばかりを記載しすぎて採用担当者が重要な箇所の判断がつけづらく読み込みづらいといったケースもあります。
一方で、転職活動がうまくいく人は、具体的な業務と、その業務でどのような経験を積み、スキルを習得してきたかなどの他に、仕事での工夫やこだわりなども追記し、人柄と入社後の活躍イメージができるように作成していることが多いです。
職務経歴書を作成する際のポイントは、読みやすいフォーマットで、これまでの経験から、自分がどんなスキルを得てきたのかを整理して記入することで、企業との共通認識を作ることです。
転職サイトや転職エージェントなどが用意している基本フォーマットに、「STARフレーム」を使って整理した内容を記入するといいでしょう。
「S:どのような状況で(Situation)」
「T:どのような課題があり(Task)」
「A:どのような行動をして(Action)」
「R:どのような成果が出たのか(Result)」
このフレームの中で、課題を抱えたクライアントの組織の状況やプロジェクト規模、かかわった人数や達成した目標金額などを、数字や固有名詞で明確に伝えることがポイントです。
すると、求職者と企業との間に、共通認識が生まれてスキルが伝わりやすくなります。整理された職務経歴書を用意することができれば、面接ではより深い内容を話すこともできるでしょう。
ステップ3「求人応募」での違い
転職活動がうまくいかない人の場合は、大手企業など知名度がある会社など少数にしか応募していないケースと、職種や勤務先などの基本条件が当てはまった企業に、とにかくたくさん応募しているケースが見受けられます。
一方で、転職活動がうまくいく人は、自己分析で見出した、転職で叶えたい「軸」をもとに、知名度に関係なく広く企業を探して、精査してから応募しています。
求人応募は少なすぎても、多すぎてもいけません。活動「量」を確保しつつ、実際に転職した時のことを考えて自分にとっての「質」も担保することが大切です。
活動量の目安として、リクナビNEXTが独自に行ったアンケート調査では、転職成功者の求人への応募数の平均は7.5社、面接した企業の平均は3.4社、内定が出たのは一人あたり平均1.4社でした。
平均すると、応募から書類選考の通過率は約5割、面接からの内定率は約4割。1社内定を目指すなら平均の7社~8社、2社内定を目指すなら倍の15社、3社内定なら3倍の23社程度を目安に応募するのが良さそうです。
もちろん、人によって転職先の企業に求める条件や、業界や職種、持っている経験・スキルによっても適切な応募数は変わります。ある程度転職活動を進めたら、自分の書類や面接の通過率などが分かってきます。自分の状況に合わせて、応募数、応募タイミングを調整すると良いでしょう。
ステップ4「面接対策」での違い
転職活動がうまくいかない人は、自分目線での働きたい理由や、自分のスキルや実績を一方的に伝えるだけで終わってしまっている場合が多いように思います。
一方で、転職活動がうまくいく人は、これまでの業務経験を、新しい仕事でどう活かせるのか、どんなキャリアを形成したいかといったことを具体的に伝え、企業と自分との接点を説明することができています。
面接を通して企業は、応募者が経験してきた業務内容や経歴、志向性がポジションに合うかを確認しています。これまでの仕事で培ったスキルや経験をSTARフレームや5W1Hで整理しておくとよいでしょう。
他にも、事前に企業研究を進めて、企業や募集職種と自分のスキルがマッチするポイントを見つけておくと、志望度の高さをアピールする時にも役立ちます。
また、面接の際に注意したいのは、面接の場を企業に一方的に審査・評価される場として捉えすぎないことです。稀に、評価される場だという意識が強くなりすぎて、自己PRを台詞のように作り込み、一言一句覚えようとする人がいますが、それはおすすめしません。
面接は企業との相互理解をする場。「相互理解」は相手があってこそできるもの。面接官と会話のキャッチボールをして、その中で臨機応変に対応していくことも大切です。
相互理解をより深めるためには、面接の場を通して伝えたいテーマを1つ決めておくこともおすすめです。例えば、「私は新しいことに挑戦して成果を出すことが得意な人だと知ってもらう」などテーマはどんなことでも構いません。
テーマを決めて話すことで、全てのエピソードが繋がりやすくなり、面接官にしっかりと印象を残しやすくなります。
ステップ5「内定・退職手続き」での違い
内定
転職活動がうまくいかない人は、比較検討せずに複数社の選考を同時に進めた結果、内定が出てから「この会社でいいのかどうか」迷いが生じて内定承諾に踏み切れないケースが多いです。
一方で、転職活動がうまくいく人は、選考の段階で「この企業に入社した場合、自分はどんな風に働くことになりそうか」など働くイメージをより具体的にしています。
「選考が進んでいる中で、どこの企業に1番行きたいか」といった検討をしながら選考を進めているため、内定が出たタイミングで再び悩むことはほとんどありません。
内定承諾のポイントは、選考を通して働くイメージをつけ、労働条件の確認や入社時期の確認を事前にしっかりと行い、無理がなく入社できるかを判断することです。
一般的に、回答期限は内定後1週間程度に設定されることが多く、長くても2~3週間程度以内での回答が求められます。
期限までに内定承諾をしないと内定が取り消されてしまうこともあるため、内定が出てから承諾するかを迷うのではなく、選考を進めながら「本当に入社したいかどうか」を見極めることが大切になります。
もしも気になることがある場合は、面接の時にしっかりと確認をしておきましょう。面接中には聞きづらいという人は、選考通過の電話をもらったタイミングなどもおすすめです。和やかな雰囲気の中で、落ち着いて質問することができるでしょう。
退職手続き
転職活動で退職手続きがうまくいかない人は、引き継ぎが長引いたり、会社からの強い引き留めが原因で退職交渉が難航したりしているケースが多く見受けられます。
転職理由を曖昧に伝えると、より引き留めにあいやすく、気持ちが揺らいでしまうこともあるでしょう。そうなると、いつまでたっても転職をすることができなくなってしまうので注意が必要です。
一方で、転職活動の退職手続きがうまくいく人は「なぜ退職・転職するのか」の理由を自分の中でも明確にして、退職報告の手順通り、はじめに直属の上司に明確に退職の意志を伝え、引き継ぎ期間の余裕を持って確保しています。
円満に退職手続きを進めるポイントは、関係者への報告で「転職する理由」を明確に伝え、退職する意志をブレさせないことにあります。そのためにも、基本的に会社からは、労働条件の改善提案も含めた引き留めがあるものと考えて、退職交渉に入ると良いでしょう。
こういった引き留めがあることを想定せずに「年収を見直すから」「希望していた部署へ異動できるようにするから」などと言われると、「それなら今の会社のままでもいいかも」と迷いが生じがちです。ですが、退職交渉の場でこのような引き留めは口約束の場合も多く、実際に実現されるかどうかはわかりません。
また、業務の引き継ぎや会社側が後任者を決める期間も考えて、2カ月前程度には上司に退職の意思を伝えるなど、無理のないスケジュールで動くことも大切です。
職種によっては「プロジェクト終了時に合わせる」「年末年始など繁忙期を避ける」といった各々の事情があることも配慮すると良いでしょう。
退職交渉が終わるところまでが転職活動です。気持ちよく新たなスタートをきれるように、強い意志を持って自分から交渉を進めていってくださいね。
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