転職先でどんな上司に当たるのか不安。対処法は?
転職を検討しているけれど、転職後の上司との相性が気になる、という声はよく聞かれます。「どうすれば失敗しないのか」「事前に対処できる方法があるのなら、知っておきたい」と考える人も少なくないでしょう。
転職前にできることや心の準備などについて、組織人事コンサルティングSegurosの粟野友樹氏に聞きました。
目次
転職後、上司との相性を気にする人は少なくない
職場において上司の存在や仕事への影響は大きいもの。転職を考える際に、もしも次に挙げるような心境に当てはまるとしたら、上司との相性問題を避けるために、事前に対策を講じたいと考える人もいるのではないでしょうか。
- 今の上司との相性がよくない。それが理由で転職を考えている
- 今の上司には満足している。だからこそ、転職したら次の上司との相性が不安
- そこまで優先度の高い条件ではないが、転職先の上司との相性は気になる
上司がどんな人物かを転職前に知るのは難しい
転職相談を受ける中で、上司をイヤだと思う理由として一般的に多く聞かれるのが、「人間的に尊敬できない」「マネジメント能力が低い」「仕事をしない」「部下の意見を聞かない(自分の意見を押しつける)」「部下を守らない」「正当に評価してくれない」などの声です。
それだけに、転職先の上司の人柄や仕事ぶりは気になるところですが、転職前にどんな人が自分の上司になるのかを知ることは、かなり難しいと言えます。
求人に応募して面接に進んだ際、面接担当者が採用後の上司になるとわかっている場合には、そこが話せるチャンスになるでしょう。しかし、必ずしも上司候補者が面接担当になるとは限りませんし、そもそも面接の時点では配属部署が具体的に決まっていないケースもあります。
求人サイトなどを使って自ら直接応募をしている場合、上司となる人との面談を希望することは可能です。また、転職エージェント経由で応募している場合も、上司となる人との面談を交渉してもらえます。配属先が決まっていれば、実際に面談できるケースもあります。
ただし、仮にいずれかの方法で面談できたとしても、面談時と実際の仕事の場面とでは態度が異なることも予想されるので、やはり実際に入社して働いてみないと“正確にはわからない”というのが現実です。
転職前に試せること
相性のよい上司と出会う可能性を少しでも高めるため、転職前に試せることが2つあります。
企業研究を丁寧に行う
企業理念や風土、企業カルチャーを知ることで、その企業で働く人物像もある程度想像がつくかもしれません。自分の価値観に合いそうな企業なら、イヤだと思うタイプの上司も少ないことが期待できます。
企業研究を行う際も、企業サイトや求人情報サイトだけでなく、口コミやSNS、対象の企業に近い人などから情報収集するのがおすすめです。
面接で質問してみる
選考段階ではどんな上司になるかがわからないとしても、例えばエンジニア職の応募であれば、「エンジニアとして、どのような部分を評価しているのか」など、上司の価値観が垣間見える質問をしてみると、参考になるかもしれません。
「どのようなタイプのマネージャーが活躍しているのか」などの質問からも、ヒントとなる回答が得られる可能性があります。実現するかどうかは別として、上司となる人との面談もお願いしてみましょう。
どんな上司が良いと思うかを整理しておく
前述の2つに加えて、どんな上司を良いと思うのか、その理由を整理して明らかにしておくことも重要です。
もし今の上司と相性が良くないと感じるなら、それを単なる不平・不満で終わらせるのではなく、自分にとってその上司のどんな点がイヤなのかを冷静に分析します。そこから「上司に期待すること」や「どのような上司の下でなら自分の力を発揮できそうか」を言語化するのです。
その認識があいまいでは、仮に上司となる人との面談が実現しても、なんとなくの印象で判断することになりかねません。
良しとする理由を明らかにした上で、上司との事前面談が実現した際には、「部下が困っているとき、どのような対応をするのか」「どういうときに部下をほめ、どういうときに指導するのか」などについて聞いてみると、上司の判断軸をうかがい知ることができるかもしれません。
「このような上司が良いと思う理由」を考える際は、次の4つの軸で考えてみると整理しやすいでしょう。
- 上司の考え方・方針
- 上司のマネジメントスタイル
- 上司の人柄・人物タイプ
- 上司の自分に対する評価方法・処遇
相手も「いい部下に来てほしい」と思っているはず
転職者が「いい上司と出会いたい」と思っているように、企業も「いい部下に来てほしい」と思っているに違いありません。
実際、オンライン面接が普及し、面接だけでは判断しにくいという理由で性格適性検査を導入するなど、採用により慎重を期する企業も出てきています。
ですから、面接での心証を損なわないためにも、たとえ上司と合わなかったことが転職の理由であっても、その理由には触れないほうが賢明です。
企業は二人の関係を客観的に判断できる材料を持ち合わせていませんし、面接の場で悪口に近い発言をする応募者は、「人間として成熟していない」と思われてしまう恐れがあるからです。
時には折り合いをつけることも必要
どのような組織の中にも、自分と合う人もいれば、合わない人もいるものです。また、好きな上司であっても常に良い関係でいられるとは限らず、自分にも至らない点(上司が不満に思う点)があるかもしれません。
そのような状況で前向きに進んでいくためには、「欠点があるのはお互い様」と自分の気持ちと折り合いをつけることも必要です。
自分にとって100点満点の上司などいないと割り切り、転職先では上司の良い点に目を向けて、同僚も含めて周囲と良好な関係を築いていくよう心がけましょう。
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