ジョブホッパーとは?転職回数が多い場合に気をつけたいこと
転職活動をしていると「ジョブホッパー」という言葉を耳にすることがありますが、どういう意味でしょうか。
今回は、「ジョブホッパー」の意味や、転職市場でどう見られるのか、転職活動時の対処法などをご紹介します。
ジョブホッパーとは?目安となる転職回数は?
ジョブホッパーとは一般的に、1~2年で転職を繰り返していて、1つの企業に定着しない人材のことを指します。
直近の在籍期間が短いと「定着しづらい人=ジョブホッパー」として見られがちです。
例えば、「まだ20代半ばだが、何度も転職を繰り返している」、「20代は1社に在籍していたものの、30代になって転職を頻繁に繰り返している」というような人は、ジョブホッパーと判断されやすくなります。
逆に「以前は短期間で転職を繰り返していたものの、直近の勤務先への在籍期間は長く、すでに5年を超えている」などの場合は、「昔は紆余曲折があったけれど、現在の職場では腰を据えて働けている」と前向きに捉えられ、ジョブホッパーのイメージは軽減する傾向にあります。
一般的に、ジョブホッパーは転職市場ではどう見られる?
基本的に、ジョブホッパーはネガティブに捉えられるケースがほとんどです。
企業は一般的に、「即戦力として長く働いてくれる人」を求めています。短期間で転職を重ねてきた応募者に対しては、どうしても「またすぐ辞めてしまうのではないか?」と不安を感じ、マイナス印象を持ってしまうものです。
中には、「1カ所に定着できない=周りの人とうまくコミュニケーションが取れない人なのかもしれない…」と懸念する企業もあるかもしれません。
また、経験・スキルの浅さを問題視する企業もあります。短期間で転職を繰り返してきたことで、「1つの業務を完全にやり遂げた経験がないのでは?」「コアスキルが確立できていないのでは?」などと思われる可能性もあります。
転職回数が多くても不利になりにくいケース
一方で、短期間で転職を重ねることについて、そこまでネガティブに捉えられないケースも稀にあります。
職種が一貫していて明らかにステップアップしている
例えばエンジニアの場合、二次請け・三次請けのシステム開発会社にいたSEが、SIer→事業会社のSE→ITコンサルタントと転職を重ねている場合、目指す方向性が明確であり、かつステップアップしていることがわかります。
営業の場合は、例えばインサイドセールス→フィールドセールス→大手クライアント向け営業などと、営業としての成長プロセスが伝われば、前向きに評価されます。
なお、営業職などで「圧倒的に高い実績を収めている」人は、即戦力として評価される場合もあります。
希少性の高い職種、採用難易度の高い職種である
転職が成功するか否かは、転職市場の動向にも大きく左右されます。採用ニーズに対して転職希望者が少ない職種であれば、多少転職回数が多くても選考で評価されやすくなる傾向があります。
例えば、ソリューションアーキテクトやカスタマーサクセスなどは経験者が少なく、転職市場では売り手市場。また、企業のDX化進行に伴い、社内SEも採用ニーズが高く、採用難易度が高いとされています。
また、そもそも転職市場に少ない希少価値のある職種や業務経験の場合は、転職回数の多さがマイナス評価に直結しにくい傾向があります。例えば、M&A、企業再生、IPO経験などは、経験の豊富さが逆に評価されるケースもあります。
ただし、これらのケースは稀です。残念ながらほとんどの場合は、ジョブホッパーはマイナス評価につながりやすい傾向にあります。
短期間で転職を重ねて来たという人は、その点をまずは自覚し、企業の不安を払しょくするための応募書類づくりや面接準備、現職での在籍期間のスキル獲得などに力を入れることが大切です。
ジョブホッパーが、転職成功のために「今から」できること
「ジョブホッパーの条件に当てはまっている」という場合、マイナスイメージを払拭して転職を成功させるにはどうすればいいのかをまとめてみました。
「転職の軸」を洗い出し、転職理由として明確に伝える
これまでの転職を振り返り、どういう理由で転職を重ねてきたのか明確に伝えることで応募先企業の不安を払しょくしましょう。
例えば、「営業としてさまざまな商材を経験したいと思った」「SEとしてより上流を目指して転職を重ねてきた」「裁量権を持てる環境を追い求めてきた」など、何らかの軸に沿っての転職であれば企業の納得感を得やすいでしょう。
「とくに軸はない」という人も、適当に転職先を決めてきたわけではないはず。ピンと来ない場合は、なぜ辞めたのか(何が嫌だったのか)を1社1社振り返り、そこに共通点がないか考えてみましょう。そのうえで、嫌だったことをポジティブに言い換えてみることをお勧めします。
例えば、「上司や先輩と合わなかった」という理由で辞めたケースが多かったのであれば、「互いの切磋琢磨できる環境でスキルを磨きたいと思った」「チームで一致団結できる環境を追い求めていた」「組織風土に共感して働ける場所を求めていた」などの軸があったのではないかと考えられます。
「商品、サービスが自分に合わなかった」のであれば、「自信をもって売れる商品・サービスを扱いたかった」「いろいろな商材を経験することで自身の営業力を高めたいと思った」という軸が想定されます。
このように、今までを振り返り自身の思いに向き合うことで当てはまりそうな軸を探し、転職理由として伝えるといいでしょう。
培ってきた経験・スキルが活かせることを伝える
経験不足を不安視している企業に対して、「1社1社の在籍期間は短くても活かせる経験・スキルが備わっている」ことを伝えることが大切です。これまでの経験・スキルを棚卸ししたうえで、応募先企業の求人情報を読み込み、求める人材像に合わせてアピールしましょう。
そのうえで、経験社数が多いからこそ得られたものをアピールできると、マイナス印象をさらに軽減することができます。
例えば、「いろいろな業界を見てきたからこそ、販路拡大に貢献できる」「大手からベンチャーまで、さまざまな事業フェーズの企業を経験したからこそ、広い視野でマーケティング戦略が立てられる」「さまざまな企業規模を経験したので、経理としての知識の幅が広がった」などと伝えられれば、好印象を与えられるでしょう。
転職回数が極端に多すぎる場合には、これまでを省みる姿勢を見せるのも可
明確に目的があり、軸が通った転職であれば問題ありませんが、「単に転職を重ねてきた」という場合は、短期間で転職を重ねてきたことに対し反省する姿勢を示すのもいいでしょう。転職回数が多いことを自己認知できている点に、安心感を抱く企業は少なくないからです。
例えば、「〇〇を求めて転職を重ねてきましたが、振り返ると失敗も多く、少し転職回数が多すぎたと反省しています」と伝えたうえで、次の転職に対する思いや、培ってきた経験・スキルをアピールするとスムーズ。
さらに「今回を最後の転職にしたい」という覚悟を示すと、より好印象です。
現職での在籍期間を延ばすのも一つの方法
現職でもうひと頑張りして在籍期間を延ばすことで、「ジョブホッパー」の印象を軽減するという方法もあります。
「どうしても今の環境に我慢できない」という状態でないならば、「あと1年間」など期限を決めて頑張ってみるのもいいかもしれません。その際は、「嫌だ」と思っていることの中で、自分の努力や工夫で改善できそうなことに取り組んでみるとより良いでしょう。
扱う商品やサービスに不満があれば、改善案を提案してみる、営業手法が自分に合わなければ、自分なりの方法を考えて上司に提言してみる、上司が苦手だったら攻略方法を考えて、1年間だけ向き合ってみる、など。
もし多少なりとも改善することができたら、それが自分の自信になり、転職活動の際のアピールポイントにもなりますよ。
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