転職が決まらない・受からない…転職活動が上手く進まず焦っている方へのアドバイス
転職活動が思うように進まないと、気分が鬱々としてしまったり、焦ってしまうことはよくあります。
焦るあまりに冷静な判断ができず後々後悔するケースとして、「自分はどこからも必要とされないのではないか」と自信を失い本来の転職の目的を見失うことや、一つでも内定がとれた時点で熟考せず即入社してしまうことがあります。
これらのケースに陥ってしまわないよう、転職活動中に焦った時の対処法はどうすればよいのでしょうか。人事・採用コンサルタントの曽和利光さんにアドバイスをいただきました。
アドバイザー
株式会社人材研究所・代表取締役社長
株式会社人材研究所・代表取締役社長。1995年京都大学教育学部教育心理学科卒業後、リクルートで人事コンサルタント、採用グループのゼネラルマネージャー等を経験。その後、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門責任者を務める。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける人材研究所を設立。『「ネットワーク採用」とは何か』(労務行政)、『コミュ障のための面接戦略』(講談社)など著書多数。
目次
そもそも「落ちる」ことは、人格否定ではない
転職活動が思った以上に長引いたり、何社も落ちたりすると、焦りを感じ始めることもあるでしょう。
確かに、たくさん落ちると落ち込みますが、人格否定されたかのように悲観的になる必要はありません。
なぜなら、そもそも転職活動とは、スキル(ポジション)のマッチングだからです。
リクナビNEXTが実施したアンケートによると、転職活動での応募数の平均は7.5社、面接した企業の平均は3.4社、内定が出たのは一人あたり平均1.4社。
平均すると、応募から書類選考の通過率は約5割、面接からの内定率は約4割のようです。多くの転職活動者は、数社落ちる経験をしながら転職活動を続けているといえるでしょう。
逆に言えば、「落ちる」ことを恐れるあまりに、受ける会社を絞りすぎると、比較検討もできず転職活動が長引く傾向にあります。少しでも興味がある会社は落ちることを極度に恐れずに受けてみることをおすすめします。
選考に落ちる原因として、会社とのミスマッチのほか、情報伝達不足があります。
会社とのミスマッチが原因ならば、落ちて良かったと思うこともできますが、もったいないのは、伝達不足により正しい評価を得られない場合です。
面接はキャッチボールと言いますが、「面接官に聞かれたことだけを答える」ようでは、伝達不足になることもあるでしょう。
面接はプレゼンテーションの場だと思って、自分の強みを相手がイメージできるような具体的なディテール(数値など)で「事実」として伝えられるように練習しておくとよいでしょう。
「どこにも受からないかも…」と思った時は、「メンタルの立て直し」と「他者からのフィードバック」
転職活動がスキル(ポジション)のマッチングだと分かっていても、思うように進まない・受からない状況が続くと「自分はどこからも必要とされていないのではないか」「もうどこにも受からないのではないか」と自信を喪失することもあるでしょう。
そんな状況の時は、まずメンタルの立て直しからはじめるのがお勧めです。
下記の自己効力感を高める方法を試してみてください。
- <自己効力感を高める方法>
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- 達成経験:就活で採用されたことや現職で成果を出したなど過去の成功体験を思い出す
- 代理経験:自分と似ている人の転職体験を聞く
- 言語的説得:自分を応援してくれる人と会う
- 生理的情緒的高揚:気持ちが上がる趣味をする
- 想像的体験:受かることをイメージトレーニングする
加えて、転職エージェントに登録してキャリアアドバイザーとコミュニケーションをとりながらフィードバックをいくつか受けてみることもおすすめです。
転職活動がうまくいかない原因に、「自己認知のずれ」があるのかもしれません。
自分の売りは何か、自己評価は妥当なのか、転職先の選定、この転職で何を実現したいのかを整理して、第三者にチェックしてもらいましょう。
ようやく内定獲得!でも本当にその会社でいいの?冷静になるための2つの観点とは
ひとつでも内定が取れた後によくある例としては「もっと待てばいいのに、焦ってもう決めてしまっていいの?」というケースです。
立て続けに選考に落ちた後に内定をもらうと、その会社が輝いて見えたり、期待に応えたい気持ちが大きくなったりして、多少の違和感があっても入社を決めてしまうことがあります。
このように、焦っている時はバイアスがかかりがちな心理状況になりがちであることを、まずは覚えておきましょう。
転職は人生で大事な選択のひとつです。焦っている時こそ、本当にその会社に入社して良いのかどうか、自分が何をしたいのかを突き詰めて考えることが必要かと思います。
そこで、決断する前に考えたい2つの観点をご紹介します。
- 【決断する前に考えたい2つの観点】
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- 「入社したい理由」を繰り返し考える
- 「待つ」「リセットする」という選択肢をもつ
1. 「入社したい理由」を繰り返し考える
どこか内定をもらうと、ついその会社に合わせようと無意識に自分を偽ってしまうことがあります。
まずは、入社したい理由を「なぜ」「なぜ」と繰り返し自分に問いかけてみましょう。
その結果、入社理由が「この会社は世の中的にいい会社だから」という一般論でしか説明できないなら、せっかくとれた内定を手放したくないがために「入社すべきだ」と自己洗脳している可能性があります。
逆に「自分にはこういうライフヒストリーがあって、こういう思いを持っている。だからこそこの環境のあるこの会社で働きたい」というように、自分がどうしたいのかを説明できれば、納得度をもって入社することができるでしょう。
2. 「待つ」「リセットする」という選択肢をもつ
選考中に感じた違和感が残っているようであれば、見過ごさないようにしましょう。
会社に質問したり再度面談の場を設けたりして、不安や疑問点を確認してみましょう。それでも違和感がぬぐえない場合は、思い切って「待つ・リセットする」選択を考えるのもひとつの道です。
というのも、中途採用は新卒採用と異なり、通年採用で欠員や事業拡大の際に随時求人が出ます。
現時点で希望にマッチする求人がなくても、しばらく待てば気になる求人が出てくる可能性は大いにあります。焦らずに納得できる会社に出会うまで「待つ」選択肢をもつことも覚えておきましょう。
とはいえ、労力をかけて転職活動をしてせっかく内定を得たのですから、内定を辞退するのは勇気がいるもの。
ただ、長い目で見ると、内定獲得までの労力と、入社後に辞めてまた転職活動を始める労力、どちらが大変なのかと考えると、希望しない手持ちのカードはいったんすべてリセットすることも大事だといえるでしょう。
内定はゴールではありません。その先の自分のキャリアを見通して、冷静に判断することをおすすめします。
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