退職届に書く日付はいつにすべき? 退職日の書き方、決め方、最終出社日との違いなど

退職届を作成する際、「日付」は意外と迷いやすい項目かもしれません。
退職届に書く日付には、退職日と提出日の2つがあります。「退職日は、最終出社日のこと?」「提出の日付はいつ時点を書く?」など手が止まってしまう人もいると思います。この記事では、スムーズに退職の手続きを進めるため、退職届に必要な日付の書き方や、退職日の決め方などを解説します。
国家資格 キャリアコンサルタント,組織人事コンサルティングSeguros 代表
司法書士事務所V-Spirits 代表司法書士
退職届に書く日付は「退職日」と「提出日」
退職届に書く日付は、退職日と提出日の2つがあります。それぞれが持つ意味を正しく理解して、間違えのないように記載していきましょう。

「退職日」には雇用契約が終了する日を書く
退職日の日付は、会社との雇用契約が完全に終了する日を記載します。
退職日は「最終出社日」ではありません。退職前に有給休暇を消化する人は、有休消化後の最終日が退職日となります。例えば、有休消化のために実質的な最終出社が3月20日であっても、雇用契約の終了日が3月31日であれば、退職届には「XXXX年3月31日」と記載するのが正しい書き方です。
「提出日」は退職届を提出する日を書く
提出日の日付は、退職届を会社に提出する日を書きます。直接渡した場合は手渡した日、その他、郵送した日、メールで送付した日を指します。
退職するには、退職の意思をいつまでに示すという明確なルールがあります。就業規則では一般的には退職の1カ月前以前まで、法律上は2週間前までと定められています。
退職届の提出日は、退職の意思を正式に示した証明となる重要な日付となるので、退職を希望する日から遡って正確に書く必要があります。
退職届の日付の書き方
退職届は公的な書類に近い性質を持つため、日付の書き方もルールに則って記載しましょう。
縦書きなら漢数字、横書きなら算数字
退職届のフォーマットに合わせて、数字の表記を使い分けましょう。縦書きなら漢数字、横書きなら算数字を使用します。
| 縦書きの場合:漢数字(一、二、三、十など) 横書きの場合:算数字(1、2、3など) |
年表記は和暦か西暦のどちらかに統一する
年表記は「令和〇年」という和暦でも「20XX年/二〇XX年」という西暦でも、どちらを使っても構いません。ただし、書類全体でどちらかに統一するようにしましょう。
退職日の決め方・考え方
退職届に書く「退職日」は自分だけで決められるものではありません。社内や法律上のルールや考慮すべきことがあるので確認していきましょう。
退職日は就業規則に従うことが原則
まずは自社の「就業規則」を確認しましょう。多くの会社では「退職を希望する者は、退職日の1カ月前までに申し出ること」などといったルールが定められています。
中には1ヶ月よりも前に提出期限を定めている企業もあります。
法律上は2週間前までの告知が必要
法律では、(正社員など)期間の定めのない雇用契約の場合、退職の申し出から2週間が経過すれば雇用契約が終了する、つまり退職できると定められています。
労働者の権利としては2週間前の告知で退職可能ですが、業務の引き継ぎや後任の選定を考えると、余裕を持って1〜3カ月前に退職を申し出るのが円満な退職のためには必要です。就業規則が1カ月前などになっている背景も、ここにあります。
退職するとはいえ会社と円満な関係を保つためにも、会社が定めた申出期間を守ってスケジュールを逆算して会社に退職を申し出る日を決定しましょう。
有休消化を見据えて退職日を決める
有休をすべて消化して退職したい場合、「最終出社日」と「退職日」を切り分けて考える必要があります。例えば有休が20日残っている場合、最終出社日から退職日までの間に土日祝日を除いた20営業日を有休消化のために確保するといった具合です。事前に残日数を確認し、会社側と調整した上で、有休を使い切った最終日を退職届の日付に記入しましょう。
繁忙期を避け、引き継ぎ期間を考慮する
円満退職を実現するためには、周囲への配慮が欠かせません。まずは、プロジェクトの節目や年度末、決算時期といった繁忙期を避けて退職日を設定しましょう。
また、退職日から逆算した引き継ぎ期間の確保も重要です。業務の洗い出しやマニュアル作成、取引先への挨拶回りには、一般的に2週間〜1カ月程度かかるものです。有休消化の予定も含め、「いつまでに業務を完遂できるか」という具体的な工程をイメージし、余裕を持ったスケジュールを立てて上司と合意しておきましょう。
転職先の入社日が決まっている場合
すでに転職先から内定を得て入社日が決まっている場合、「転職先の入社日」の1日前を「退職日」に設定するケースが多いです。
退職日と入社日に間を置かないことで、年金や健康保険などの社会保険の手続きが「資格喪失」と「資格取得」で途切れることなく自動的に切り替わるため、自分自身で役所へ行って手続きをする手間を省くことができます。
| 例:転職先の入社日が4月1日の場合 |
| 現職の退職日:3月31日 転職先の入社日:4月1日 |
退職届に日付(提出日・退職日)を書く理由
退職届の日付を正しく記載することは、トラブル防止や円滑な事務手続きを行う上でも大切です。詳しくみていきましょう。
提出日が、退職の意思表示の証拠になるため
退職届は、退職の意思を会社に伝えたことを示す物理的な証拠です。日付が記されていることで、「いつ、退職を申し出たか」が明確になります。万が一、会社側から「聞いていない」「急すぎる」といったトラブルが発生した際、自分を守るための重要な書類となります。
退職日が、退職後の公的な手続きに影響するため
退職日は、健康保険や厚生年金の資格喪失日を決める基準となります。また、ハローワークで雇用保険の基本手当(失業保険)の申請をする際も、離職票に記載された退職日が給付額や給付期間の計算に直接影響します。日付が曖昧だと、これらの公的な手続きが遅れる原因になります。
退職日が、有休消化や給与計算に影響するため
会社の人事・経理部門は、退職日を基準に最後の給与計算や賞与の算定、住民税の徴収方法などを決定します。また、有休を何日消化できるかも退職日からの逆算で決まるため、日付を正確に決めることは、金銭的なトラブルを防ぐことにもつながります。
退職届の日付は提出後は原則変更できない
退職届は労働契約の終了を申し出る書類で、会社側に到達すれば自らの都合で撤回することは原則できません。
会社側も確定した退職日に合わせて採用活動や社会保険の事務手続きを進めています。「有休を使い切りたい」「入社日を早めたい」といった理由で後からの変更要望は、現場に混乱を招き、信頼関係を損なう恐れもあります。退職日や提出日の日付を記入する際は、残有休数や転職先との契約を再確認し、会社側と最終的な合意を得た上で、細心の注意を払って記載しましょう。
労働者と会社との間には雇用契約があります。労働者の一方的な都合で会社と合意せずに退職日(=契約終了日)を決めることは、申出から「2週間」で労働契約を終了するケースを除き、認められません。
退職届の日付に関するQ&A
退職届の日付に関するよくある疑問をまとめています。参考にしてください。
退職日が決まっていない場合でも退職届は出した方がいい?
退職届は「退職日が確定した後に提出するもの」です。まだ話し合いの段階であれば、まずは「退職願(たいしょくねがい)」を出すか、退職の意思を伝えましょう。退職届を出すのは、退職日が確定してからで大丈夫です。
退職日が決まっていない場合は空欄でもいい?
退職日の空欄はNGです。日付が決まっていない書類は受理されません。前の質問と同様に、退職日が確定した後、日付を記入して退職届を提出しましょう。
有休消化する場合、退職日の日付は最終出社日?
いいえ、退職日は「雇用契約が切れる最後の日(有休を使い切った日)」を書きます。有休を使い切って退職する場合、最終出社日を退職届には書きません。
退職届をパソコンで作成予定の場合、提出日だけ手書きでもいい?
問題ありません。全体をパソコンで作成し、署名と提出日だけを手書きにすることで、より「本人の意思である」という信憑性が高まります。
退職日は土日でも大丈夫?
はい、問題ありません。会社の規定によりますが、一般的には月末(30日や31日)が土日であっても、その日を退職日として設定することが多いです。
退職届を郵送する場合の日付はいつになる?
郵送する場合の「提出日」は、一般的に「発送する日(ポストに投函する日や窓口に持っていく日)」を記載します。一緒に同封する添え状(送付状)にも同じ日付を記載しましょう。
退職日と同じ日に退職届を出してもいい?
即日退職が認められるのは、会社側の合意がある場合や、やむを得ない事情がある場合に限ります。そうでない場合、マナー違反でもあり、実務上も迷惑をかける行為です。法律(2週間前までに退職の意思を告知)や就業規則で定められた期間を守って提出しましょう。
月末退職の場合、「○月末」「○月○日」どっち?
正確を期すために、「令和〇年〇月31日」のように具体的な日付を書きましょう。「月末」という曖昧な表現は、手続き上のミスを招く恐れがあります。
まとめ
退職届の提出は、口頭で退職を申し出た後でも、会社から提出を求められることの多い書類です。記した内容が、会社の退職手続きに参照されていきますので、正確に漏れなく作成するのが重要です。
退職届・退職願の役割や書き方は下の記事で解説しています。
退職届や退職願の総合ガイドはこちら
組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。
司法書士事務所V-Spirits 代表司法書士。
大学卒業後、大手食品メーカーや外資系専門商社に在職中に税理士、司法書士、社会保険労務士の資格を取得。2012年独立し、司法書士事務所開設
https://www.pright-si.com/
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