転職したいけれど希望の求人がない場合はどうしたらいい?

転職を考えていて求人を探してみたものの、希望の求人が見つからないと感じる方もいるようです。自分の希望にマッチして応募したいと思うような求人は、どのように探せばいいのでしょうか。
そこで今回は、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏に取材し、希望の求人が見つからない原因や求人の探し方などを解説していただきました。
「希望の求人がない」よくある原因
まず、「希望の求人がない」原因を明らかにしてみましょう。
転職したいと考えているのに希望の求人が見つからない代表的なケースをご紹介します。
絶対数が少ない求人を探している
求人は、「働く人が欲しい」という人材ニーズが発生して成り立つものです。
転職サイトなどに求人を出す前に働く人が見つかってしまうような条件の良い仕事や、そもそも働き手を募集する企業が少ないエリアだと、求人が少なくなります。
もし希望している求人が、人気の職種や業界、企業が少ない地域の場合は、希望する求人が少ないために見つからない可能性が考えられます。
転職の軸が定まっていない
「現在の職場を辞めたい」「仕事を変えてみたい」など、転職は考えていても軸が定まっていない場合は、マッチする求人が見つかりにくくなります。
例えば「絶対に年収○○万円以上アップしたい」「○○地域の○○職でテレワークができる職場を探したい」など、転職で実現したい軸を明確にすることができれば、マッチする求人が探しやすくなります。
求人の探し方が合っていない
転職サイトや転職エージェント、スカウトサービスやビジネスSNSなど、転職サービスによって保有している求人は異なります。
幅広い業界・職種の求人を保有しているサービスもあれば、特定業界・職種・地域などに特化したサービスもあります。
求人を公開せず、スカウトサービスやビジネスSNSなどを通じて登録者に直接オファーを送る企業もあります。
希望の求人が見つからないケースのひとつに、自分の希望する求人に出会えるサービスを利用していないという可能性があります。
転職市場の相場を知らない
転職市場は、企業の採用ニーズと求職者のバランスで成り立っています。
採用ニーズが高く求職者が少ない場合は「売り手市場」となり、待遇が向上し採用条件が緩和される傾向がありますが、その逆は「買い手市場」となり採用側が有利になります。
転職市場の傾向を知らず、相場に合わない条件を希望していると、該当する求人が見つからなくなってしまいます。
現職の条件が満たされている
現職の条件や待遇が良く、「転職したい」と考えていても現職以上の条件を満たす求人が見つからないということも考えられます。
特に、所属企業に大きな不満がない場合は、退職によって好条件を手放すことに不安を覚えるため、全ての希望を満たす求人を探そうとして求人が見つからなくなる傾向があるようです。
求人の理解度が十分でない
求人に記載できる情報は限られているため、求人だけでは働くイメージが湧かずに自分にマッチしているのか判断ができないという可能性も考えられます。
特に職場の雰囲気や社風、人間関係などは可視化や数値化できるものではないため、求人に掲載されている文章や画像などで推測するしかありません。
求人だけで自分に合っているかどうかを判断するのは難しいものです。
転職の軸を可視化してみよう
なかなか自分の希望にマッチした求人が見つからない場合は、自分なりの検索軸を明らかにすることで、求人を絞り込むことができるかもしれません。
現職の満足度を可視化した上で、転職先に求める希望条件を明らかにする方法をご紹介します。
人が企業(組織)に期待する4つのポイント
転職の軸を明らかにするために、以下の「企業に期待する4つのポイント」で整理する方法があります。
- 企業理念に共感する、ビジョンにワクワクするといった「目的への共感」
- 商品が好き、仕事内容が魅力的といった「活動内容の魅力」
- 風通しの良い社風や優秀な従業員が多いなど「構成員の魅力」
- そして給与や福利厚生、勤務場所といった「特権の魅力」

現職に点数を振ってみよう
合計点数は何点でも構わないので、現職における4つの項目の満足度を点数にしてみましょう。

今回の例では、持ち点を18点として振った結果、特権への魅力が高いことが分かりました。
転職後に目指したい状態を点数化しよう
次に、合計点を変えずに転職後に目指したい状態を点数化します。
転職先には全ての理想を求めてしまいがちですが、現職と合計点を同じにすることで優先順位が明確になります。
今回の例では、目標への共感への優先度が高いことが明らかになりました。

軸に従って求人を探してみよう
明らかになった転職の軸をもとに、求人を探してみましょう。
気になった求人があれば、自分の軸に従ってマッチしているかどうかを求人詳細や採用ページなどで確認します。
ただし、具体的な活動内容や構成員の魅力は、実際に話を聞いてみないと判断することが難しいケースもあります。
軸にマッチしそうな求人が見つかったら、応募して話を聞いてみるようにしましょう。
求人に応募して話を聞くメリット
求人に応募して話を聞くことによって、自分にマッチするかどうかを確認することができます。
また、企業に話を聞くことで人材ニーズや他社の働き方、経験・スキルの市場価値などを知ることができるので、今後の転職活動の参考になるでしょう。実際に応募して話を聞くメリットを3つご紹介します。
応募する仕事の理解度を高められる
求人に記載されている仕事内容は一部分であることが多く、実際の業務は詳しく聞いてみないと分からないことが多いものです。
特に、経験・スキルや習熟度に合わせて任せる業務を調整するようなポジションの場合は、現場責任者と面接で会話をすることで具体的な業務内容が決まることもあります。
場合によっては、求人には記載されていない業務を打診されるケースもあるので、求人だけを見て判断するのではなく、積極的に話を聞いてみた方が選択肢は広がる可能性があるでしょう。
経験・スキルの市場価値が分かる
企業と話をすることで、どのような経験・スキルにニーズがあるのかを把握することができます。
例えば、転職活動を始める際はAというスキルに自信がありアピールしていたが、企業や転職エージェントに話を聞いたり、スカウトを受けたりしているうちに、実はBというスキルにニーズがあることに気づいた…というケースは少なくありません。
自身の経験・スキルの市場価値を正しく把握できていると、応募する企業選びや面接での受け答え、条件交渉など、転職活動を有利に進めることができます。
自己評価だけではなく、企業の評価を確認しておきましょう。
転職実現の相場観が分かる
転職を実現できるかどうかは、本人の経歴や応募する求人、試験や面接などの評価など様々な要因が影響します。
実際に求人に応募すると、書類選考や面接の通過率が明らかになるので、希望する条件での転職の実現可能性を推測することができます。
もし選考の通過率が悪い場合は、応募書類や面接の対応を改善するだけでなく、応募する求人や応募数などの見直しも必要になるかもしれません。
転職の実現可能性を理解してから、転職活動を続けるか判断してもいいでしょう。
「希望の求人がない=転職時期ではない」という可能性もある
「希望の求人がない」ということは、自身の希望条件と企業の採用ニーズがマッチしていない可能性があります。
例えば「年収○○万円を希望しているがマッチする求人がない」という場合は、現職でもっと経験・スキルを身につけてから転職活動をすることで、年収条件にマッチした求人が見つかるかもしれません。
また、「△△の仕事に興味があるが、求人が少ない」という場合は、興味範囲を広げることで希望にマッチした求人が見つかることもあります。
自分なりに原因を探って企業や転職エージェントなどに話を聞いて情報量を増やしても、なかなか希望の求人が見つからない場合は、「今は転職時期ではない」と判断して現職で経験・スキルを増やして転職のタイミングを探るというのも選択肢のひとつです。
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