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退職理由の伝え方と例文12選〜円満退職のための上手な切り抜け方

ネガティブとポジティブのイメージ画像

上司に退職理由を伝える際は、引き止めなどの退職交渉を避けて、円満退職を実現することが大切です。特にネガティブな退職理由は、そのまま伝えると関係性が悪化し、話し合いがこじれる可能性もあります。そこで、好印象を与える退職理由の伝え方や、退職理由別の例文をご紹介します。

監修 粟野友樹

国家資格 キャリアコンサルタント,組織人事コンサルティングSeguros 代表

上司へ退職理由を伝える時のポイント

退職の申し出は、まず直属の上司に伝えます。ここで振る舞い方を誤ると、関係悪化や引き止めの長期化につながりやすくなるため、伝え方や姿勢が重要になります。上司への伝え方のポイントを解説します。

感謝の気持ちを伝える

退職の意思を伝える際は、上司への感謝を交えることが重要です。一方的に自分の都合を伝えるだけでは、上司も快く承諾できなくなってしまいます。「これまで大変お世話になりました」「多くの経験をさせていただき感謝しています」といった一言を添えることで、円満な雰囲気を保ちながら本題に入ることができるでしょう。

上司への切り出し方はこちらでも詳しく解説しています。

引き止められにくい退職理由を伝える

所属企業で解決可能な退職理由だと、条件の改善提案や異動などを持ちかけて引き止められる可能性があります。待遇や人間関係といった企業特有の事情ではなく、「新しい分野に挑戦したい」「長期的なキャリア形成を考えた結果」など、自社で実現できない退職理由を伝えることで、引き止めを回避しやすくなるでしょう。

引き継ぎの計画を立てておく

自身の担当業務を整理し、後任への引き継ぎ方法やスケジュール案を準備しておくことで、上司は退職後の業務や後任の見通しを立てることができます。また、「組織や業務に迷惑をかけない」といった誠実な姿勢を見せることもできるでしょう。業務への影響を懸念して引き止めるケースもあるため、引き継ぎ計画があることで、実務的な話し合いを進めやすくなるでしょう。

退職を考えてから退職日までのスケジュール立てはこちらで詳しく解説しています。

毅然とした態度で臨む

感謝の気持ちを示す一方で、退職の意思は明確に伝えることが大切です。「退職を考えており…」「退職日は未定で…」などの曖昧な態度では、退職の意思がまだ固まっていないと受け取られ、引き止められる可能性があります。一方的な言い方をする必要はありませんが、揺らがない姿勢を見せて交渉の余地を減らしましょう。

転職先の企業は伝えない

退職を告げると転職先を聞かれることもあるかもしれませんが、詳細を伝える必要はありません。企業名を伝えることで、思わぬ憶測や詮索が生まれる可能性もあります。「申し訳ありませんが、詳細は控えさせてください」と切り返し、具体的な企業名は伝えないようにしましょう。

ネガティブな内容や嘘は避ける

退職理由がネガティブな内容だった場合、そのまま伝えると関係悪化の原因になります。また、嘘を伝えてしまうと、その後の対話で一貫性が保たれなくなり、不信感を抱かれる可能性もあります。ネガティブな内容は、「新たな挑戦をしたい」「自分の可能性を広げたい」といった前向きな表現に言い換えることが大切です。

上司に報告する前に周囲に伝えない

退職の意思は、最初に直属の上司に伝えるのが基本です。同僚などに先に話してしまうと、上司の耳に間接的に入る可能性があり、信頼関係を損なう恐れがあります。また、人を介して話が伝わると、意図しない誤解が生じることも考えられます。まずは上司に直接伝え、その後の社内共有は上司の指示に従うようにしましょう。

譲れない「退職日」「最終出社日」を決めておく

退職の申し出とともに、退職日と最終出社日を決める必要があります。その際は、自分の中で譲れない退職希望日や最終出社日をあらかじめ決めておくことが重要です。希望日が曖昧だと、引き延ばされるなどして転職先に支障が出る可能性もあります。事前に希望時期を整理し、現実的なスケジュールを持って臨むことで、建設的な話し合いができるでしょう。

一方的に主張せず妥協点を探る

退職する際は、業務や組織への影響が生じるため、自分の希望だけを押し通すのではなく、会社側の事情にも耳を傾ける姿勢が大切です。柔軟さを意識して、最終出社日や引き継ぎ期間など、双方が納得できる落としどころを探ることが円満退職の秘訣です。

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納得感のある退職理由の例文12選

退職理由によって伝え方は異なります。上司が納得し、退職をスムーズに承諾してもらえる退職理由の伝え方のコツと例文をご紹介します。

【転職】キャリアチェンジ(異業界・異職種)をする場合

これまでとは別の業界・職種に転職する場合は、自社で実現ができないため引き止められにくい退職理由と言えるでしょう。なぜキャリアチェンジの道を選んだのかを端的に伝えられると、納得感が増すでしょう。

<キャリアチェンジ:退職理由例文>
これまでさまざまな経験をさせていただきやりがいもあったのですが、昨年に体調を崩したことをきっかけに、医療業界にチャレンジしたいという想いが強くなりました。

病に苦しんでいる人を支える医療人材を目指したいと考えています

【転職】異業界・同職種に転職する場合

これまでと同じ職種で異業界に転職する場合も、自社で実現できないため引き止められにくいと言えます。異業界を目指すきっかけや自分のキャリアに関する考え方などを交えると、納得感が増します。

<異業界・同職種へ:退職理由例文>
これまでご指導いただきありがとうございました。営業としてお客様の期待に応えようと試行錯誤しているうちに、様々な商品を扱える営業職に魅力を感じるようになりました。

また、以前からマーケティングにも興味があったので、インターネット系の広告代理店の営業にチャレンジすることにしました

【転職】同業界・異職種に転職する場合

同じ業界で職種を変える場合、自社での異動を打診される可能性があります。転職することで得られる経験・スキルや中長期的なキャリア展望、実現したいことなどを語れると良いでしょう。

<同業界・異職種へ:退職理由例文>
人材業界が好きで、これまで営業として成長させていただきました。

少子高齢化を見据えてもっとシニアのキャリアに寄り添いたいと考えるようになり、シニア向けの人材企業に転職しキャリアコンサルタントになる決意をしました

【転職】同業界・同職種に転職する場合

同業界・同職種に転職する場合は、「競合他社に転職するのでは?」と詮索されるかもしれません。また、強く引き止められる可能性もあるので、具体的な業界・社名には触れず、自身のキャリアや働き方などを中心に伝えると良いでしょう。

<同業界・同職種へ:退職理由例文>
次の企業でもプロダクト開発を行います。

自社に残る道も考えたのですが、育児のサポートのために実家の近くに引っ越したことで通勤が難しくなり、リモートワーク中心の企業に転職することにしました

家族の都合で退職する場合

家族の都合で退職する場合は、詳細を語りすぎず「やむを得ない事情」であることを簡潔に伝えることが重要です。仕事や職場への不満とは無関係である点を交えて、個人的な事情による判断であると説明しましょう。

<家族の都合:退職理由例文>
現在の職場はメンバーの協力体制が確立されていて、とても良い環境で働かせていただきました。

○月に家族の転勤の辞令があり、転居先は通勤が難しい○○地域のため、残念ですが退職を決断いたしました

退職してから転職活動をする場合

退職してから転職活動をする場合は、「一度立ち止まって将来の方向性を整理したい」と前向きな内容で伝えることが大切です。転職先が決まっていないことを伝えると、「後任が見つかるまでいてほしい」と、退職日の後ろ倒しの相談をされる可能性もあります。退職交渉にならないように、退職日や最終出社日も提示すると良いでしょう。

<とりあえず退職:退職理由例文>
これまで○年世話になりましたが、
退職してじっくりと考える時間を設け、今後のキャリアを模索しようと思います。

引き継ぎに約○日、有給消化に○日をいただき、○月○日を最終出社日、○月末を退職日にさせていただけないでしょうか

体調不良で退職する場合

体調不良を退職理由とする場合は、詳細な症状を説明する必要はありません。今後の業務に支障をきたさないために、回復を優先する前向きな判断であると伝えることが重要です。引き継ぎ期間に制約事項などがあれば、事前に伝えておきましょう。

<体調不良:退職理由例文>
「以前から体調を崩すことが多く、これ以上ご迷惑をおかけできないので退職して療養に専念します。

○月末が退職希望日ですが、現在も体調が安定しないため、半日の有給休暇を利用し、退職希望日までは毎日○時~○時の勤務にさせていただけないでしょうか」

学び直しのために退職する場合

リスキリングのための退職も、前向きな退職理由として受け入れやすいでしょう。すでに通学や受講が決まっている場合は、退職希望日や最終出社日も相談しておくとスムーズです。

<学び直し:退職理由例文>
今後のキャリア形成のため、退職して専門分野の学び直しをすることを決めました。今まで大変お世話になりありがとうございました。

入学が○月なので、退職日は○月○日にさせていただけないでしょうか

独立するために退職する場合

独立のために退職する場合は、現職への感謝を交えて「自己成長のための次のステップ」として前向きに伝えると、退職を受け入れて応援してもらいやすくなるでしょう。

<独立:退職理由例文>
個人開発していたアプリのひとつが収益を生み始めたので、退職して独立にチャレンジすることを決意しました。今まで本当にお世話になりました。

現在担当しているプロジェクトが○月納期なので、退職希望日は○月○日でご相談させてください

家業を手伝うために退職する場合

家庭事情と同様に、詳しく状況を説明する必要はありません。退職の必要性が生じたことを簡潔に伝え、退職日や最終出社日の希望を提示しましょう。

<家業を手伝う:退職理由例文>
両親が高齢になったため、家業を手伝うことになりました。お世話になったのに大変恐縮ですが、退職の手続きをさせてください。

後任次第ではありますが、引き継ぎは○週間程度かかりそうなので、有給消化を含めて○月末の退職でいかがでしょうか

興味のあることをするために退職する場合

上司に納得感を与えるために、一時的な関心ではなく、将来を見据えた挑戦であると説明しましょう。継続的に取り組む意思があることを伝えることで、キャリアの選択肢として理解されやすくなります。

<興味あることをする:退職理由例文>
以前から叶えたかった夢である世界一周をするために、この度退職を決意しました。

帰国後は海外移住も視野に入れ、見識を広げるために各地を回りたいと考えています。渡航までは実家に戻ろうと思っているため、退職日は○月末を希望します

ワークライフバランスのために退職する場合

働き方の見直しは、自社への不満ではなく、ライフステージに合わせた選択として伝えると良いでしょう。前向きな変化にすることで、理解を得やすくなります。

<ワークライフバランス:退職理由例文>
配偶者の仕事が多忙で夜勤などもあり、私とライフサイクルが合わない状態が続いていました。通勤時間も長かったため家庭の時間を増やすことが難しく、この度、退職して働き方を見直すことにしました。

○月までは繁忙期のため、業務が落ち着く○月に引き継ぎと有給消化を進め、○月末に退職は可能でしょうか

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退職を切り出すタイミングと手順

退職の意思は、事前準備を整えたうえで段階的に進めることが円満退職のポイントです。退職を切り出す際の基本的な流れを理解し、退職手続きをスムーズに進めましょう。

就業規則を確認する

まず自社の就業規則を確認し、退職の申し出期限や必要な手続きを確認しましょう。企業によって異なりますが、退職希望日の1〜3カ月前に告知することを定めているケースが一般的です。退職を決意したら就業規則を確認し、いつまでに申し出なければならないかを把握しておきましょう。

直属の上司にアポイントを取る

退職の意思は、最初に直属の上司に伝えます。突然退職を切り出すのではなく、「ご相談したいことがあります」と伝えて、面談の時間をもらいましょう。上司との予定を入れたら、落ち着いて話せる会議室や個室を確保します。

退職を申し出る

面談の場では、退職の意思を明確に伝えます。「退職したい」という結論から述べ、理由を簡潔に説明しましょう。会社や職場への不満が退職のきっかけだったとしても、感情を交えずに前向きな理由を中心に伝えることが、円満な話し合いのコツになります。

退職に必要な手続きを進める

退職の申し出が受理されたら、退職届の提出や引き継ぎ、社内手続きを進めます。上司に退職までの引き継ぎや手続きの進捗を共有しながら、最後まで責任を持って業務を遂行する姿勢が大切です。

退職理由の伝え方でよくある質問

退職理由の伝え方に関する、よくある疑問にお答えします。円満退職に向けて、疑問を解消しておきましょう。

退職日を受け入れてもらえない場合は?

上司に退職希望日を伝えたところ、会社側の事情で希望退職日が受け入れられないケースも考えられます。その際は、一方的に希望を主張しても、平行線のまま関係性が悪化してしまうかもしれません。スムーズに退職するために、後任への引き継ぎや業務の状況も考慮して、落としどころを冷静に話し合うことが大切です。ただし、法律上は退職の意思表示から2週間を経過すれば退職は可能です。まずは柔軟に協議しつつも、転職先の入社時期など譲れない事情がある場合は、誠実に対応しながら合意点を探りましょう。

▼退職の申し出ルールに関する詳しい解説
退職は何日前までに伝えるべき?
退職の申し出、就業規則と法律、優先されるのはどっち?

言ってはいけない退職理由はある?

会社や職場、上司への不満などをそのまま伝えるのは避けましょう。「改善するから残ってほしい」と引き止められる可能性があります。また、感情的な表現や批判的な内容は、関係悪化にもつながり、退職交渉が難航する可能性もあります。退職理由は前向きな表現に言い換えて、円満退職を実現しましょう。

退職理由を言いたくない場合は?

詳細を話したくない場合は、「一身上の都合」として簡潔に伝える方法もあります。ただし、全く説明しないと不信感を抱かれることもあるため、差し支えのない範囲で前向きな理由を添えると良いでしょう。

粟野友樹
監修 粟野友樹

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。

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