「退職後に活躍している人が多い企業」とは?
退職後に活躍している人が多い企業とは、どんな企業なのでしょうか。
高いスキルや経験を身につけるなどにより、退職後に活躍しやすい企業の探し方や、そこで働くメリット、転職する際の注意点などを、組織人事コンサルタントの粟野友樹さんに伺いました。
目次
退職後に活躍している人が多い企業とは?
退職後に、活躍している人が多い企業として、例えば以下の3つのような企業があげられます。
- 就職・転職市場で人気が高く「競争倍率が高い企業」
- 成長機会が多い「人材輩出企業」
- 未経験からでもキャリアアップできる「人材育成制度が充実した企業」
「競争倍率が高い企業」は、入社のための高い倍率をくぐり抜けたことでポテンシャルの高さを次の転職でも評価されやすい傾向にあります。
また、入社後にも優秀な社員同士での競争があるため、そこで切磋琢磨されることによりタフさと高いスキルが身につくことが多く、退職後の新しい場所でも活躍できることが期待できます。
「人材輩出企業」は、実力主義、成果主義を取り入れている企業が多いため、若いうちから様々な経験を積みやすいと言えます。
年齢に関係なく、実力に応じた仕事を任せてもらいやすいため、早いスピードで成長することができ、退職後にどこへ行っても通用する力を身につけやすいと言えるでしょう。
「人材育成制度が充実した企業」は、学びと実務のバランスが取れている企業が多いと言えます。
そのため、体系的に学んで身につけたスキルは、退職後に新しい環境に行った時にも応用しやすく、高いレベルで仕事を再現しやすいと言えるでしょう。
ただし、これらの企業に入社したからといって、必ず退職後に活躍できるというわけではありません。
あくまで、転職先を考える時の参考の一つとして捉え、自ら学ぶ姿勢と、与えられた機会を最大限に活かす努力を怠らないように注意しましょう。
次の項目では、それぞれの企業の特徴を詳しく見ていきます。
1.就職・転職市場で人気が高く「競争倍率が高い企業」の探し方・働くメリット・注意点
探し方
一般的には、新卒での就職活動などで応募者が多数集まり、かつ採用人数が少ないような有名企業が当てはまります。
例えば、戦略コンサル、外資系投資銀行、総合商社などもその一例と言えるでしょう。
働くメリット
競争倍率が高い企業は、大手企業や業界を牽引する有力企業であることが多いため、グローバル展開による海外で働く経験ができたり、国内であっても大きなビジネススケールで仕事ができたり、その業界の最新知見やノウハウが学べたりといった魅力を持ち合わせることも多いのが特徴です。
恵まれたビジネス環境の中で、優秀な同僚と切磋琢磨することにより、幅広い視野を持って仕事に取り組むことができるでしょう。
転職に関する注意点
実力主義、成果主義を取り入れている企業が多いため、目標達成に対してプレッシャーがかかることも予想されます。
また、優秀な同僚たちと仕事の成果などを競い合っていくため、社内で思ったような活躍ができないといったケースも考えられます。
また、こういった企業では給与水準が高く、福利厚生なども充実していることも多いもの。
そのため、入社後にギャップを感じて再転職をしようとしても「水準を下げたくない」という気持ちが芽生え、思わぬ転職のハードルになってしまい、なかなか次の転職先が見つからないというケースも珍しくありません。
2.成長機会が多い「人材輩出企業」の探し方・働くメリット・注意点
探し方
人材輩出企業として最もイメージしやすいのは、独立や起業など経営者として卒業していく人が多い企業です。
上場をしたばかりで勢いがある企業や、ネクストユニコーン企業と呼ばれるような、企業価値の評価額が10億ドル以上になりうる未上場のスタートアップ企業、Webサービスなど新しい事業を次々に生み出すような企業、メガベンチャーなどが当てはまります。
インターネットで「経営者 出身企業」「人材輩出企業」「ネクストユニコーン企業」などと検索してみるのも一つの手です。
働くメリット
人材輩出企業と呼ばれるような企業では、将来的なキャリアアップや起業などを想定して力をつけるために働いている社員も一定数います。
そのため、成長に前向きな人が多く、企業としても個人の成長を最大限促進するような仕組みが用意されていることが多いです。
年齢や役職に関係なく、入社後早い段階からプロジェクトで責任あるポジションを任せてもらえたり、仕事の裁量権が大きく、自分なりの考え方ややり方を試したりしやすいのが特徴です。
独立や起業、キャリアアップのための転職にポジティブな風土の企業も多く、退職後にも、次のステージでの活躍を応援してもらいやすい環境とも言えます。
転職に関する注意点
個人の成長を応援、促進する環境であるがゆえに、実力主義である企業も多いと言えます。
そのため、思うような成果が出せない場合には、プレッシャーがかかり、負担に感じることもあるかもしれません。
また、年功序列よりも成果を重視する企業も少なくないため、場合によっては自分よりも若い社員の元で働くことになるケースもあります。
3.未経験からキャリアアップできる「人材育成制度が充実した企業」の探し方・働くメリット・注意点
探し方
未経験歓迎の求人の中から、教育制度が充実している企業を探してみましょう。
産労総合研究所が、上場企業および、同研究所会員企業151社から回答を得た「2020年度 教育研修費用の実態調査」によると、2019年度教育研修費の平均は1人当たり35,628円という結果が出ています。
この金額を一つの目安にして、人材研修・人材開発に力を入れている企業かどうかを判断してみると良いでしょう。教育研修費は、企業ホームページや面接で確認してみると良いでしょう。
人材育成に力を入れている企業では、1人当たり40〜50万円を費やしていることもあります。
この他にも、新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために必要なスキルを獲得するリスキリング研修の導入や、大学院(MBA等)や各種専門機関での学びの支援制度の実績があり、社外での経験を積むことを積極的に支援している企業なども良いでしょう。
働くメリット
人材育成に力を入れている企業では、日常の仕事を通じて教育を行うOJT(On the Job Training)のほか、通常の業務から離れて特別に時間や場所を取って教育を行うOff JT(Off the Job Training)も充実していることも多いのが特徴です。
その場合、幅広く体系的に知識を学び、実務で実践し、自分なりの気づきを得て、また改善していくことが可能になります。
それにより、未経験でも、ゼロから独り立ちできるまでを経験しやすく、次の転職では「経験者」としてキャリアアップやステップアップが期待できます。
企業としての育成ノウハウが蓄積していることも多いので、つまずいた時に周囲からのフォローやサポートを受けやすいと言った面もあるでしょう。
転職に関する注意点
未経験からの育成を前提とした採用の場合には、給与水準が相場よりも低いケースもあります。
試用期間を設けている企業もあるので、その場合には、本採用になる条件を事前に確認しておきましょう。
また、その企業で経験をつけてから退職後に活躍をしたくて「未経験歓迎」の求人に応募する際は、未経験者を歓迎する理由が充実した育成プログラムによるものなのか、単なる人材不足によるものなのかを見極める必要があります。
離職率や従業員の平均年齢、平均的な在籍年数などを面接で聞いてみると良いでしょう。
未経験から入社して、現在も活躍している社員のエピソードなどを聞いてみるのも一つの手です。
また、面接時に志望動機を聞かれた際は「教育育成プログラムが充実しているからです」などと、制度への魅力だけを伝えることは避けましょう。
仕事内容や業界に対する意欲などを伝え、その企業で育ててもらうことよりも、その企業にどう貢献できるのかを伝えるようにすると良いでしょう。
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