履歴書に記載する志望動機が思い浮かばない場合は?原因と対処法、言い換え例も解説

気になる求人を見つけて履歴書を書き始めたけれど、良い志望動機が思い浮かばない…と悩む人もいるようです。
この記事では、志望動機がどうしても思い浮かばない場合の対処法や、「給与が高いから」「通勤が楽だから」といった本音の理由を企業が納得する志望動機に言い換える方法などについて、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。
志望動機が思い浮かばない原因
履歴書に記載する志望動機が思い浮かばないのは、主に次の3つの原因が考えられます。
企業研究が不十分で情報量が足りない
志望動機は、「その会社で働きたい理由」や「入社後にどのように活躍し貢献したいか」を示すものです。
企業研究が不十分で、事業内容や強み、求める人材像など応募企業に関する情報が不足していると、惹かれる部分や共感できる部分が明確化しにくく、自身とのマッチ度もつかみにくいため、志望動機が思い浮かばない可能性があります。
自己分析が不十分で動機が明確でない
自己分析が十分でないと、自身の理想とするキャリアや転職で実現したいことなどといった「転職の軸」が定まりにくいものです。
そのため、どのような企業を目指せばいいのかわからず、志望動機も不明瞭になってしまっているケースがあります。
条件や待遇だけで企業を選んでいる
「給与が良いから」「家から近いから」など、条件や待遇だけで応募企業を選んでしまい、それ以外の志望理由が思い浮かばない…というケースもあるようです。
一般的に、条件や待遇ばかりを志望動機にしてしまうと、「事業内容や仕事内容には興味がないのだろうか」「入社後に条件や待遇が変わったら辞めてしまうのだろうか」などと思われてしまう可能性が高いでしょう。
企業が志望動機で判断していることとは?
採用面接において、「志望動機」を聞く企業は多いものです。経験・スキルが高く評価されても、「志望動機に納得感がない」という理由で採用を見送られることも考えられます。志望動機で「なぜこの会社なのか」を明確に伝えることで、企業の理解度や志望度を示すことができるでしょう。
企業側は、志望動機から「自社が望むような活躍をしてくれるか」「自社が目指す方向性、ビジョンとマッチしているか」などを判断しています。それを踏まえ、志望動機をどのように伝えるかを考えましょう。
履歴書に書く志望動機が思いつかない場合の対処法
志望動機がなかなか思い浮かばない場合は、主に次のような対処法が考えられます。
企業情報を集め、企業研究を行う
まずは応募したいと考えている企業の情報を集め、企業研究を行いましょう。応募企業ならではの魅力や特徴を理解することで、自分とマッチする部分や共感できる部分や見えてくるでしょう。
情報源としては、応募企業のホームページや採用ページ、各種メディアに掲載されている記事、企業のSNSやブログなどが考えられます。上場企業であれば、IR(投資家向け広報)ページから、今後の事業計画やビジョンなどをつかむことができるでしょう。
自分の仕事の価値観やこだわりを明らかにする
自己分析に取り組み、自分自身の仕事に対する価値観やこだわりなどを洗い出してみましょう。
これまでの経験を振り返ってキャリアの棚卸しを行い、やりがいや喜びを感じた場面、熱中できた仕事などを洗い出し、なぜやりがいを感じたのか、なぜ熱中できたのかを考えてみると、自身の価値観やこだわりなどが見えてきやすくなります。
働く上で大切にしていることも、振り返ってみると良いでしょう。例えば「チームワークを良くするため、こまめな情報共有を大切にしている」のであれば、それが自分ならではのこだわりです。仕事の価値観やこだわりが叶えられそうな企業を選び、志望動機として伝えると良いでしょう。
企業と自分との共通点を探し言語化する
企業研究で得た情報と、自身の価値観やこだわりを洗い出したら、応募企業と自分との共通点は何か、探ってみましょう。
例えば、「企業の理念や考え方などに共感できるポイント」「自分の経験やスキルが活かせると思うポイント」などを洗い出していくと、なぜその企業を志望するのかが明らかになり、納得感の高い志望動機につながるでしょう。
よくある志望動機の言い換え
「給与が高いから」「家から近いから」「地元に戻りたいから」など、条件や待遇が第一の志望理由であるというケースもあるでしょう。
そのまま伝えてしまうと評価されにくい志望動機について、企業が納得しやすい言い換え例をご紹介します。
給与が高いから
・努力や成果が正当に評価される環境で働きたいと思いました ・自分の経験・スキルを活かして貴社に貢献したいと考えています ・○○としてさらに成長できる環境で、より高い目標に向かって働きたいと考えています |
長く働けそうだから
・貴社の中期戦略に共感し、末永く貢献し続けたいと感じました ・新規事業の立ち上げに尽力し、中長期的に主要事業に成長させたいと考えています ・将来的にマネジメントに携わり、貴社のさらなる成長に貢献したいと考えています |
通勤が楽だから
・通勤の負担がない分、仕事に集中できると考えました ・働きやすさが仕事の質にも直結すると考えています ・生活のリズムを安定させることで、仕事のパフォーマンス向上にもつながると考えています |
福利厚生が良いから
・各種制度が充実しており、腰を据えて長く働けると感じました ・社員を大切にする姿勢に共感し、貴社ならばイキイキと自分らしく働けると思いました ・社員の働きやすさを重視する会社で、さらなる成長を目指したいと考えました |
安定しているから
・経営に関する不安を抱くことなく、自身の業務に邁進できると考えています ・安定したシェアを誇る商品を、自信を持って売りたいと考えました ・安定した環境の中、結婚・出産を経ても長く働き続けられると考えました |
知名度が高いから
・リーディングカンパニーとして、業界をけん引し挑戦し続ける姿勢に共感しました ・社会に影響を与え、介在価値を感じられるような仕事がしたいと考えています ・規模の大きな仕事に携わってみたいと考えました |
在宅勤務ができるから
・柔軟な働き方を実現することで、より高いパフォーマンスを上げたいと考えています ・育児とうまく両立しながら、高い成果を上げたいと考えています ・自律性と主体性を持って仕事に臨むことで、貴社に貢献したいと考えました |
未経験歓迎で自分でもできそうだから
・新しい知識やスキルを習得し、貴社の成長に貢献したいと考えています ・未経験ながらこれまでの経験を活かせる部分も多く、早期に戦力になれると考えました ・未経験ながら独学を続けており、ポテンシャルを評価してくれる貴社であれば力を発揮できると感じました |
副業ができるから
・仕事以外の活動で得た知見を、業務にも還元できると考えています ・知見を広げながら業務に取り組み、より良い成果を出したいと思います ・社外でも自己研鑽を行うことで価値を提供したいと考えています |
地元に戻りたいから
・ずっと希望していたUターン転職を実現し、地元に腰を据え貢献し続けたいと考えています ・生まれ育った地域に価値を提供したいと考えています ・地元の活性化に貢献したいと考えました |
正社員になりたいから
・これまでの経験・スキルを活かして長期的なキャリアを築きたいと思っています ・会社のビジョンやミッションに共感し、戦略にコミットしながら働きたいと考えています ・自身の業務に責任を持ちながら働きたいと考えました |
よくある質問
履歴書に記載する志望動機に関する、よくある質問についてお答えします。
志望動機欄のない履歴書を使っても良いでしょうか?
前述のような方法を試してみても、どうしても志望動機が思いつかない場合は、志望動機欄のない履歴書を選ぶのは一つの方法です。その場合は、自己PR欄など志望動機以外で自身の意欲や熱意をアピールすると良いでしょう。
ただ、面接で志望動機を問われるケースは多いので、なぜこの企業に興味を持ったのか、いま一度立ち返って考え、惹かれた点や共感した点などを洗い出してみましょう。
複数企業に応募するため企業研究をしている時間がありません
企業研究の時間が取れないという場合は、企業ホームページと採用ページだけでもチェックしましょう。応募企業の事業内容や戦略、求める人材像など、志望動機に必要な情報が比較的短時間に収集しやすいでしょう。
中途採用ページのほかにも「新卒採用」のページに目を通してみるのも一つの方法です。事業内容や仕事の流れなどが学生向けにわかりやすく解説されているので、働くイメージがつかみやすいと考えられます。
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