履歴書を郵送する際の流れとポイント【封筒の書き方見本つき】

履歴書を企業に郵送する場合、どのような方法で郵送すればいいのでしょうか?
この記事では、郵送する場合の基本的な流れを解説するとともに、封筒の選び方、宛名の書き方、ポイントや注意点などについて、組織人事コンサルティングSeguros代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。
目次
履歴書を郵送で送る時の流れと用意するもの
履歴書を郵送で送付する際には、ビジネスマナーに配慮する必要があります。
流れやポイントを押さえた上で、マナーに則って郵送することが大切です。
履歴書を郵送する場合のステップは次の通りです。
- STEP1:送付状(添え状)を作成する
- STEP2:応募書類を入れる封筒とクリアファイルを用意する
- STEP3:封筒の宛先を記載する
- STEP4:封筒の表面に「履歴書在中」「応募書類在中」と赤字で記す
- STEP5:裏面に自身の住所・名前を記載する
- STEP6:クリアファイルに応募書類を入れる
- STEP7:糊付けして封字を書く
- STEP8:重さを測り、適切な料金分の切手を貼る
- STEP9:期日に余裕を持って投函する
- STEP10:郵送報告メールを送る
これらのステップについて、次の章から詳しく解説します。
STEP1:送付状(添え状)を作成する
送付状(添え状)とは、履歴書などの応募書類を郵送する際に同封する書類のことです。同封している応募書類について示すことで、送付内容を相手に伝える目的があります。一般的に、応募書類に限らず書類を送付する際には、この送付状をどう封ずることがマナーとされています。
下記の例を参考に、作成すると良いでしょう。
20XX年X月X日 |
株式会社○○○○ 人事部 採用御担当者様 |
〒100-XXXX 東京都中央区△△X-X-X 電話番号:––*** 陸波玉夫 |
応募書類の送付につきまして |
拝啓 貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 このたび、貴社の法人営業職の求人情報を拝見し、下記の応募書類をお送りします。 私は大学卒業後7年間、オフィス機器の営業として企画から販売、メンテナンスまでトータルに携り、売り上げの拡大と製品の改善に努めてまいりました。 この経験と知識を活かして、貴社のオフィス事業の拡大に貢献したいと考えております。 ご検討の上、ぜひ面接の機会をいただけますようお願い申し上げます。 |
敬具 |
記 |
【同封書類】 ・履歴書 1枚 ・職務経歴書 2枚 |
以上 |
▼ダウンロードはこちら
STEP2:応募書類を入れる封筒とクリアファイルを用意する
履歴書などの応募書類と、送付状(添え状)が準備できたら、郵送のための封筒とクリアファイルを用意しましょう。
履歴書を郵送するときの封筒は、二つ折りの履歴書がそのまま入る「角型A4号」か「角形2号」が基本とされています。
封筒の色は茶色でも問題ありませんが、フォーマルな印象を与える白色を選んだほうが無難でしょう。
応募書類はクリアファイルにまとめたうえで封入すると、折れや汚れを防ぐことができます。
□白色の「角型A4号」か「角形2号」の封筒 □A4のクリアファイル □送付状(添え状) □応募書類(履歴書、職務経歴書、その他応募企業に提出を求められた書類) |

STEP2:封筒の宛先を記載する
郵送するための封筒に、宛先を書きましょう。応募企業の郵便番号・所在地・部署名などを、縦にまっすぐ記載します。所在地は、都道府県から書きましょう。
宛先の敬称は、部署宛の場合は「御中」、担当者宛の場合は「様」と記します。
●部署宛の場合

●個人宛の場合

STEP3:封筒の表面に「履歴書在中」「応募書類在中」と赤字で記す
中に重要な書類が入っていることを示すために、封筒の表面左下に「履歴書在中」「応募書類在中」などと記しましょう。横書きの場合は、表面右下に同じく横書きで記します。
履歴書だけの場合は「履歴書在中」、職務経歴書などその他の書類も入っている場合は「応募書類在中」と記載しましょう。
「○○在中」の文字は赤ペンで書き、赤枠で囲むのが一般的です。市販のスタンプを利用する方法もあります。

STEP4:裏面に自身の住所・氏名を記載する
封筒の裏面には、送り主である自身の住所・氏名を記します。裏面左下に、表面よりも小さな文字で記載するのがポイントです。
表面を縦書きにした場合は縦書きで、横書きにした場合は横書きと、裏表で統一しましょう。

STEP5:クリアファイルに応募書類を入れる
用意しておいたクリアファイルに、応募書類を重ねて入れましょう。履歴書と一緒に職務経歴書や送付状(添え状)を同封する際には、送付状を一番上にして、続いて履歴書、職務経歴書、その他書類(提出を求められたものがある場合)の順に重ねます。
なお、封筒に入れる前に、面接準備用にコピーを取っておくと良いでしょう。

STEP6:糊付けして封字を書く
応募書類を封筒に入れたら、のり付けして、閉じ口に〆などの封字を記入しましょう。のり付けの際には、粘着力が弱いスティックのりより、液体のりを選ぶと良いでしょう。

STEP7;重さを測り、適切な料金分の切手を貼る
応募書類の量によって重さが変わるため、正しく重さを測ったうえで切手を用意しましょう。
最寄りのポストであれば、24時間365日いつでも投函できて便利ですが、料金不足にならないか不安という場合は、郵便局の窓口でお願いすると安心でしょう。
なお「角型A4号」か「角形2号」の場合は規格内料金なので、重量別の料金は次の通りになります。※最新の情報は日本郵便株式会社のWebサイトをご確認ください
50g以内:140円 100g以内:180円 150g以内:270円 |
(※)参考:日本郵便株式会社Webサイト( https://www.post.japanpost.jp/index.html )
STEP8:期日に余裕を持って投函する
求人情報などから、応募の締切日を確認しましょう。当日消印有効か期日必着なのかを確認した上で、日程に余裕を持って投函することが大切です。
郵便物が企業に到着しても、そこから担当部署に渡るまでにはさらに時間がかかることも予想されるため、少なくとも期日の3日前には投函しましょう。遠方の場合はさらに1~2日余裕を見ることをお勧めします。
STEP9:郵送報告メールを送る
必須ではありませんが、郵送が完了した旨を採用担当者にメールしておくと、確認漏れが防げる上、好印象につながる可能性があります。
【郵送報告メールの例】 =========== 件名:履歴書郵送のご連絡/陸波 玉男 =========== 本文: 株式会社○○〇 人事部 採用担当 ○○様 お世話になっております。 陸波 玉夫と申します。 このたびは選考のご機会をいただき、誠にありがとうございます。 履歴書と職務経歴書を、本日○月○日付けで郵送いたしました。 ご査収のほどよろしくお願い申し上げます。 お忙しいところ大変恐縮ですが、 面接の機会をいただけますと幸いです。 どうぞよろしくお願い申し上げます。 ——————— 陸波 玉夫 〒100-XXXX 東京都中央区△△X-X-X 電話番号:***-****-**** メール:******@***.com ——————— |
履歴書の郵送でよくあるミス&トラブル
履歴書の郵送において、つい起こしがちなミスやトラブルについてご紹介します。郵送の時点でマイナス印象を与えてしまわないよう、以下の点には十分に注意しましょう。
切手代が不足している
応募書類の重さや封筒のサイズによって、郵便料金は変わります。
切手代が不足した状態で投函すると、企業が不足分を支払うことになってしまうため、故意ではなくてもマイナスの印象を与えてしまうかもしれません。
郵便局の窓口から送ると、そのようなリスクを避けることができるでしょう。
封筒や書類にシミや汚れがある
封筒や、中に入っている応募書類にシミや汚れがあると、丁寧ではない印象を与えてしまい、志望度が低い印象につながります。送付前に再度見直して、汚れなどに気づいた場合は書き直しましょう。
応募や仕事に関係ないものが混じっている
稀にですが、メモや買い物のレシートなど、転職活動に関係ないものがうっかり封筒内に混じって入っていることがあります。最終チェックをせずに郵送している証となり、仕事が雑な印象につながるので注意しましょう。
封筒の宛名書きが雑、汚い
応募書類は丁寧に書かれているのに、封筒の宛名書きが雑というケースもあるようです。例えば、所在地や会社名の間違い、誤字脱字、文字の大きさのバランスが極端に悪い、などが挙げられます。「仕事も雑なのでは?」という印象を与えかねないので、最後まで気を抜かず丁寧に記しましょう。
封筒の裏面の書き方がビジネスマナーに則っていない
前述のように、封筒の裏面の書き方にもマナーがあります。しかし差出人情報が書かれていない、きっちり封がされていない、「〆」など封字が記されていないなどのケースが見受けらえます。
一般常識やビジネスマナーに欠ける、仕事の丁寧さが足りないなどの懸念につながる可能性があるため注意しましょう。
明らかにサイズが合っていない封筒を使っている
サイズの小さな封筒に4つ折りなどでぎゅうぎゅうに応募書類を詰め込んで送付してくるケースがあるようです。
角型A4号や角形2号は、コンビニでも購入可能な封筒です。その中、明らかにサイズがあっていない封筒で送付すると、「志望度が低いのでは」との懸念を持たれてしまう可能性もあるでしょう。
そもそも、履歴書に折り目をつけすぎると非常に読みづらく、企業での保管にも支障をきたす可能性があるため「受け取り手や相手への配慮に欠ける」などのマイナス印象につながりかねないので、適切なサイズの封筒を使いましょう。
履歴書の郵送でよくある質問
履歴書の郵送に関してよく聞かれる質問について回答します。
速達や書留で送っても良い?
速達で送付しても問題はありません。速達の場合、基本料金に加えて速達料金(300円~)がかかりますが、締切期日が迫っている場合は速達の方が安心でしょう。
なお、書留での送付は企業が受領する際に受領印を押す必要がある上、不在の場合は再配達の手間もかかるため、避けたほうが良いでしょう。
直接企業に持っていくのはアリ?
応募要項に「郵送で送付」と明記されている場合は、直接持参はマナーに反しており、好ましいとは言えません。「持参または郵送」など、持参してもいい旨が記されている場合のみ、持参が可能です。
「郵送では締め切りに間に合わない」という場合は速達を利用するか、企業の採用担当者に連絡して判断を仰ぎましょう。
宅配便やメール便を使って送っても良い?
履歴書を、宅配便やメール便で送ると郵便法違反となります。
総務省が定めるガイドラインによると、履歴書は信書に該当します。信書とは、特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書のこと。
信書を宅配便やメール便など、郵便法で定められた方法以外で送付すると、郵便法違反になるため、履歴書は必ず郵便で送りましょう。
(※)参考:総務省「信書のガイドライン」 ( https://www.soumu.go.jp/yusei/shinsho_guide.html )
封筒はセロハンテープで止めても良い?
セロハンテープは郵送の途中ではがれる可能性があるため、避けたほうが良いでしょう。郵送中に開封されてしまう可能性もゼロではないため、マナーに反していると捉えられるケースもあります。液体のりなどを使って、しっかりのり付けをしましょう。はがれにくい両面テープを使うのも方法です。
履歴書を早く郵送するメリットまたは遅くなるデメリットは?
主に、次のようなメリット、デメリットが考えられます。
・他の応募者より先に選考を進められて、選考において有利になる可能性がある ・企業によっては、志望度の高さの反映だと捉えられて、好印象につながる可能性がある ・選考スケジュールに余裕を持たせられるので、面接準備などに余裕ができる可能性がある |
・他の応募者が内定して選考が終了するなど、スタートラインに立てない可能性がある ・他の応募者の選考を終えてからの選考開始になったり、選考基準が厳しくなったりする可能性がある ・志望度が低い、計画性が低い、などのマイナス印象を持たれる可能性がある |