【ソフトバンク株式会社】自ら手を挙げれば、チャンスはいたるところにある――ソフトバンクで働く魅力とは
事業の中心を情報通信に置きながら、AIやスマートロボットなどさまざまなテクノロジー分野に投資し、常に話題を集めるソフトバンクグループ。「自ら手を挙げた人にチャンスを与える」企業文化のなか、社員を講師として認定する研修制度や新規事業の提案制度など、ユニークな制度を整えている。これらの独創的な制度がどのように生まれ、どのように社内活性化につながっているのか。ソフトバンクの人材開発のキーパーソン、源田泰之氏にうかがった。
▲ソフトバンク株式会社 採用・人材開発統括部長 源田泰之氏
300年後を見据えた「ソフトバンク 新30年ビジョン」
300年成長し続ける企業を目指し、2010年に「ソフトバンク 新30年ビジョン」を発表したソフトバンクグループ。同じ志を持つパートナー企業5000社による「戦略的シナジーグループ」構想や、孫正義の後継者育成機関としての「ソフトバンクアカデミア」開校について語られていた。そして現在の事業展開は、すべてその「新30年ビジョン」に基づいているという。
戦略的シナジーグループとは、志を共にする集団を形成していくとする構想。英国半導体設計会社ARMホールディングスの買収などはこの構想に基づくものだ。今現在、世界中でテクノロジー分野への投資を強化している。
加えて、国内では主軸の通信事業の継続・発展という使命は変わらない。今やライフラインともいえる通信ネットワークの安心・安全を、より強固にしつつ、新たなテクノロジーを活用した新規事業を起こしていくことが求められている。
次の世代のソフトバンクを作る人材育成を目指して
この「ソフトバンク 新30年ビジョン」を実現させる原動力として、何よりも大事なものが“人材”である。事業領域は情報通信を主軸にしつつも、ビジネスモデルに固執することなく、最先端のテクノロジーを事業に生かし、進化を続けていきたいとする同社。そのために必要なものが、「ソフトバンクのDNA」を引き継ぎ、常に劇的な変化に対応し続けていくことのできる“人材”を育てていくことだ。
はたして同社にとって“人材”とは、どのような存在なのだろう。
「今ある事業をきちんと継続・発展させるための人事戦略は当然のことですが、その一方で、20年後、30年後に孫正義はじめ今の経営幹部がいなくなったときに会社を作るのは、まさにこれからの人材。次のソフトバンクを作っていく人材を採用し、育てていくのが人事の役割と考えています」
その最たる例が「ソフトバンクイノベンチャー」「ソフトバンクユニバーシティ」と冒頭で触れた「ソフトバンクアカデミア」という3つの人材育成施策である。
こうした人材育成施策の他にも、同社には社員の能動的なキャリア形成を後押しする人事制度も存在する。
「ひとつは、社内公募されたポジションに、社員自ら手を挙げるジョブポスティング制度。これに加えて一昨年からフリーエージェント制度を始めました。ジョブポスティングは、ポジションの募集があることが前提ですが、フリーエージェント制度はまったくの自由な手挙げのシステム。たとえば今はエンジニアだけど営業に行きたいと思ったら、募集の有無にかかわらずその部署にエントリーし、選考を経て合格すれば異動できる制度です。応募者も多く、制度としてはかなり受け入れられていると思います」
ソフトバンクの人事制度に共通しているのは、先にも触れた通り「自ら手を挙げる人にチャンスを与える」ということ。同社は徹底してこの企業文化に基づく人材育成を進めている。ともすれば厳しい環境にも思えるが、「自らチャンスをつかみ取りに行く」という人材が、変化を楽しむことができ、新たな価値を生み出していけるのかもしれない。
「斬新な人事制度」を取り入れている理由
このような斬新な人事制度を次々生み出し、柔軟に取り入れる同社の企業風土は、どのように生まれたのか。
「理由のひとつに考えられるのは、カルチャーの異なる企業の買収・合併を繰り返しながら大きくなってきた会社なので、多様な人が集まっているということが大きいでしょう。一般的には企業を買収すると、買収された側は、買収した側に従えとなることが多いのでしょうが、ソフトバンクではそれがまったくない。むしろ、買収された企業の良いところや制度をどんどん取り入れてきました。例えば、社員が研修の講師を務めるソフトバンクユニバーシティは、もともとは旧日本テレコムにあった研修制度をベースにしていますし、評価の見える化や公平性を目指す人事システムも同様です」
自ら手を挙げれば、望みをかなえるチャンスがあり、多様な働き方が認められる同社の社風は、「ごちゃまぜの中からの良いとこ取り」で生まれてきたと言えるだろう。
「新しい事業にガンガン挑戦しつつ、既存の事業も強固に推し進める。両立は難しいですが、やはり全員が当事者意識を持って、楽しみながらやっているのが大きいと思います」
エンジニアにとって魅力的な環境
ソフトバンクでは新卒・中途含め年間500名ほどの採用を行っているが、先端のテクノジーを事業に組み込むうえで、エンジニア採用の重みが増している。即戦力としての期待はもちろんだが、採用にあたっては“ソフトバンクらしい”働き方ができるマインドを持っているかを重視しているという。
「情報通信がドメインというのは間違いないので、その分野でのスキルを持っている方はもちろん必要です。一方で新しい事業にどんどん挑戦しているので、専門性を高めたい人だけでなく、新しいスキルを身につけて、自分の可能性を広げたい方も大歓迎です」
昨今、専門性の高い分野で優れたスキルを持つエンジニアの需要が高まっているが、そのような人材が「ソフトバンクで働く」魅力とは何なのだろうか?
「先に触れた3つの施策に代表されるような、チャンスを自ら掴める人材育成制度は魅力に感じていただけるのではないかと思います。この先、テクノロジーのさらなる進化によって、働き方も変わるしビジネスも変わります。そのなかで今の自分のスキルや経験が、10年後、20年後も通用するのか。その時、自分はどんな働き方をしたくて、そのために今どんなチャレンジをし、何を学ぶべきか?そういう“健全な危機感”をより多くの人に持ってもらうのが、人事としてのひとつの課題だと思っています」
「ソフトバンクユニバーシティ」で学んで今あるスキルを深めてもいいですし、「ソフトバンクイノベンチャー」を通じて新しい事業アイデアを形にする道を探ってもいい。「ソフトバンクアカデミア」を経て、経営者を目指すことさえできる。さらに、今後グループ企業が増えるたびに、その企業の「良いところや制度」を取り入れながら、ソフトバンクの人材育成制度は今後もさらに磨かれていくことだろう。
「自ら手を挙げ、チャンスをものにすること」を何よりも是とする同社。新しいチャレンジをして自分を成長させたいマインドさえあれば、今の肩書に限らず、さまざまなチャンスをつかみ取ることができる。「ソフトバンク 新30年ビジョン」の戦略に基づき、今後、最先端事業へチャレンジできるチャンスはどんどんと広がっていくはずだ。充実した人材育成制度とともに、このことも大きな同社の魅力なのかもしれない。
記事掲載日:2017年4月28日 WRITING 小野千賀子
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