転職の選考で見かける「人物重視」とは?どんな人物が求められる?
応募しようと考えている企業が「人物重視の採用」をうたっている……
「人物重視とはどういった採用なのか?」「どんなポイントを見られているのか?」という疑問について、Segurosの粟野友樹氏がアドバイスします。
人物重視の採用とは?
企業が中途採用において「人物重視」を掲げている場合、経験・スキルだけでなく応募者の「人柄」を重視して選考を行うことを意味しています。
混同されやすい言葉として「ポテンシャル重視」がありますが、ポテンシャル採用とは「主に若手層を対象とした未経験者採用」を意図しているケースが多く見られます。
人物重視の場合、経験・スキルも求める一方、それ以上に自社のカルチャーや価値観にフィットするかどうかを見ています。特に中小ベンチャー企業などは、少人数で運営している分、社風になじめるかどうかを重視する傾向が強いと言えるでしょう。
人物重視でも書類選考で落ちる場合がある
求人広告や採用ページに「人物重視」と書かれていても、書類選考で不採用となり、面接に進めないケースもあります。
例えば、想定していたよりも応募者数が多い場合、求める経験・スキルを持つ人を優先し、面接へ招く人数を絞り込むこともあります。
また、応募書類の記載内容から「自社が求める人物像に合わない」という印象を持たれた場合、書類選考段階で不採用となることもあります。
いずれにしても、その企業に「合うか合わないか」で評価されます。ですから、人物重視の企業で不採用になったとしても、あなたの人格が否定されたわけではないため、落ち込む必要はありません。
企業が人物重視の採用を行う背景とは?
「人物重視」と一口に言っても、企業によって人物重視の採用を行う背景は異なっており、求める人物像も異なります。
企業が人物面を重視する背景・目的としてよく見られるのは、次のようなパターンです。
会社に長く定着してくれる人を採用したい
「経験・スキルを評価して採用したが、活躍できず早期退職してしまった」――過去の中途採用において、そのような苦い経験をしている企業は少なくありません。
そのような背景がある場合、会社が掲げる「理念」「ミッション/ビジョン/バリュー」に共感できるか、会社のカルチャーにフィットするかといった観点から、入社後に定着し、活躍してくれそうかを評価します。
募集するポジションに合う人を採用したい
一つの会社でも、募集するポジションに応じて求める人物像は変わるものです。
例えば、「配属を予定している部門の上長やメンバーと相性がよさそうな人」を求めているケースもあれば、「配属予定のチームには○○なタイプが多いので、刺激を与えて活性化を図るため、△△なタイプの人を迎えたい」などと考えているケースもあります。
仕事に対する意識の高さや意欲がある人を採用したい
社内の研修・教育体制が充実している場合などは、即戦力となる経験・スキルを持っていなくても、意欲があれば早期にキャッチアップできると考えられています。
また、組織内に停滞感が漂っている場合など、意識高く仕事に取り組める人を迎えることで新風を吹き込みたいと考えている企業もあります。
人物重視の選考を受ける場合の対策方法
人物重視で採用を行う企業に応募するなら、次のポイントを意識して選考対策を行いましょう。
応募先企業が求める人物像を調べる
同じ業種・同じような仕事内容であっても、企業によって求める人物像は異なっています。
例えば、営業職の募集において、ある会社は「目標数字の達成へのこだわりが強い人」、ある会社は「顧客に貢献したいという想いが強い人」を求めるなど、大切にしている価値観が異なります。
また、「自分で判断して物事を進めていける人」を求める会社がある一方、「協調性があり、チームワークを円滑に進められる人」を求める会社もあります。
応募先企業がどんな人物を求めているか、採用ページの募集要項や社員紹介ページなどを見れば、ある程度つかむことができます。転職エージェントを利用する場合は、キャリアアドバイザーにたずねてみてもいいでしょう。
企業研究をしっかり行い、求める人物像を理解してください。それによって、自身がその会社で活躍できそうかどうかもイメージできるでしょう。
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企業が求める人物像につながる、自身の経験を言語化する
企業研究を行い、相手企業が求めている人物像に自身がマッチしているという確信が持てたとしても、相手企業にそれが伝わらなければ選考を通過することが難しくなります。
ただ、「私はこういう人物です」と話しただけでは、相手企業は納得しないでしょう。そこで、人物像が伝わるような過去のエピソードを整理し、言語化しておくことをお勧めします。
例えば、相手企業が「スピード感を持って業務を推進できる人」を求めているなら、これまでの経験からそれに当てはまる行動を振り返り、伝えられるようにしておきます。「お客様から相談を受けたら、すぐに調べ、必ずその日のうちに情報を提供しました」といったようにです。
「ポータブルスキル」を伝えられるように準備する
人物面を重視する求人企業は応募者の「ポテンシャル」――つまり、業務遂行スキルではなく「ポータブルスキル(業種・職種に関わらず持ち運びができるスキル)」に注目しています。例えば「論理的思考力」「課題設定力」「折衝力」「調整力」などです。
自身が強みとするポータブルスキルを整理し、実際にそれを発揮したエピソードと共に語れるようにしておくのも有効な対策です。
自身の強みを発見する「グッドポイント診断」も活用してみてはいかがでしょうか。
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