職務経歴書の「職務要約」の例文15選と書き方のポイント

職務経歴書には「職務要約・職務概要」を入れると、経験・スキルを効率的にアピールできます。
そこで、職務要約・職務概要の例文を、職種別とキャリア別(転職回数多め、第二新卒、アルバイトのみ、ブランクあり)で紹介します。
他にも、目安となる文字数、気をつける点、自己PRとの違いなど、押さえておくべきポイントを幅広く、組織人事コンサルティングSegurosの粟野友樹氏にお答えいただきました。
目次
職務要約・職務概要とは?

「職務要約・職務概要」とは、いずれも職務経歴書の要点を簡潔にまとめたものです。
職務経歴書の冒頭に、「職務要約」または「職務概要」のどちらかの言葉で見出しを立て、経歴を数行程度でまとめます。
多くの採用担当者は、応募者の経歴の大枠を理解するために、まず職務要約・職務概要を確認しています。
「どのような経歴の持ち主なのか」を冒頭で伝えられるので、職務経歴や自己PR、志望動機などを読み進めてもらうことができます。
職務経歴書に職務要約・職務概要を設置することで、より深く、自分自身を知ってもらうことができるでしょう。
<職務要約・職務概要の例文>
教育研修サービスの法人営業として約2年間、人事コンサルティング会社の法人営業として約3年間、合計約5年間の法人営業の経験を積んできております。
特に現職の人事コンサルティング会社では、売上数億~10億円規模のIPO準備企業を開拓・担当し、一から人事制度を構築する支援を通じ、クライアント企業が安定して成長していける基盤づくりに貢献をしてきております。
※本記事の下部には、職種別・キャリア別に職務要約・職務概要の例文を多数用意しています。参考にしたい方は、「職務要約・職務概要の例文15選」の該当箇所をご確認ください。
職務要約・職務概要の書き方のポイント
職務要約・職務概要をまとめる際には、次の3つのポイントを意識すると、「会ってみたい」「詳しく経歴を聞きたい」と思ってもらいやすくなります。
3~4行程度にまとめる
職務経歴書の職務要約・職務概要のボリュームは、200~300字程度または3〜4行が目安です。
あくまで「要約」「概要」なので、ダラダラと長い説明は避け、事実を端的にまとめましょう。
応募する仕事に活かせる経験を中心に整理する
これまでのさまざまな経験を、均等に説明する必要はありません。
応募企業や応募する仕事内容に合わせた経験をピックアップし、それを中心にまとめるといいでしょう。
実績などは数値を交えて端的にアピール
実績を入れる場合は、できるだけ数字を交えてアピールしましょう。
業務内容に数字を交えると採用担当者がイメージしやすくなります。
例えば「目標達成率○%」「社内成績○人中○位」などと端的に示しましょう。
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職務要約・職務概要の例文15選
ここでは、キャリア別、職種別の職務要約・職務概要の例文をご紹介します。
※リストの項目をクリックすると、詳しく説明している部分に移動できます。
キャリア別の例文 | 1. 初めて転職する場合 2. 転職回数が多い場合 3. 第二新卒の場合 4. ブランク後に再就職する場合 5. アルバイト経験しかない場合 |
職種別の例文 | 6. 事務職 7. 営業職 8. 販売職 9. ITエンジニア職 10. 企画・マーケティング職 11. コンサルタント職 12. クリエイティブ職 13. 建築・土木技術職 14. 看護師 15. 福祉・介護職 |
※その他の職の書き方ポイントや例文は、「職務経歴書の書き方とフォーマットダウンロード&職種別例文」の記事を参照ください。
1. 初めて転職する場合
現職には販売担当として入社し、20xx年からは副店長、20xx年には店長としてスタッフ○名の採用から売り上げ管理まで、店舗経営担当としての業務全般に携わってきました。
昨年は、店舗独自の顧客管理手法を開発し、売り上げ促進の営業施策の企画実施を行い、売上の前年度比○%アップを実現させました。
2. 転職回数が多い場合
個人向けの接客・サービス領域で6年半(飲食業界1年、ホテル業界1年半、ブライダル業界4年)、個人向け営業として1年(保険業界)ほど経験を積んできました。
仕事では顧客の秘められたニーズを引き出すための対話を心がけており、特にウエディング会社では担当顧客からの紹介指名率が60%(全社平均40%)、個人営業成績は常にトップ10を維持し、20XX年には年間MVP(社員180名中、年間売上1位)を獲得しました。
参考:転職回数が多く、一貫性が見えない職務経歴書を改善【職歴書添削】
3. 第二新卒
株式会社○○○にて、キャリアアドバイザーとして1年半勤務しています。
個人に対するキャリア支援と、企業への採用コンサルティングの両方を担っています。
キャリア支援では転職希望者の経験・適性・価値観を踏まえた上で転職実現に向けた提案を心がけ、特にIT系企業とのマッチングを担当しています。
4. ブランク後に再就職する場合
前職は20XX年に営業職として入社し、2年目にリーダー職に抜擢されました。その後産休・育休を経て復職し、子どもの保育園・学童保育期間は時短勤務の営業事務職として9年働きました。
学童保育期間を過ぎてからは育児に専念するため退職し、3年間のブランクがありますが、この度育児がひと段落したため、フルタイムでの再就職を希望しています。
参考:ブランク期間があり、具体的な実績が思い出せない場合の職務経歴書を改善【職歴書添削】
5. アルバイト経験しかない場合
大学卒業後は音楽業界を志しましたが叶わず、4年間、創作料理店にてアルバイトをしながら、昼間は音楽活動を行っていました。
自主制作アルバムを毎年1枚、計4枚発売し、レコード店への営業に取り組み、都内7店舗で取り扱われています。この時の経験から、営業職に興味を持ち貴社での就労を希望しています。
音響機器の営業は未経験ですが、音楽活動の経験から得たユーザー視点を大切にし、貴社に貢献できるよう努めます。
6. 事務職
インターネット広告代理店の営業部門(営業約500名)にて、営業事務及び役員秘書業務を約3年間経験しております。
また、営業事務職3名のチームリーダーとして、中途入社者の育成教育(年間約10名)や、営業管理職との定例会議に事務代表として参加する等、営業部門全体をサポートする業務にもやりがいをもって取り組んでおります。
7. 営業職
教育研修サービスの法人営業として約2年間、人事コンサルティング会社の法人営業として約3年間、合計約5年間の法人営業の経験を積んできております。
特に現職の人事コンサルティング会社では、売上数億~10億円規模のIPO準備企業を開拓・担当し、一から人事制度を構築する支援を通じ、クライアント企業が安定して成長していける基盤づくりに貢献しております。
8. 販売職
アパレルブランドの販売職として、接客・販売・在庫管理といった業務に加え、店舗での販売促進施策の企画運営や、店舗レイアウトの企画等にも従事してきました。
販売促進企画では、本社と連携しながらWordやExcel等のOfficeソフトを使用した資料作成を行う経験も積んでおります。
また接客スキルを磨くため、社内の接客コンテストに2回出場し、昨年(20XX年)は上位32名(販売職約1000名中)に選出されております。
9. ITエンジニア職
1社目のシステム開発会社では約3年間在籍し、システムエンジニアとして主に金融業界向け業務システム開発に従事し、要件定義から保守運用業務まで経験いたしました。
その後、現職であるITベンチャー企業へ転職し、機械学習を用いた音声認識システム(自社プロダクト)の新機能開発を担当しております。
現在は3名のチームのチームリーダーの役割も担っております。
10. 企画・マーケティング職
20XX年に株式会社〇〇に入社後、マーケティング部にて商品企画を4年間経験しております。
主に、新商品の立ち上げのための市場調査の計画立案・実行と、既存ブランドリニューアルの中長期戦略の立案・実行に従事。昨年は「〇〇」を担当し、外装デザイン、商品仕様を変更したことで、売上前年比○○%アップを達成しました。
また、20XX年よりリーダーとして社員〇名、アルバイト〇名のマネジメントも行っております。
11. コンサルタント職
20XX年に〇〇株式会社に入社し、アナリストとして2年、コンサルタントとして4年間勤めています。
現在は主に、経常収益〇〇円以上の金融機関を担当し、効率的組織形態や営業支援体制、商品開発スキームなどの策定と実行を担っております。
20XX年よりサブリーダーとしてメンバー〇名のマネジメントも行っております。
12. クリエイティブ職
20XX年に〇〇株式会社に入社し、Webデザイナーとして4年間勤めています。
現在は主に、東証一部上場のメーカーを中心に、プロモーションサイトのコンセプト設計・デザイン制作・コーディング実施などを担当しています。
20XX年に制作した〇〇社〇〇キャンペーンサイトでは、サイトオープン後の期間内のPV目標に対し130%を実現し、〇〇アワードを受賞しました。
13. 建築・土木技術職
20XX年に〇〇株式会社にて7年間、構造設計に従事しております。
現在は主に、プラントの構造設計、構造解析、熱伝導解析を行っており、3D解析モデルの作成、耐震解析評価、解析後データ分析、耐震強度不足個所の抽出などを担当しております。
20XX年よりリーダーに就任し、20名のメンバーマネジメント、工程管理や進捗管理、メンバー教育なども行っております。
14. 看護師
20XX年より医療法人〇〇会〇〇病院(病床数250床)において、消化器内科病棟(30床)の看護業務全般(チームナーシング制)を担当しております。
20XX年からは緊急患者の対応と訪問看護にも重視し、現在は常勤看護師〇名のリーダーとして、メンバーマネジメント、新人教育および看護学生〇名の指導を行っております。
15. 福祉・介護職
20XX年より一般社団法人○○会の介護老人保健施設で、介護職員として勤務しています。
要介護4以上の入居者○名を担当し、医師や看護師、作業療法士、理学療法士などの専門スタッフと連携を取りながら、高齢者の日常生活のケアや介助を行っています。
20XX年からは新人スタッフの教育係を任され、これまでに○名の導入研修を行っております。
企業が職務要約・職務概要でみているポイント
採用担当者が職務要約・職務概要で確認しているポイントを解説します。
ポイント1. 募集職種の応募要件と合致する経歴、経験・スキル、実績があるか
採用担当者は職務要約・職務概要から、募集職種の応募要件と合致する経歴、経験・スキル、実績があるかどうかを確認しています。
合致する経歴がある場合、「この人は入社後に活躍してくれるかもしれない」「自社にマッチして定着してくれるかもしれない」と興味を持って、職務経歴書をじっくり読み込む可能性が高まるでしょう。
ポイントを踏まえたアドバイス
職務要約・職務概要は、募集職種の応募要件と関連性の高い経歴を中心に、具体的なキーワードを交えて書くようにしましょう。
ポイント2. 文章作成力、論理的思考力、プレゼンテーション力のレベルは高いか
企業は、職務経歴書の職務要約・職務概要を通して、必要な情報を端的かつ第三者にも分かりやすく魅力的にまとめる力を確認するケースもあります。
文章作成力、論理的思考力、プレゼンテーション力は、多くの仕事において必要なスキルです。
職務要約・職務概要がわかりやすくまとめられていると、採用担当者に「一定の文章作成能力がある」「プレゼン力がある」と、期待と興味を持ってもらえる可能性が高まるでしょう。
異業界・異職種への転職を希望していて「応募要件と合致する経歴、経験・スキル、実績」がない場合は、応募する仕事に活かせそうなポータブルスキルを中心にまとめると良いでしょう。
ポイントを踏まえたアドバイス
誤字脱字、文章構成に注意し、必要な情報を簡潔かつ具体的に書きましょう。
ありきたりな言葉ではなく、自分の言葉や表現で伝えることも大切です。
ただし、専門用語や第三者に伝わりにくい言葉は避けましょう。
職務要約・職務概要に関するQ&A
職務要約・職務概要を作成する時に、よくある疑問や不安について回答します。
Q.職務要約・職務概要は内定にどのように影響しますか?
A.職務要約・職務概要を「つかみ」として応募者自身の経歴に興味を持ってもらえれば、職務経歴書をさらに詳しく読み込んでもらうことも期待できます。
実際の面接で、具体的な会話や質問が自然と引き出されてお互いの理解が深まり、内定に至りやすくなるかもしれません。
書類選考の時点で、職務経歴書や職務要約・職務概要で興味を持ってもらうことができれば、他の応募者よりも優先的に面接日程の調整をしてもらえるかもしれません。
Q.職務要約・職務概要と自己PRとの違いは何ですか?
A.「職務要約・職務概要」はこれまでの経歴を簡潔にまとめたもので、「自己PR」は具体的な数字や実績を挙げて自分の強みをアピールするものです。
Q.複数社経験しています。すべての会社について職務要約・職務概要に書く必要がありますか?
A.在籍した全ての会社について書く必要はありません。
複数の企業を経験している場合は、応募する職種に近しい経験や、キャリアの長い業務を中心に記載すれば問題ありません。
同じ仕事内容がある場合には、それらをまとめて記載するのも良いでしょう。
採用担当者が、「この応募者はこういう経歴の人だね。では、細かいところは職務経歴書のその後の記載を読んでいこう」と思えるようになっていれば大丈夫です。
例えば3社で経理の経験がある場合、「合計3社で◯年間、経理として経験を積んできた」などとするといいでしょう。
Q.アルバイト経験は職務要約・職務概要から省略してもいいですか?
A.アルバイトの経験は、職務経歴書には基本的に書く必要はありません。
ただし、応募する職種と合致する場合や記載内容が薄くなるのを避けたい場合は、さらりと書いておいても悪くはないでしょう。
アルバイトとして働いた経験しかない場合は、なぜアルバイトという働き方を選んでいたのか、その経験を新たな転職・就職先にどう活かしたいかなどを書くようにすると良いでしょう。
Q.職務要約・職務概要が長くなるのはダメですか?
A.職務要約・職務概要が長くなるのはなるべく避けた方が良いでしょう。
職務要約・職務概要の役割は、あくまで職務経歴書の「要約」です。
長くなると要点が分かりにくくなり、結果として「文章作成力、論理的思考力、プレゼンテーション力が低い」と事前評価を下げられてしまうかもしれません。
職務要約部分は3~4行程度でまとめて、詳細は職務経歴書のその後の部分で伝えるようにするようにしましょう。
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