人事部社員が自身の転職を考える『人事部向けキャリアアップノウハウ』
<プロフィール>株式会社リクルート キャリアアドバイザー 緑川遼平 大学卒業後、金融機関を経てリクルートへ中途入社。キャリアアドバイザー・コンサルタントとしてとして主に20代から30代の転職者を中心に幅広く支援。キャリアチェンジや長期的な視野に立った転職活動のサポートを得意としている。 |
人事部にも「採用や労務の仕事がつらい」という人が
転職者の皆さんは応募企業の人事部の人とメールのやり取りをしたり、面接で会ったりするわけですが、当の人事部の人も実は「仕事がつらい」と思っているケースは少なくありません。もちろん面接ではそんな素振りは見せないと思いますし、採用担当が暗い企業では応募者も腰が引けますね。人事部は大きく分けて採用を担当する人と労務管理を担当する人がいます。もちろん人事制度を考える人や教育が専門の人などもいますが、ここではこの2つについて見ていきます。
採用担当者にお勧め。小規模企業なら人事業務の幅は広がる
採用担当者は「採用だけに業務が限定していること」が動機で転職をする人が多くみられます。これは非常にシンプルで、大きな企業であれば各担当の役割が縦割りで、もっとほかの仕事にいろいろ挑戦しづらいケースが多いためです。こういう方は例えば100名以下の小規模の会社やベンチャー企業であれば、人事部は少ない人数で様々なことを行っていることがあります。仕事の領域を広げたいのであれば、規模の小さい企業への転職が良いかもしれません。
労務担当者にお勧め。大規模企業なら担当者が増え、業務負荷は下がる
労務担当者に多いのが、社員数に対して担当者の人数が少なく、例えば数千人の給与計算を2人でこなすとか人事異動・発令をしなければいけないといった業務負荷を軽減したいケースです。メーカーの場合は一定の品質を維持するには適切なコストが必要という意識がありますが、営業会社などの場合は数字を生み出す部門以外は極力コストカットするという経営者が多く、スタッフ部門はとかく人手不足に陥りやすくなります。残業続きで「私たち自身のワークライフバランスはどうしてくれるの?」と辞めていくケースですね。
規模の大きな企業であれば、人事担当者が複数人おり、組織やタスク分担がなされていることが多いです。このあたりを調べてみるといいかもしれません。
人事部の転職は、経営者の考えに合うかをじっくり調べ、考えること
総じて、経営者の採用についての考え方とその人自身が考える採用のあり方が違っていることが、うまく回らない原因の1つになっているケースが少なくありません。創業期のベンチャーならば、新人をじっくり育てているような余裕はないので、自立型で自走できる人材を短いタームで獲得していく必要があります。しかし、大手の人事部出身者なら伸びしろのある人材をじっくりと育てていくという考え方が強いので、そこにギャップが生じがちです。まずは経営者の採用におけるビジョンを知り、その採用の考え方に違和感なく共感でき、自分が納得できそうな企業を選ぶことが大切です。
労務の場合は、どちらかというとメーカーのほうが労働環境としては余裕があるケースが多いですね。地方の工場などでも人事総務部が要として機能していることが多く、自身の労務管理もきちんと行っています。アウトソーシング企業を活用しているかどうかも転職先を見極める1つのポイントです。単純作業を外部に任せている場合は「多忙でつらい」という状況はすでに改善されているので、自身はより本質的な業務にシフトできるからです。年齢やスキルにもよりますが、一通り経験がある人であれば、委託先企業のマネジメントを学ぶ機会が得られ、自身のさらなるステップアップにもつながっていくと思います。
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