ユニークな働き方ができる企業に転職したいです。企業選びをする上でポイントはありますか?【転職相談室】
社員全員がフルリモート体制、上下関係の垣根がないフラットな組織、社内副業システムのある会社等、ユニークな企業と言っても取り組みは実に様々。
いくつかの事例と企業選びのポイントを組織人事コンサルティングSegurosの粟野友樹氏にお答えいただきました。
目次
ユニークな企業に転職したいです。企業選びをする上でポイントはありますか?(Yさん/27歳/女性/エンジニア職)

現在、大手のシステム開発会社でエンジニアをしています。昔ながらの融通がきかない組織で働き方に制限もあることから、Web系の会社のような自由な雰囲気に漠然と憧れを抱いています。具体的な希望条件は特に決めていませんが、地方への移住も検討しているため、フルリモートで働ける会社や副業可の会社など、ユニークな働き方ができる企業があれば転職したいと考えています。
こういった企業に転職する際の企業選びのポイントや注意点を教えてください。
一言に「ユニークな企業」と言っても多様なタイプがある

A社の例:社員全員がほぼフルリモート
新型コロナ以前の2年ほど前から99.9%の社員がフルリモートの勤務体制を実施している会社です。提供している各種アウトソーシングサービスもフルリモートで行っています。
社員の日常のやりとりはビジネスチャットツールを活用。
フルリモートで対面することのない社員間のコミュニケーションをカバーするため、誰かがチャットツールで発信したら必ず誰かがリアクションする、お互いを称え合う、学んだことはすべてオープンにしてみんなに共有する、誰でもミスをするからミスも積極的に開示するなど、いくつかのルールが決められているようです。社員の多くが女性で、地方にUターン移住された方、商社勤めのご主人の転勤で海外在住の方も複数名います。
会社の雰囲気としてはフリーランスの集団のようなイメージがあり、副業もOKです。生活拠点に軸足を置きたい方には参考になる働き方ではないでしょうか。
B社の例:フラットな関係のティール組織
決済サービスなどを提供する中小のWeb系企業です。取締役以外、全員フラットな関係性を保つ「ティール組織」であることが特徴です。
ティール組織とは、目的に向かって、組織の全メンバーがそれぞれに自己決定を行って達成していく自律的組織のこと。プロジェクトごとにチームが組織され、やりたいと手をあげた人が年次に関係なくプロジェクトマネージャーになれます。
B社はフルリモートではありませんが、個々が自分をマネジメントするため、場所、時間など、働き方にはかなりの自由度があります。自分で考えて行動に移し成果を出したいタイプの人には、このような働き方が向いているのではないでしょうか。
C社の例:業務委託で独立支援
体重計など計測器の大手メーカーC社では、社員が希望する場合に個人事業主として独立することを支援しています。
独立前に担当していた仕事がそのまま業務委託となり、追加で入った仕事は別料金での受注となります。個人事業主は社員ではないため、出退勤は自由。C社以外の仕事を請け負うことも自由です。
企業にとってはエース級だった人にそのまま仕事を頼むことができて、社員にとっては時間や副業など自由な働き方を手に入れることができるというメリットがあります。
D社の例:社内副業制度
ソーシャルアプリ等に関する事業を行うD社では、社内副業制度があります。例えば、ある部署から別の部署の正社員に業務をお願いする際に、副業として別途カウントして発注するシステムです。
社員として働きつつ、副業の収入を得ることができるため、会社にとっても個人にとっても、安心して受発注ができるメリットがあります。
ユニークな働き方に惹かれる理由を深掘りしましょう


企業選びのポイントとしては、自分の思う“ユニーク”の定義を整理して、「そこにYさんにとってのメリットはあるのか」といった観点を入れて考えることも大切です。最初におっしゃっていた地方への移住というのは、どのくらいの重要度があるのでしょうか?
いずれは親の面倒を見なければならないと思っていたのですが、コロナ禍でのリモートワークを経験したことで、通勤しないフルリモートでの働き方が現実味を帯びてきました。田舎の自然を満喫しながら、家族と暮らし、フルリモートによって正社員で働く生き方もありだと。




企業選びで大切なのは「転職軸」を決めること


自分の能力が発揮できる企業への転職を成功させるためには、「自分が何を目指すのか」「なぜそれを目指すのか」「組織にどのように貢献できるのか」といった点から転職の軸を探り、具体的に整理・言語化した上でご自身の言葉で伝えられるようにしておきましょう。
また、事例に挙げたような企業では、多くの企業のように皆がある程度同じように昇進昇格したり、教育研修があって会社が仕事の機会を与えてくれたりするわけではないため、受け身の姿勢ではなく、よりご自身で考えて行動し、一定の成果を出し続けていく力が求められるかと思います。そのため、専門性やそれなりのスキルも必要だということも覚えておきましょう。
【関連記事】
こちらの記事も読まれています
-
履歴書テンプレート・職務経歴書フォーマットの無料ダウンロード(Excel・Word・PDF)と見本
-
履歴書の書き方完全ガイド|見本・記入例・テンプレート付きで徹底解説
-
職務経歴書の書き方ナビ|見本と職種別例文サンプルで簡単作成
-
転職活動で給与明細の提出を求められたのですが、なぜでしょうか?【転職相談室】
-
同じ企業の求人に二重応募したのですが、問題ないでしょうか?【転職相談室】
-
前職での仕事ぶりを応募先企業に調査されることはありますか?【転職相談室】
-
薄給だが、職場環境が良いので転職するべきか迷う【転職相談室】
-
「気になったらとりあえず応募」でも問題ない?応募にためらう時の対処法は?【転職相談室】
新着記事
- 2025年6月24日履歴書の「学歴・職歴欄」の書き方│ケース別見本・Q&Aあり
- 2025年5月23日やりたい仕事がない。やりたい仕事の見つけ方と転職する場合の注意点
- 2025年3月27日応募書類が自動で作成できる!リクナビNEXTの「レジュメ」機能とは?
- 2025年3月14日転職活動で役立つ!無料の自己分析ツール厳選5種を紹介
- 2024年12月17日第二新卒の転職理由・退職理由|本音も交えた上手い答え方&NG例文
- 2024年12月3日盛り上がらず淡々と終わった面接は、不合格?それとも合格?
- 2024年11月29日コンサル業界の面接特徴|企業のチェック観点と答え方、準備・対策のコツ
- 2024年11月27日自分に合う「ニッチな企業」「隠れた優良企業」の探し方