転職で陥りがちな落とし穴とは?転職で失敗しないためのポイントを紹介
この記事では、転職する際にはまりがちな落とし穴と対策のポイントについて、Segurosの粟野友樹氏がアドバイスします。
「初めての転職活動で失敗したくないから、どんな落とし穴があるのかを押さえておきたい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
応募先企業を選ぶ際に陥りがちな落とし穴
まずは応募先企業を選ぶ際に陥りがちな落とし穴を3つご紹介したいと思います。
理想を追い過ぎて、選択肢が狭まる
理想とする条件がすべて揃っている会社を求めて求人を探した結果、応募先の選択肢が非常に狭くなる、さらには応募先がなくなってしまうこともあります。せっかくのチャンスを逃してしまっているかもしれません。
トレンドワードに踊らされる
世間で話題となっているワードで求人を探したり、メディアに取り上げられている企業にアプローチしたりと、「流行りもの」に目を奪われがちな人もいます。最近で言えば、「AI」「IoT」「DX(デジタルトランスフォーメーション)」など。
もちろん社会動向を踏まえてキャリア構築を考えるのも重要ですが、「自身の経験・スキルとマッチするかどうか」の視点が抜けていると、いい縁にはつながりません。
応募数が適切でない
「応募企業を厳選しすぎて応募数が1社、2社だけと少ない」という場合や、「書類選考や面接の結果が出るまで、1社ずつしか応募しない」、逆に「一度に多くの企業に応募しすぎてしまい、面接の準備や面接日程の調整に困る」というケースも、応募先企業を選ぶ際に陥りがちな落とし穴です。
<応募先企業選びで失敗しないためのポイント>
条件を絞りすぎないことと、条件に優先順位をつけることが大切です。企業の知名度やブランド、あるいは社会トレンドなどに流されず、「自分にとってどうか」――これまでの経験・スキルを活かせるか、得たいスキルを身に付けられるか、といった視点で見極めてください。
また「何社くらい内定を得て、比較検討の上で選択すれば自分は納得できるのか」を考え、どの程度の数の求人に応募するかを考えることをおすすめします。もちろん、応募先企業についてしっかり研究し、疑問点を面接で確認することも必要です。
面接時に陥りがちな落とし穴
次に面接時に陥りがちな落とし穴を5つご紹介したいと思います。
「会話に慣れているから」などと準備をせずに臨む
例えば、営業職の方が「自分は仕事で人との対話には慣れていないから」と特に準備をせずに面接に臨んだ結果、質疑応答でしどろもどろになってしまう人は少なくありません。自身の経験・スキル、今後のキャリアへの考え方など、ある程度整理しておかないと、うまく説明できず、相手に伝わらないものです。
面接で話す内容を丸暗記する
「これとこれを話そう」と、事前にシナリオを作り、それを丸暗記する人もいます。しかし、話の道筋がそれたり、想定外の質問をされたりすると、頭が真っ白になり、コミュニケーションがぎくしゃくしてしまうこともあります。
相手企業と自分の「接点」を意識していない
「自分にはこんな強みがあります」と一方的な自己アピールをして、相手企業との「接点」を無視してしまうケースがあります。どんなに自信がある経験・スキルでも、相手企業がそれを求めていなければ、アピールに効果はありません。
同様に、「自分はこれをやりたいです」「将来はこれを目指しています」と希望を伝えても、相手企業にそれを実現できるキャリアパスや環境がなければ、「うちの会社をわかっていない」と思われてしまいます。
経験や実績に紐づかない話をする
例えば、プロジェクトの一部をサポートしただけなのに「○○プロジェクトを手がけました」と、経験や実績を盛ってアピールする人もいます。しかし、具体的に突っ込まれると答えられず、信頼を失ってしまいます。
また、話題のキーワードを取り上げようと「DXに貢献したい」といったことを話す方もいます。流行だからとこれまでの実績や経験に紐づかない内容を盛り込んだり、自分の言葉で説明できていなかったりすると、面接官からマイナス印象を抱かれます。
不採用になり、必要以上に落ち込む
不採用になると、想定以上にショックを受けるかもしれません。「自分はダメなんだ」と自信をなくし、臆病になって次のアクションを起こせなくなるケースもあります。
<面接で失敗しないためのポイント>
自分がアピールしたいことだけを伝えるのではなく、相手企業を研究して、「どんな人材を求めているのか」をつかみましょう。そして、自分の経験・スキルの中で、相手企業が求めているもの、相手企業で活かせるものに注目し、それを重点的にアピールすることをおすすめします。面接の準備をする際は、本当に伝えるべきことだけを頭にとどめ、一言一句暗記するといったことは避けましょう。
面接は、企業から一方的に評価されるテストではなく、「相互理解」の場です。自分の希望と、相手が求めているものをすり合わせ、確認するつもりで臨むといいでしょう。
そして、不採用になったとしても、必要以上に落ち込まないでください。不採用になる理由は、「優秀ではないから」ではなく「合わないから」です。求人の背景や他の応募者と比較した上での判断であり、その人を否定しているわけではありません。
面接対策が十分にできていたかどうか、反省すべき点がつかめているのであれば、自信をなくす必要はありません。自分に合う企業を探していきましょう。
転職先を決める際に陥りがちな落とし穴
転職先を決める際にも落とし穴は潜んでいます。ここでは3つご紹介したいと思います。
現職以外であればどこでもいいと勢いで選んでしまう
日頃の不平不満が募ってきたところへ、上司や同僚と揉めた……など、一時的な感情で退職を決めてしまうケースがあります。この場合、「不満の解消」だけで退職してしまったため、中長期的なキャリアを考えずに転職活動を始めてしまい、現職以外であればどこでもいいと、勢いで転職先を選んでしまいがちです。
一部の魅力に惹かれて入社を決意
「年収が高い」「経営者が尊敬できる人物」など、一部の事柄に魅力を感じて入社を決めた結果、他の部分で不満を感じてしまうこともあります。
最初の「内定」がうれしくて、即決断
応募しても不採用が続く中、内定を得るとうれしくて舞い上がってしまい、最初の内定企業に転職しようとする人も。「他の候補企業」や「勤務中の会社」と十分に比較検討しないまま入社を決めてしまうことは、キャリアの選択肢を狭めていると言えるでしょう。
<転職先選びで失敗しないためのポイント>
転職先を選ぶ際は、目先の条件だけで判断せず、中長期的にメリット・デメリットを検討することが大切です。応募先の魅力的な部分に目を奪われがちですが、今の会社で得ているメリットを失う可能性もあることを理解しておいてください。今の会社も含め、複数の企業を総合的に比較検討した上で、最適な選択ができるようにしたいものです。
転職とは、自分が目指したいキャリアを描いた上で、現状の課題解決・目標達成のためにとる選択肢の一つです。「現状から逃げる」ことが目的になってしまっていないか、冷静に見つめ直してみてください。
「今の会社でまだまだできることはないか」、あるいは、「会社を辞めずに、副業などの形で求めるものを手に入れられないか」といったことも考えてみるといいでしょう。
退職する際に陥りがちな落とし穴
最後に退職する際に陥りがちな落とし穴を3つご紹介したいと思います。
「退職」を最初に告げる相手を間違える
退職の意思表示を最初にする相手は「直属の上司」です。直属の上司に伝えていない状況で、先輩や同僚、さらに上の上長、人事担当者などに「退職する」と告げてしまうと、上司との関係が悪化する可能性も。そうなると、退職交渉や引き継ぎもうまく進みません。
退職交渉の際、不満をぶつけて、険悪なムードに
上司に退職意思を伝える際に不満をぶつけ、お互いに感情的になってしまうこともあります。すると、退職交渉や引き継ぎがスムーズに運ばないばかりか、退職まで居心地の悪い思いをすることになりかねません。
引継ぎに時間がかかり、なかなか退職できない
後任者の選定や採用、業務の引継ぎに要する時間の見積もりを誤ると、引継ぎが進まず、予定通りに退職することが難しくなるケースもあります。有給休暇を消化できず、最悪の場合、転職先への入社が遅れてしまう事態にもなり得ます。
<円満退職で失敗しないためのポイント>
まず、「内定」が転職活動のゴールだと思わないこと。退職交渉、引継ぎ完了までが転職活動と考えてください。「この時期(繁忙期やプロジェクトの途中など)に退職して、迷惑がかからないか」「引継ぎにどれくらいの期間を要するか」など、あらかじめ想定し、活動スケジュールを立てましょう。
退職にあたっては、上司や同僚に対する配慮も必要です。感情的になって人間関係が険悪になると、退職交渉や引き継ぎがスムーズに進みません。あくまで冷静に、退職までの手続きを話し合ってください。
なお、転職先の企業名は、退職交渉の際に聞かれても開示しないほうが退職交渉もスムーズに進むでしょう。特に競合他社に転職する場合、強く引き留められたり、とがめられたりする恐れもあります。
まとめ
転職は日常的に行うことではないため、初めて転職活動をするという方は、慣れるまでに時間がかかることがあり、ポイントをつかむことも容易ではありません。だからこそ、落とし穴にはまらないための「情報収集」や「準備」が大切です。思い込みで突き進まず、転職のプロが発信するアドバイスやさまざまな人の体験談も参考にしてみてください。
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