転職が多い人に特徴はありますか？【転職相談室】

転職が多い人に特徴や共通点はあるのでしょうか？今回は、友人から転職回数を指摘され、気になっている方のご相談に、組織人事コンサルティングSegurosの粟野氏がお答えします。

アドバイザー 粟野友樹

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

プロフィール詳細

転職が多い人に特徴はありますか？（Tさん／Webディレクター／28歳）

相談者

＜相談内容＞
20代で3回目の転職をしようとしたら、友人から「また転職するの？」と言われました。1社目はWeb制作のアシスタントとして入社し基礎スキルを身に着け、アウトプットの幅を広げるために2社目に転職。3回目の転職では、フロントエンドのスキルを高めることができる環境に挑戦したいと思っています。自分なりの考えがあって転職を決意したのですが、友人の言葉をきっかけに、「自分は転職を繰り返すタイプなのかもしれない」と考えるようになりました。

転職が多い人に特徴はありますか？ また、企業は何回目くらいから「転職が多い」と判断するのでしょうか。もう少し、転職時期を見計らった方がいいのか迷っています。

転職が多い人は「チャレンジ精神」「順応性」に長ける傾向が

状況によって異なりますが、一般的な転職のデメリットは「環境を変えることで機会損失の可能性がある」「回数が多いと書類選考で不利になりやすい」という点。その一方で、転職のメリットは「多様な経験・スキルを磨くことができる」「様々な企業・業界の人脈が持てる」という点が挙げられます。

何度か転職を経験しているということは、デメリットを恐れずに、または覚悟して行動を起こすことができるだけの「チャレンジ精神が旺盛」という特徴があると言えそうです。また、環境の変化に何度も対応することができるので、「順応性が高い」「応用力がある」という力も持っているのでは。また、転職によって「新しい経験・スキルを磨きたい」という人の中には、「新しいものが好き」という傾向もありそうです。

ただし、これらの長所を言い換えると、「感情的に決断しやすい」「中長期の視点に欠ける」、「飽きっぽい」というマイナスの側面があるとも言えるでしょう。

いずれにしても、日系企業の場合は特に、雇用の慣習上から転職回数を気にする傾向にあります。例えば「人間関係に不満があった」「もっと評価される環境で働きたい」など、ネガティブな理由から何度も転職を繰り返している場合は、「また不満から辞めてしまうのでは」と企業に判断される可能性があります。ですが、転職を繰り返すことによってデメリットが発生することを認識し、ご自身が明確な目的をお持ちであれば転職を諦める必要はないでしょう。

転職回数に対する企業の印象は？

人事担当者へのアンケート調査※によると、転職回数に対する企業の印象は、転職回数1～2回までは10％が「気にする」と回答。3回目からぐっと回答が集中し、40％が気にするようになります。4～5回から気にするようになる採用担当者が28％。そして「気にならない」と回答した採用担当者は全体の約15％という結果になっています。

ただし実際の採用実績では、4回以上の転職経験者を63％が「採用したことがある」と回答しており、状況にもよりますが、選考通過には応募書類の書き方や面接での伝え方が重要なポイントと言えそうです。

企業には、前向きな転職理由と一貫性を伝えよう

相談者様は、これまで一貫して「Web制作に関わるスキル」を高めるために転職されています。転職回数が気になる場合は、職務経歴書の経歴欄や自己PR欄を活用して、これまでの転職に一貫性があることや、前向きな転職理由であることを補足しておくといいでしょう。

また、「スキルが身に着いたらまた転職してしまうのでは？」と不安に思われる可能性もあります。志望動機欄では「応募企業を選んだ理由」や「活かせる経験・スキル」、「入社後に実現したいこと」もしっかりと考えて記載しておくことが重要です。

※「リクナビNEXT　採用実態調査」　実施期間：2017年5月23日～5月26日　調査機関：楽天リサーチ　調査対象：直近一年間に正社員の中途採用に携わった従業員50名以上の企業の採用担当者300名