経理の自己PRの書き方と例文|月次決算・業務改善のアピール方法

この記事でわかること
- 経理の自己PRでアピールしやすい強みの切り口がわかる
- 月次決算や日次処理の経験から、自己PRで伝える内容を具体的に整理できる
- 職種・経験別の自己PR例文と書き方のポイントを参考にできる
経理の自己PRでは、仕訳入力や経費精算、月次決算、社内外の関係者との確認・調整など、担当してきた業務の中でどのような工夫や改善を行ったのかを具体的に示しましょう。そうすることで、採用担当者が入社後の活躍をイメージしやすくなります。本記事では、評価されやすいスキルと、職種・経験別の例文を解説します。
組織人事コンサルティング 株式会社YAGAI 代表取締役CEO
目次
経理の自己PRで伝えたい経験・スキル
経理の自己PRでは、担当してきた業務範囲に加え、正確な処理や期日管理のためにどのような確認・工夫を行ってきたのかを具体的に示しましょう。経理経験を整理する切り口として、以下の4つ「日次処理の正確性」「月次決算・期日管理」「社内外の関係者との確認・調整」「業務改善」があります。自身の担当業務に近いものから強みを整理しましょう。
正確な仕訳・証憑管理とミス防止力
経理は、証憑・勘定科目・税区分を社内ルールに沿って確認する力が不可欠です。「ミスが少ない」と述べるだけでなく、証憑と仕訳内容の突合や残高確認など、正確に処理するために行っている確認方法を具体的に示しましょう。どんな確認を習慣にしていたかを示すことで、入社後も同じ品質を保てる実務力が採用担当者に伝わります。
関係する日常業務には、以下のようなものがあります。
- 請求書・領収書と仕訳内容の突合
- 勘定科目・税区分について、社内ルールや過去処理を確認しながら適切に処理
- 仕訳ミスの再発防止チェックリスト運用
- 月次前の残高確認と差異の洗い出し
月次決算のスケジュール管理・締め対応力
月次決算を担当している場合は、自身の処理スケジュールに加え、必要に応じて関係部署からのデータ提出状況を確認・調整した経験も自己PRの材料になります。締め日程を管理し、必要なデータや資料について関係者へ期限を案内・確認した経験があれば、具体的に示しましょう。
関係する日常業務には、以下のようなものがあります。
- 月次締めカレンダーの作成と進捗管理
- 売掛・買掛・経費データの提出期限案内と未提出時の確認
- 試算表の作成期限管理と、関係部署への早期提出依頼
- 月次締め後の資料をもとにした、四半期・年次決算への引き継ぎスケジュール調整
社内外の関係者との確認・調整コミュニケーション力
他部署や監査法人・税理士などの関係者への経費精算ルールの周知や計上内容の確認は、経理ならではの調整経験です。自己PRでは、どの部署・どの相手と何を確認・調整し、必要な情報や書類をどのようにそろえたのかを具体的に示しましょう。
関係する日常業務には、以下のようなものがあります。
- 経費精算ルールの周知と差し戻し理由の明示
- 請求・計上内容に不足がある場合の確認と修正依頼
- 部門別の数字確認ミーティングへの参加
- 監査・税理士対応に向けた資料の事前整理
経理業務全体の効率化・仕組み化力
毎月繰り返す処理だからこそ、テンプレート整備や確認手順の標準化が実績として積み上がります。大規模なシステム刷新でなくても、テンプレートの見直しや手作業の削減など、自身が担当した業務改善の経験があれば具体的に示しましょう。
関係する日常業務には、以下のようなものがあります。
- 経費精算の入力テンプレート整備
- よくある仕訳パターンの一覧化
- 承認フローの課題整理や見直し提案
- 手作業集計の自動化・集計表の共通化
- 会計ソフトやExcel関数を使った入力・集計作業の効率化
自己PRは「強み→エピソード→成果→入社後の活かし方」の順で書く
| 強み | 私の強みは、日次仕訳と証憑確認を社内ルールに沿って進める正確性です |
|---|---|
| エピソード | 仕訳ミスの再発防止チェックリストを整備し、確認漏れが出やすい箇所を事前にリスト化して周知しました |
| 成果 | 差し戻し件数が月平均3件から0件に改善しました |
| 入社後の活かし方 | これまでの仕訳・証憑確認の経験を活かし、正確な日次処理や月次決算業務に取り組みたいと考えています |
自己PRは、冒頭で強みをまとめ、エピソードとその成果で裏付け、最後に入社後の活かし方で締めます。
エピソードは、「証憑チェックの手順を見直して手戻りを減らした」「経費精算の差し戻し理由を明確化した」など、入社後に活かせる強みで十分です。
締めは「貢献したい」だけに偏らず、どんな経理業務を担えるかを添えましょう。
経理の自己PR例文とポイント【職場・役職別/未経験】
担当する職場環境やキャリアの段階、経理の実務経験の有無によって、アピールすべき強みの切り口が変わります。自身の経験に近いものを参考に、応募先の業務内容に合わせて作成してみましょう。
事業会社の経理の自己PR例文とポイント
事業会社の経理では、企業規模や分業体制によって担当範囲が異なります。日次仕訳、債権債務管理、月次決算など、自身が担当した範囲を具体的に示しましょう。正確に処理した事実だけでなく、月次決算の期日管理や、締め作業を円滑に進めるために行った工夫、関係部署と調整した経験などまで書くと伝わりやすくなります。
事業会社の経理でアピールしやすい経験には、以下のようなものがあります。
- 日次仕訳・売掛買掛管理と月次締めの主担当
- 締めカレンダー整備と提出遅延の早期フォロー
- 手戻り削減のためのチェック手順の見直し
| 私の強みは、月次決算の日程管理と仕訳・残高確認を徹底する実行力です。メーカーの経理部では約4年、日次仕訳から月次締めまでを主担当として担ってきました。業務では締めカレンダーを整え、各部門へのデータ提出依頼を前倒しした結果、月次締めの業務を従来の5営業日から3営業日へ短縮しました。また、仕訳入力時のチェック手順を見直して確認項目を明確化したことで、仕訳の差し戻しも月平均で約3件から1件未満に減らし、試算表の早期共有につなげた実績があります。貴社でも、正確な数値管理と締め業務の安定運用に取り組んでいきたいと考えています。 |
- カレンダー整備・前倒しで「5営業日→3営業日」を実現したと、行動と結果をセットで示している
- チェック手順の見直しで「差し戻し3件→1件未満」を実現したと、行動と結果をセットで示している
- 月次決算の効率化や正確性向上の経験を、応募先でもどのように活かしたいかまで示している
会計事務所スタッフの自己PR例文とポイント
会計事務所スタッフの自己PRでは、複数の顧問先の数字を並行して扱うため、優先順位と確認の丁寧さが問われます。顧問先とのやりとりで、何をどう整え、どんな成果につなげたのかを整理してみましょう。
会計事務所スタッフでアピールしやすい経験には、以下のようなものがあります。
- 顧問先への月次訪問・資料回収・入力・確認
- 申告準備の進捗管理と期日フォロー
- 顧問先からの問い合わせ対応と説明の工夫
| 私の強みは、複数の顧問先の資料回収・入力・確認の進捗を管理してきた実行力です。会計事務所では約3年、中小企業の顧問先10社前後の月次・申告補助を担当してきました。業務では証憑の不足が多い顧問先に提出チェックリストを共有する施策を行い、追加依頼の回数を月あたり平均2回から0回へ削減させました。これにより月次資料の到着遅延も減り、担当チーム全体の申告準備がスムーズになりました。貴社でも、正確な処理と進捗管理の仕組みづくりで、顧問先や社内での信頼構築に貢献します。 |
- 「追加依頼の回数を月あたり平均2回から0回へ」と、改善幅を数字で示している
- 提出チェックリストの共有という、相手が対応できる仕組みづくりまで書いている
- 会計事務所での進捗管理や顧問先対応の経験を、応募先での信頼構築や正確な業務遂行にどう活かしたいかまで示している
経理リーダー・主任の例文とポイント
経理リーダー・主任の自己PRでは、自身の処理経験に加え、後輩育成や業務標準化でチーム全体の品質を高めた経験が評価されやすいポイントです。スタッフとしての実務を軸に、チームの改善に取り組んだプロセスを整理すると書きやすくなります。
経理リーダー・主任でアピールしやすい経験には、以下のようなものがあります。
- 新人・後輩スタッフへのOJTと仕訳確認の指導
- 月次業務の手順書作成とチーム内での展開
- 繁忙期の業務配分と優先順位のメンバーへの共有
| 私の強みは、経理実務の経験をもとに、後輩が業務を理解しやすいよう指導方法や業務手順を整理できることです。メーカーの経理部門で約6年、日次仕訳から月次締めを担当し、主任昇格後は後輩2名の指導も担当しました。各業務の手順書が十分に整備されていなかったため、仕訳チェックフローや月次締めの手順を文書化し、OJTでも活用した結果、新人の一人立ちまでの期間を従来の3カ月から1.5カ月へ短縮しました。貴社でも、これまでの経理実務と後輩指導の経験を活かし、チーム内で円滑に業務を進められるよう取り組みたいと考えています。 |
- 経理実務に加え、主任として後輩指導や業務手順の整理を担った経験を具体的に示している
- 「新人の一人立ち期間を3カ月→1.5カ月へ短縮」と、育成効果を数字で示している
- 後輩育成や業務標準化の経験を、応募先での経理チームの安定運営にどう活かしたいかまで示している
未経験から経理を目指す場合の自己PR例文とポイント
未経験から経理への転職では、経理実務の経験がなくても、数字を扱う実務経験やコミュニケーション経験、資格取得への取り組みを具体的に示すことで、入社後の適性を伝えられます。
未経験者がアピールしやすい経験には、以下のようなものがあります。
- 前職での数字管理・在庫管理・請求処理などの経験
- 日商簿記2級など、学習を進めている(または取得済みの)資格
- 他部署や顧客対応で培った確認・調整の経験
| 私の強みは、数字を扱う業務での正確性と、確認を徹底する姿勢です。前職の在庫管理では、月間約2,000件のデータ入力を担当し、入力ミスをダブルチェックの仕組みで防ぐ工夫を行い、1年間大きな入力ミスなく業務を続けました。経理の仕事に関心を持ってからは独学で日商簿記2級を取得し、仕訳や決算の基礎知識を学んでいます。貴社では、これまでの正確な業務遂行の経験と簿記の知識を活かし、早期に経理業務を担えるよう取り組みたいと考えています。 |
- 経理実務の経験がなくても、「正確性」や「ダブルチェックの工夫」など経理業務に転用できる経験を具体的に示している
- 日商簿記2級の取得(または学習中であること)を、適性の裏付けとして添えている未経験であることを前提に、入社後にどう早期に貢献できるかまで示している
まとめ
経理の自己PRは、仕訳の正確性・スケジュール管理・社内外の関係者との調整やコミュニケーション・業務の効率化や仕組み化の4つの切り口で整理し、「強み→エピソード→成果→入社後の活かし方」の順で書くと伝わりやすくなります。大規模なシステム刷新などの実績がなくても、正確な処理のための確認方法や、月次決算を円滑に進める工夫、経費精算などの業務改善経験は自己PRの材料になります。
その他の職種の例文は「自己PRの書き方ガイド」から見ることができます。
組織人事コンサルティング 株式会社YAGAI 代表取締役CEO
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、転職支援や企業の採用支援、人材育成・組織開発など幅広く人事領域のコンサルティング業務に従事している。


