総務の志望動機で説得力を出す書き方|例文と採用担当者が見るポイントを解説

この記事でわかること
- 総務の志望動機は、応募先の業務と自分の経験との接点を示すことが重要
- 採用担当者が評価する総務のスキルと、志望動機への落とし込み方がわかる
- 経験者向け例文3つ・未経験者向け例文2つのアピールのポイントがわかる
総務は担当範囲が企業によって異なるため、「何をアピールすべきかわからない」と感じている人もいるでしょう。この記事では、総務で評価されやすいスキルや志望動機の組み立て方、経験者・未経験者向けの例文を紹介します。まずは、応募先の求人情報と自身の経験を照らし合わせながら読み進めてください。
組織人事コンサルティング 株式会社YAGAI 代表取締役CEO
目次
総務の志望動機を書く前に確認しておきたいこと
総務は、企業が円滑に運営されるための基盤を幅広く担う職種です。備品・施設の管理、社内規程の整備・更新、来客・電話対応、社内イベントの企画運営などを担います。企業によっては、人事・労務関連の手続きや経理補助などを兼務する場合もあります。
一方で、担当範囲は企業の規模・業種・組織体制によって違います。人事・労務・法務などを別部門が担当する企業もあれば、総務が複数の管理業務を兼務する企業もあります。企業規模だけで判断せず、求人情報で担当範囲を確認しましょう。
志望動機を書く前に、応募先の求人票で以下を確認しておきましょう。
- 施設・備品管理、庶務、人事・労務補助、規程・文書管理など、どの業務を担当するか
- 応募先が求める経験と、自身がこれまで担当してきた業務との接点
- 未経験の業務がある場合、これまでの経験のうち活かせる点と、入社後に身につける必要がある知識・業務は何か
採用担当者が評価する総務のスキル・適性
志望動機の説得力を高めるには、採用担当者が何を評価しているかを事前に把握しておくことが重要です。総務で活かしやすいスキルには、以下のような4つがあります。重視される経験は担当業務によって異なるため、応募先に合わせて整理しましょう。
正確な事務処理力
書類作成や社内規程・契約書類などの管理、各種申請など、正確さが求められる業務を担当することがあります。正確さだけでなく、複数の業務を漏れなく、期日を意識して進める管理力も求められます。
マルチタスク対応力
総務では、複数の部署からの依頼や定例業務を並行して進める場面があります。緊急度や期限を確認し、必要に応じて関係者と相談しながら優先順位を判断する力が必要です。依頼が重なる時期でも、進行中の業務の状況を把握しながらタスクを整理し、どれから着手するかを自分で組み立てられることが重要です。
先回りするコミュニケーション・調整力
他部署や外部業者など、社内外の関係者と連絡・調整する場面が多い職種です。必要な情報やスケジュールを早めに確認し、関係者と共有・調整しながら業務を進める力が求められます。
業務フローの整備・改善力
既存の業務手順を整理し、無駄や非効率な部分を見直して改善につなげる力も強みになります。手順を見直す際は、特定の担当者しか対応できない状態(属人化)になっていないかを確認し、誰が担当しても同じ品質で進められる状態に整えることがポイントです。経験者の場合は、担当業務だけでなく、業務手順の見直しや改善に関わった経験があれば具体的に示すと強みが伝わります。
総務の志望動機の書き方|4つの要素で組み立てる
志望動機を作成する際は、事前に関連要素を整理してから組み立てると説得力が高まります。次の4つの要素を
- 転職理由・目指したいこと
- 志望企業を選んだ理由
- 経験(課題と結果)
- 今後活かしたい・広げたい業務
の順にまとめると、採用担当者に伝わる自然な流れの構成になります。
転職理由・目指したいことを整理する
「なぜ転職するのか」と「総務としてどうなりたいか」を分けて整理しましょう。「今の環境を変えたい」は転職の引き金にはなりますが、それだけでは志望動機の軸になりません。これまでの経験をどの総務業務に活かしたいのか、今後どの業務まで担当範囲を広げたいのかを具体化することが出発点です。
なぜその企業を選んだかを明確にする
「総務の仕事がしたい」は志望動機ではなく、職種への関心です。同じ総務職の求人が複数ある中でその会社を選んだ理由を1〜2文で用意しましょう。企業の事業内容や組織規模、成長フェーズ、総務の担当範囲や募集背景など、求人情報や採用情報から確認できる内容をもとに理由を整理しましょう。
経験を「課題と結果」の形でまとめる
担当業務や担当範囲を示した上で、その中で工夫・改善したことまで伝えると、仕事の進め方や強みが具体的に伝わります。「どのような課題があり、どのように対応・工夫し、どのような結果につながったか」の流れで整理すると、採用担当者が具体的なイメージを持てる内容になります。対応件数や削減時間、対象人数など、業務内容に合う数字を示せる場合は添えると、担当範囲や成果が伝わりやすくなります。
経験を活かせる業務と今後広げたい業務を分けて伝える
総務の担当範囲は会社によって異なります。自分の経験と応募先の業務を照らし合わせ、「これまでの経験を活かしやすい業務」と「今後経験を広げたい業務」に分けて整理しましょう。このように整理することで、応募先との接点や入社後に取り組みたいことが具体的になります。
総務の志望動機のNG例と対策
総務の志望動機では、以下のような内容だと採用担当者に「志望動機として説得力に欠ける」と受け取られる可能性があります。自己評価のみで具体性がない場合や、応募先との接点が示されていない場合は「内容が薄い」と、待遇・条件面のみが理由になっている場合は「本気度が低い」と判断されるおそれがあるため、それぞれ注意が必要です。
| 「几帳面です」「責任感があります」「人を支えることが得意です」など、自己評価のみで、裏付けとなる経験が書かれていない |
💡対策
上で紹介したスキルを参考に自分の経験で裏付ける一文をセットで書くようにしましょう。
| 応募先の担当業務を確認せず「総務として幅広く活躍したい」「バックオフィスから会社を支えたい」のみで終わっている |
💡対策
総務は担当範囲が企業によって異なるため、応募先の業務内容と自分の経験が重なる箇所を1つ以上記載しましょう。
| 「残業が少ない環境で長く働きたい」「安定した会社に転職したい」など、転職理由が待遇・条件面のみになっている |
💡対策
入社後に何をしたいかが見えず、条件目的の転職と判断されます。待遇や勤務条件が応募のきっかけであっても、志望動機では担当したい業務や、これまでの経験をどう活かしたいかを中心にまとめましょう。
総務の志望動機例文
総務の志望動機の例文として、経験者向け3つと未経験者向け2つを紹介します。自身の経験や応募先の特徴に合わせて書き換えてください。
【経験者】正確な事務処理力を活かして転職する
| 貴社が全国に拠点を拡大されているタイミングで、社内規程やルールの整備を通じて組織基盤を支えたいと考え、志望いたしました。現職では従業員120名規模の企業で総務を3年間担当し、契約書類や社内規程の管理、備品発注、経費精算のチェックを行っています。規程の改定時には、関連部署への確認や改定内容の照合を行い、最新版を正確に管理できる運用を徹底してきました。貴社では拠点拡大に伴う規程整備や契約書類管理の体制構築に貢献し、正確性を保ちながら幅広い業務に対応できる総務として役割を広げていきたいと考えております。 |
総務経験を活かした志望動機と、規程改定時に行ってきた確認・管理の具体的な取り組みを示し、応募先の業務との接点を伝えています。
【経験者】マルチタスク対応力とコミュニケーション・調整力を活かして転職する
| 貴社が拠点拡大に伴う連携強化を進める姿勢に魅力を感じ、志望しました。現職では80名規模の総務として4年間、施設管理や社内イベント等の複数業務を担当しました。各部署からの依頼が重なった際は、優先度や影響範囲を見極め、関係者と進捗共有を図りながら着実に推進してきました。この経験を活かし、貴社でも円滑な情報共有とスケジュール管理で貢献いたします。 |
複数業務を並行して担当した経験と、依頼の優先順位を判断して着手順を組み立てる仕事の進め方、関係者への事前確認・共有といった仕事の進め方を示し、応募先でも活かせるマルチタスク対応力、コミュニケーション・調整力につなげています。
【経験者】業務フローの整備・改善力を活かして転職する
| 属人化していた業務手順を標準化してきた経験を活かし、貴社の総務体制強化に貢献したく志望いたしました。現職では150名規模の総務を5年間担当し、経費精算や備品発注のフローを統一・マニュアル化しました。その結果、新任者への引き継ぎ時間を従来の半分に短縮できました。拠点拡大に伴い総務業務の標準化を進める貴社において、この業務改善の経験を活かし、円滑で効率的な総務体制の構築に取り組みたいと考えております。 |
業務手順を整理・標準化した経験と、その結果を具体的に示し、応募先が進める総務業務の標準化との接点を伝えています。
【総務未経験・事務職】正確な事務処理力を活かして転職する
| 正確な事務処理力と書類管理の経験を活かし、貴社の総務として貢献したく志望いたしました。現職では50名規模の企業で一般事務を3年間担当し、契約書類の作成・管理や備品発注等を行ってきました。書類作成時は自作のチェックリストを活用するなど、ミスを防ぐ仕組みづくりを徹底しています。これまでの経験で培った正確な事務処理と社内対応力を活かし、幅広い総務業務に挑戦しながら貴社に貢献したいと考えております。 |
一般事務で培った正確な書類対応の経験を示し、その強みを活かしながら総務として業務の幅を広げたいという意欲につなげています。
【総務未経験・接客販売】コミュニケーション・調整力を活かして転職する
| 接客で培った対応力と、他拠点との連携で磨いた調整力を活かし、貴社の総務として貢献したく志望いたしました。現職ではアパレル店舗で3年間、販売に加え本部や他店舗との連絡・調整を担当しています。販促施策等の依頼時は、内容や期限を正確に把握し、店舗内外へスムーズな情報共有と進捗管理を行ってきました。この経験を活かし、拠点間連携を担う貴社総務において、各部署や拠点の円滑な業務推進を支えてまいりたいと考えております。 |
接客で培った状況に応じた対応力に加え、本部や他店舗と期限・必要事項を確認しながら業務を進めた経験を示し、総務での部署・拠点間の連絡調整に活かせる強みとして伝えています。
総務への転職でよくある質問
事務職から総務へ転職するのは可能ですか?
事務職から総務への転職は可能です。書類作成や備品管理、来客対応など、一般事務の経験の中には総務業務と共通するものがあります。重要なのは「事務ができます」ではなく、応募先の総務が担当する業務の中で自分の経験がどこと接点を持つかを明示することです。求人票で担当範囲を確認し、重なる業務を志望動機の中で具体的に示しましょう。
転職理由がネガティブな場合、志望動機にどう書けばよいですか?
「職場環境を変えたい」「給与を上げたい」という転職理由は志望動機には書かず、前向きな表現に言い換えるようにしましょう。たとえば「人間関係に疲れた」は「チームで一丸となって目標に挑む環境で働きたい」に、「給与が低い」は「より大きな役割や責任のある業務を担い、それに見合った成果を上げていきたい」に置き換えられます。転職理由と志望動機は関連しますが、同じ内容ではありません。転職理由は退職・転職を考えた背景として整理し、志望動機では応募先を選んだ理由や今後取り組みたい業務を具体的に伝えましょう。
総務の志望動機で避けた方がよい内容はありますか?
主に3つあります。
- 根拠のない自己評価のみになっている
- 応募先の担当業務と自分の経験の接点が書かれていない
- 条件面が主目的に見える
のいずれかに当てはまる志望動機は応募先との接点が伝わりにくくなる可能性があります。それぞれの具体的な対策は、この記事の「総務の志望動機のNG例と対策」で解説しています。
まとめ
総務の志望動機では、書き方のテクニックよりも、応募先で求められる業務を事前に確認することが重要です。求人情報を確認し、自身の経験を活かせる業務と、今後経験を広げたい業務を整理しましょう。
総務と関連する職種の記事もあわせて確認し、自身の経験や志向に合った志望動機づくりに役立ててください。
志望動機の基本的な書き方や、総務以外の職種の例文を見たい場合は、志望動機・志望理由の書き方を確認してください。
組織人事コンサルティング 株式会社YAGAI 代表取締役CEO
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、転職支援や企業の採用支援、人材育成・組織開発など幅広く人事領域のコンサルティング業務に従事している。





