転職活動にかかる年代別の平均期間、働きながら・辞めてから転職活動を進めるポイント

転職活動を始める際は、平均期間や一般的な転職の流れを知っておくと、転職活動の見通しが立てやすくなります。転職活動の平均期間や転職の流れに加え、「働きながら」「退職してから」といった転職活動を始めるタイミングや、転職活動をスムーズに進めるポイントも解説します。
国家資格 キャリアコンサルタント,組織人事コンサルティングSeguros 代表
目次
転職活動期間の平均はどのくらい?
転職活動にかける目安は「3カ月から6カ月程度」が一般的です。転職準備~書類作成で約2週間、求人応募~面接で約2カ月、内定・退職で約1カ月半が各ステップの目安になりますが、希望条件や年代によって転職活動の期間は変わります。

なお、厚生労働省が行った「令和2年転職者実態調査」によると(※)、正社員では転職活動を始めてから現職(前職)を辞めるまでの期間は、「1カ月以上3カ月未満」が最も多く30.3%、次いで「転職活動期間なし」の21.5%という結果になっています。

表19 性・年齢階級・現在の勤め先の就業形態、転職活動を始めてから直前の勤め先を離職するまでの期間階級別転職者割合
【年代別】転職活動にかかる平均期間
転職活動にかかる期間は、希望条件や応募する業界・職種、転職活動に割ける時間によって大きく異なりますが、年代別の傾向もあります。前述した厚生労働省のデータを用いながら、年代別の転職活動期間の傾向を解説します。

20代の転職活動期間
20代のうち、20~24歳では「1カ月以上3カ月未満」と回答した人が20~40代のうち最も多く、37.4%に及びました。また、「転職活動期間なし」と回答した人も25.1%と20~40代の中では最も多いという結果になっています。社会人経験が少ない20代前半は、ポテンシャル採用が中心となるため、経験よりも将来性や意欲が重視され、選考がスムーズに進みやすい傾向があります。
一方で、20代後半になると即戦力を求められるケースも増えるため、未経験職種へのキャリアチェンジを希望する場合は、転職活動に時間がかかる場合もあります。特に人気職種や専門性の高い分野では、準備期間を含めて余裕を持ったスケジュールを立てることが重要になるでしょう。
30代の転職活動期間
30代のうち、30~34歳では3カ月未満の人がグッと減り、35.2%の人が3カ月以上を転職活動に要しています。即戦力としての活躍が期待されるため、これまでの経験や実績が選考結果に影響するという傾向があります。
30代では、即戦力となる経験・スキルに加えて、リーダー・マネジメント経験を求められるケースも増えます。経験・スキルや実績が企業ニーズにマッチすれば、短期間で内定を獲得できる可能性もありますが、現職での業務が忙しく、転職活動に十分な時間を割けずに転職活動期間が長引くこともあるでしょう。転職エージェントやスカウトサービスなどを活用する、年末年始や夏季休暇などの休暇を利用して集中的に転職準備を進めるなどの工夫が必要です。
40代の転職活動期間
40代では、比較的3カ月未満の人が多いという傾向が見られます。ただし、40代後半では「2年以上」と答えた人は、20~40代のうち最も多い2.3%という結果になっています。
40代では、結婚や育児、住宅購入などのライフイベントが生じるケースが増えるため、「生活や年収水準を下げたくない」「現在と同等のポジションを希望する」といった条件の制約が増える傾向があります。一方で、企業側も40代には幹部候補や事業推進者としてのマネジメント経験や高い専門性を求めるため、お互いの条件のマッチングが難しくなります。転職活動を始めるにあたり、自身の優先順位を明確にして、柔軟に条件を見直す姿勢が転職実現のポイントになるでしょう。
一般的な転職活動の流れ
スムーズな転職活動のために、一般的な転職活動の流れを知っておきましょう。
自己分析・情報収集
転職活動は、自分のこれまでの経験・スキル、強みを整理する「自己分析」からスタートします。特に、未経験業界・職種にチャレンジする場合は、しっかりと自己分析を行っておきましょう。
また、業界や職種、企業に関する情報収集も重要です。求人を見るだけでなく、転職エージェントや転職イベント、企業説明会など、実際に足を運んで直接話を聞くことで得られる情報もあるでしょう。
応募書類の作成
応募に必要な履歴書や職務経歴書を作成します。特に職務経歴書は、応募する仕事に活かせる経験・スキルを中心にまとめることが重要です。過去の職務経歴を書き出すだけでなく、実績や工夫した点も具体的に盛り込みましょう。
求人応募
求人への応募は、1社ごとに結果を見て応募するのではなく、興味を持った複数の企業に同時に応募するのがポイントです。複数社の選考を同時並行で進めることで、内定時期を揃えられるため、条件の比較検討をして転職先を決められます。選考の通過率を見ながら、必要に応じて応募者数を調整しましょう。
面接対策
書類選考を通過すると面接に進みます。面接に慣れていない場合は、面接対策をしておきましょう。面接対策が不十分だと、本番でうまく自分をアピールできず転職活動が長期化する可能性があります。よく聞かれる質問への回答を準備し、鏡の前などで話す練習をしておくと、話し方や表情のクセも改善できるでしょう。
内定・退職・入社
内定で提示された条件を確認し、承諾をするか判断します。内定を承諾したら現職の上司に退職を申し出て、引き継ぎや退職手続きを進めましょう。職場に迷惑をかけない退職スケジュールの設定や丁寧な引き継ぎなど、周囲への配慮を忘れないことがスムーズな退職のポイントです。
転職活動の流れの詳細は、下記記事も参考にしてください。
「働きながら」か「退職してから」探すか、いつ始めるのが良い?
転職活動は「働きながら」と「退職してから」で転職活動期間が変わります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分の状況に合った方法を選ぶことが重要です。
働きながら転職活動をする場合
働きながら転職活動をする場合は、面接の日程調整に時間がかかる傾向があります。特に現職が忙しい場合は、求人探しや面接などの転職活動に時間を割くのが難しく、転職活動が長引く可能性もあるでしょう。
【メリット】
- 収入を確保したまま転職活動ができる
- 空白期間が生じない
- 焦らずに転職活動を進められる
【デメリット】
- 面接の日程調整が難しい
- 求人探しや面接に十分な時間を割きにくい
- 疲労やストレスが溜まりやすい
| 平日夜や週末、長期休暇を有効活用して、事前に応募書類の作成や面接対策を進めておくことが重要です。転職サイトやスカウトサービスに条件を登録して、新着求人やスカウトが届いたらチェックするという進め方が効率的です。 |
辞めてから転職活動をする場合
退職後に転職活動を行う場合は、面接の日程調整がしやすく集中的に取り組めるため、転職活動期間が短くなる傾向があります。空白期間が生じる一方で、雇用保険の基本手当を受け取りながら転職活動を進められる点もメリットのひとつでしょう。
【メリット】
- 転職活動に十分な時間を使える
- 面接日程の調整がしやすい
- 条件を満たせば雇用保険の基本手当を受け取れる
【デメリット】
- 収入面の不安が伴う
- 空白期間が生じる
- 焦りから条件を妥協してしまう可能性がある
| 退職前に生活資金を確保し転職活動のスケジュールを設定しましょう。計画的に応募や面接を進め、焦らずに判断するための「譲れない条件」を決めておくことが重要です。 |
転職に時間がかかる要因と長引かせない方法
転職までのスケジュールが延びる要因を把握し、転職活動が予定通りに進まない場合は、計画を見直すことが重要です。
【要因1】在職中で面接時間が確保できない
【対策】オンライン面接を活用する
一般的に、会社を辞めてから転職活動を行うと、面接の日程調整がしやすくなるため、転職活動の期間は短くなる傾向があります。ただし、退職してから転職活動を始めると、収入面の不安や経歴に空白期間ができる焦りから、十分に企業を吟味することなく決めてしまい、転職後に後悔してしまう可能性もあります。面接で空白期間の理由を求められることも多くなり、企業によっては「働く意欲が低いのでは」「企業から評価されない理由があるのでは」などと不安を抱かれてしまうかもしれません。
そのため、「転職活動期間を短縮したい」という理由だけで、先に退職をするのは控えましょう。転職活動期間を短縮したいのであれば、オンライン面接を積極的に活用するという方法があります。オンライン面接であれば移動時間を節約でき、仕事の休憩時間などにも面接を受けられます。対面面接に比べると日程調整がしやすくなり、全体的な転職活動期間を短縮できるでしょう。
【要因2】1社ずつ応募して結果待ちをしている
【対策】複数社に同時応募する
応募から選考結果までは、通常1週間~10日程度かかります。そのため、応募する企業を絞って「1社応募してみて、ダメだったら次に応募」という方法で進めると、転職活動期間がどんどん延びてしまいます。
もし最終選考で不合格だった場合は、また一から応募先を探さねばならないため、大きな時間のロスになります。複数の求人にまとめて応募することで、効率的に転職活動を進められ、転職活動期間を短縮できます。また、複数の企業の選考が並行して進むため、内定条件を比較検討して転職先を決めることもできるでしょう。
【要因3】面接回数や選考ステップが多い
【対策】オンライン面接の活用など、日程調整を工夫する
面接は一次面接、二次面接、最終面接の3回ほど行う企業が一般的ですが、外資系企業や管理職などの転職の場合は、面接回数が多くなる傾向があります。面接回数が多い企業に応募していると、面接の日程調整や選考の結果待ちに時間がかかるため、どうしても転職活動期間が長くなります。
近年はオンライン面接を実施する企業が増えており、以前に比較すると面接の日程調整に時間がかからなくなっています。転職活動期間を短縮したい人は、オンライン面接を希望してみるのも良いでしょう。
【要因4】退職交渉に時間をかけすぎている
【対策】事前に就業規則を確認し、強い意志を伝える
退職交渉が生じてしまい、予想以上の時間がかかることもあります。円満に退職し、スムーズに転職先企業に入社するためにも、退職の意志が固いことをしっかりと伝えることが大切です。
なお、会社が定めている就業規則の退職規定に、「退職希望日の○カ月前」など退職の申し出期間を定めている企業があります。事前に就業規則を確認し、退職までのスケジュールを立てておきましょう。
自分に合った転職活動スケジュールの立て方
自分に合った転職活動のスケジュールの考え方をご紹介します。3つのケースを参考に、入社希望時期があれば逆算してスケジュールを組み立てると良いでしょう。業務量の多さや繁忙期など、自身の事情を考慮することも大切です。
| 転職ステップ | ①約2カ月 | ②約4カ月 | ③約6カ月 |
|---|---|---|---|
| 1. 転職準備 | 約1週間 | 約2週間 | 約3週間 |
| 2. 書類作成 | |||
| 3. 求人応募 | 約1カ月 | 約2カ月 | 約4カ月半 |
| 4. 面接 | |||
| 5. 内定・退職 | 約2週間 | 約1カ月半 | 約1カ月半 |
①約2カ月のケース
約2カ月で転職したいという場合は、退職手続きなどの関係から、在職中の転職活動では間に合わない可能性があります。もし、在職しながら2カ月で転職を実現したいという場合は、オンライン面接を実施している企業を選ぶ、面接回数が少ない企業を選ぶ、一度に多くの企業に応募して同時並行で選考を進める、などの工夫が必要です。
②約3~4カ月のケース
標準的な転職活動期間です。転職活動期間が3カ月以上あれば、在職中の転職活動も十分可能です。
先に挙げたように、複数の企業に応募する、面接回数が極端に多い企業は避ける、あらかじめ引き継ぎ資料をまとめておく、などを意識すると良いでしょう。
③約6カ月のケース
初めての転職活動や、転職したいけれど方向性が定まっていない、現職が忙しくてまとまった転職活動の時間が取れない、未経験分野にキャリアチェンジしたいという場合は、転職が決まるまでに時間がかかる傾向があります。
転職活動の各ステップにも時間がかかるため、約半年ぐらいの期間を想定し、じっくり転職活動に臨みましょう。
転職活動をうまく進めるコツ
転職活動は、自身の希望条件や経験・スキル、企業ニーズなど、様々な要素の掛け合わせで決まるため、想定した通りに進まない可能性もあります。転職活動をうまく進めるコツを把握し、柔軟に対応しましょう。
事前に定めた転職スケジュールに固執しすぎない
家族の都合やボーナスの支給時期など、転職活動期間の設定には様々な条件があります。効率的に転職活動を進めるために、目標とする転職時期から逆算してスケジュールを立てることは重要です。
しかし、事前に設定したスケジュールに固執しすぎないことも大切です。「期間が迫っているから」といって焦って転職せず、自分に合った企業を探すようにしましょう。
期間延長、仕切り直し、早めの終了も計画に入れる
納得して転職活動を終えるためには、期間延長、仕切り直し、早めの終了も計画に入れておきましょう。
【計画見直し例】
- なかなか希望条件に当てはまる企業に出会えない場合は、転職目標期間を延長する。
- 自分の実力が足りずに内定が得られない場合は、現職でスキルや経験を積んで数年後に転職活動再開すると仕切り直す。
- 転職活動を進める中で、現職の魅力に改めて気がついた場合は、早めに転職活動を終了して現職でのキャリアを継続する。
転職活動では全員に共通する推奨期間はない
転職活動に推奨期間はないため、1カ月で転職しても、4カ月で転職しても問題はありません。中には1年以上かけてじっくり転職活動をする人もいます。
転職機関にはこだわりすぎず、仕事内容や条件などに納得できる転職先を決めましょう。
組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。
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