こんにちは。ヨッピーです。
普段は「オモコロ」や「Yahoo!こちら検索探偵」や「トゥギャッチ!」などで体を張ったひどい記事を書いております。
インターネットにひどい記事を送り込み続ける男ヨッピーが様々な企業に「一日派遣社員」として潜入!ガチンコのレポートをお届けするぞ!
今回の潜入先は、ハウツーサイト「nanapi」を運営する株式会社nanapiさんだ!
目次
一日派遣社員スタート!
というわけで本日やってきたのは、生活に役立つテクニックの共有サイト「nanapi」や、Q&Aアプリ「アンサー」などを運営するnanapiさんです!
まあ「よくもまあこんな色モノライターの派遣を受け入れてくれたな……」とnanapiさんの懐の広さを痛感したのですが、実際にお邪魔した時にこんなものを見つけたんですよね。
打ち捨てられたウェルカムボードです。
あれ?
ここに本来は「ヨッピーさんようこそ!」とか書いてくれる感じなんじゃないの?
なんでこんなところに放置されてるの??
ひょっとして歓迎されてないのかな……?
と思いきや!
「ヨッピーさん」の垂れ幕が!やっぱり歓迎されてたー!
こちらの垂れ幕はnanapiに新入社員の人が来た時にこうやって設置するんだそうだ。
これなら「あの新人どこの席だっけ?」ってならずにすみますね!
早速、「朝会」という朝のミーティングに出席。
毎朝、チームごとに集まって進捗の確認などを行う。
こちらはエンジニアチームの朝会。
皆さんに挨拶する僕。「無職ですがよろしく」
nanapiさんでは、このホワイトボードに貼り付けられた付箋で皆の仕事の進捗を確認するらしい。
ちなみに僕に課された仕事がこちら。
* アンサーアプリで回答1万件
* アンサーアプリで相談しまくる
* アンサーブログを書く
以上の3件。回答1万件とか絶対無理やろ。
朝会も終わり、雇用契約書にサインする僕。
秘密保持がどうたらでしっかりしてはるわ……。
nanapiを探検してみる
サインが終わったら社内を探検。
このオフィスではアルバイトを含めだいたい70人くらいの人が働いているそうだ。
窓が大きいから明るくて良いですね。
それとも明るいのはこの人のおかげかな??
会議室はこんな感じ。
でかいプロジェクターがある。
こちらはちょっとした休憩スペース。
バランスボールでストレッチしたりするのは気分転換に良いかもしれない。
水がいくらなんでも多すぎる。象でも飼ってるのかもしれない。
飲み物やオフィスグリコが充実!
小腹が空いた時も安心や!
あとなぜかあちこちに習字が貼ってある。
僕が言うのもアレだけど、字がヘタクソすぎる。
社内図書もあるよ。
社長おすすめの本!
こちらはフットサル部のメンバー募集に、
ヨガ教室のメンバー募集。
こういう部活みたいなのがあるのは良いですね。
銭湯部とか作りたい。
業務開始!
探検も終わっていよいよ業務の開始!
新入社員らしい態度で仕事に臨もう!
まず最初に、普段は担当の方が更新している、
こちらの「アンサー公式ブログ」で記事を作ってみることにする。
一応これでもライターのはしくれなので、記事を作るのは楽勝~~~!
そんなわけで作ったのがこちら!
いや~、こういう意味不明な画像めっちゃいっぱい持ってるので助かりますわ……。
ちなみにこの記事を見て結構な数の人が実際にアンサーアプリをダウンロードしてくれたらしい。マジかよ。
そんなわけでせっかく記事も作ったことだし、今度は実際にアンサーアプリを触ってみることにする。何せ1万件も回答しなきゃいけないから……!
これが実際のアンサーのホーム画面。
こんな感じでいろんな人がお悩み相談中。
ファラオとして的確に回答してゆく僕。
「テスト勉強について」の相談に対して我ながら素晴らしいアドバイスぶり。
試しに相談してみたら凄い勢いでレスがつく!
この「アンサー」は即レスが売りのQ&Aサイトなのですが、
その言葉にたぶんウソはない!マジでがっしがしレスがつきます!
僕「あーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
僕「なんか、エッチな人募集、みたいなこと言ってる人がいますよーーー!!」
そして、規約に反する書き込みを探すのもお仕事のひとつ!
社員さんにお願いして該当のレスを削除していただきます。
アンサーでは担当者の方が常駐していて規約違反がないか常に監視しているのだ!
と、まあそんな感じでガシガシ相談に回答してゆく僕ですが、
1万件はどう考えても無理やわ。
1分に3件答えても55時間かかる計算ですからね。
待ちに待ったランチの時間
そうこうしている内にお昼になったのでみんなでご飯を食べに行く。
お弁当持参の人もいるみたいだが、何人かで連れ立ってランチに行くことも多いそうだ。渋谷ということもあってランチの選択肢は多い!
ちなみにこちらはエンジニアチーム、今日は「テックランチ」と呼ばれる勉強会兼ランチミーティングでお弁当付き!
本日向かった先はこちら、高層ビルの14階に入ったお蕎麦屋さん。
これらのお惣菜が食べ放題!これは嬉しい!
飲み物もフリードリンクで、なんとテイクアウトもオッケーなんだそうだ。
食後のコーヒーとか、毎日だと地味に痛い出費なのでありがたいですね。
個室席に案内してもらった。
眺めが素晴らしい!
アッツアツのまぐろステーキ定食を注文!湯気がすげぇ!
あれ?新種の妖怪かな??
ランチを食べながら皆さんにnanapiについて聞いてみた。
Q:nanapiって、どう?
「いやー、いい人ばっかりですよほんと。怒鳴り声とか一切しないですからね。僕らはあだ名文化があったりして社員同士仲良いですし。IT系の会社って、エンジニアの部署とそれ以外の部署でコミュニケーション取りづらかったりするじゃないですか。でもそういうのが全然ないですね」
Q:女性も多いですよね
「そうですね。nanapiの記事なんかは女性向けの記事も多いですからやっぱり女性がいないとダメですね。下ネタは言いづらくなりましたけど男女も仲良しですよ」
なるほど。確かに実際にオフィスにお邪魔して思ったのが、ギスギスした雰囲気が全然ないこと。僕は新卒で入ったとある商社で7年間働いてたのですが、そこの雰囲気と比べると全然違うな~~。そこは電話も鳴りっぱなしだったし、割とみんなピリピリしてたもの。
いくら高層ビルの綺麗なオフィスで働いてても怒鳴り散らしてる人がいたらストレス溜まるもんな~。
ご飯を食べた後はみんなで記念撮影。ピース!
社長に聞いてみよう
そんなわけでnanapi社長の「けんすう」さんこと古川健介さんに聞いてみた
古川健介さん──株式会社nanapi代表取締役 学生時代から「ミルクカフェ」「したらば掲示板」などのWebサービスを手がける。2009年に株式会社リクルートを退職し、現在のnanapiの代表取締役に就任。1981年生まれの33歳。
Q:nanapiの海外展開については、どう?
けんすうさん「まず、日本の現状から申しあげます。nanapiだと、1pvあたりの広告価値が0.4円〜0.5円という感じなのですが、海外の同じようなハウツー系サイトだと、1pv2円くらいの価値があったりするのですよね。うちも、それなりに広告の最適化などをしているのですが、やはり海外は広告主が多く存在しており、単価もあがりやすい。しかもユーザー数は20倍近くいる。
あくまで相対的な話ですが、日本向けだけにやっていると、1記事あたりにかけられるコストが非常に少なくなってしまうんですよね。となると、最終的に日本のメディアというのは海外のメディアに負けていってしまうのではないか?と思ったんですよ。というのも、たとえばnanapiで1万円かけている記事が、海外だと80倍の収益だとして、80万円かけられる。取材に10万、翻訳に5万かけるみたいなことも可能になります。そういう戦いを想定すると、もうグローバル前提でメディアを作るのは当然じゃないか?と思って」
Q:海外向け事業の話
けんすうさん「まず手始めにIGNITIONというメディアを作ってみました。最初は、nanapiにあるハウツーを使ってみようと思ったんですが、ハウツーってやはり国ごとに違うところが多くあるんですね。たとえば、料理だと、この調味料は海外にないよ、とかざらなので。となると、モチベーションやインスピレーションのような人間の根源的なところにフィットするものがいいんじゃないかなと思って、そういうコンセプトで作りました」
- nanapiが運営する海外向けサイト「IGNITION」
Q:今後の展望について
けんすうさん「今は、どうしても日本のものを海外に紹介するという形になりがちです。これはこれでいいんですが、読者にとっては、どの国のメディアがやっているか、とかはあまり関係なく、おもしろい記事を読みたいだけなんですよね。正直、海外メディアはめちゃくちゃ辛いです。大変です。結果がでるのはもうちょっとあとじゃないかなあ、と。今後は、少しづつPVを増やしながら、海外ライターの人とかも増やしてやっていきたいなあ、と思っています」
Q:nanapiをどういう会社にしたいの?
けんすうさん「変化に強い会社、そしてテクノロジーによって世界をよくできると信じられる人たちと働けるとうれしいです」
な~~~るほど~~~~!
確かに海外のマーケットの方が将来的には有望だよなぁ……。
コンテンツを作る会社は海外展開は避けて通れない話題なのかも知れない。
っていうかPV単価がそんなに違うって割と衝撃的な話や……!
エンジニアチームも覗いてみよう
せっかくなのでエンジニアチームの人にも仕事ぶりを見せてもらった。
ちなみに僕、技術のことは全然わかりません。
僕「なんですかこれ?」
「GitHubというサービスなんですが、書いたコードなんかを共有して管理できるサービスなんですよ。これで実際に書いたコードを他の人に見てもらってチェックしたり、改良したりして運営してます」
なるほど。活発にやりとりしてるのが見えますね!
でも何を言っているのかはサッパリわかりません。
僕「すいませんね……。僕HTMLなら少しわかるかなぁ、くらいのレベルなんで……」
「でも大丈夫ですよ。エンジニア以外の人でもエンジニア用語がわかるように勉強会やったりしてますから。意外とすぐに慣れます」
CTO(最高技術責任者)の人に聞いてみよう
そんなわけで最高技術責任者の和田修一さんにお話を聞いてみた。
和田修一さん──株式会社nanapi CTO。楽天に入社後、インフラエンジニアとして活躍。nanapiに入社後はすべてのシステム開発を統括。nanapiの月間5700万PVを支える。
Q:nanapiでエンジニアを採用する際の採用基準
和田さん「既存のサービス、例えばnanapiを作りたいとか、アンサーやりたい、とかそういうのは特に重視してないんです。「Webが好き!」とか「デザインが好き!」とか「インターネットが好き!」とかそういう部分を見てますね。nanapiではPHPとRubyを使っていますが、どの言語を使うかはそんなに重要ではないんですよね。根っこの部分で「技術が好き!」みたいな人が良いですね。インターネットが好きで技術が好き、そういう人達に囲まれて楽しく仕事がしたい、みたいな人を歓迎します」
Q:組織を作るにあたって
和田さん「技術を軸に考えてますね。なんか、エンジニアとそれ以外、みたいに分けちゃうところが多いんですけど、それだとやっぱりコミュニケーションが取りづらかったりするので共通言語をなるべく使うようにしますね。週に一回、非エンジニア向けの技術研修をやってるんで、それでエンジニア以外の人にも技術用語なんかがわかるように、エンジニアと共通言語で話せるように勉強してもらっています」
Q:今後の技術について
和田さん「インフラ管理の仕方が変わりつありますね。Immutable Infrastructure、って言うんですけど。新しくソースコードをデプロイするときに、ソースコードだけ新しくするのではなく、サーバごとごっそりまるごと入れ替えちゃおうっていう考え方です」
僕「家を改造する時に、今までは増築とかリフォームしてたのをやめて、新しく一から建て直しちゃうってこと?」
和田さん「そうです。今だとそのImmutable Infrastructureの勉強会って、あっという間に定員が埋まったりしています。Googleなんかはすでにその方法で運用されているみたいですね」
僕「あ、なんかGoogleがソフトウェアを全部コンテナに乗せて運用してるとかなんとかっていうニュースを見ましたけどそれのことかぁ。結局、インターネットの世界は全部Googleが支配してるんですかね……」
和田さん「いや、たぶん『もっと速く』とか『もっと便利に』とかそういう「インターネットの神様の教え」みたいなのがあって、そこに一番近い考えを実践できているのがGoogleってことじゃないですかね」
僕「なるほど……」
Q:エンジニアの人に向けて一言
和田さん「情報は発信してほしいですね。例えばブログを書くことで、文章力や論理的に考える能力が身に付くので。結局人に何かを伝えようと思ったら自分でそのことについてちゃんと理解していないと話せないので結果的に理解が深まります。技術についてのブログを書いたり、勉強会で発表したりすることは大事だと思います!」
なるほど!ありがとうございました!
業務に戻る
引き続き業務に戻る。
回答1万件なんて到底無理な事が判明したので、今度は得意分野である記事の作成。
生活ライフハック情報サイト「nanapi」では実際に社員の方が作った記事もたくさんあるのだ。
そして僕が実際に作った記事がこちら!
nanapiでは季節に合わせて求められそうな記事を作ることを心掛けている。
例えばこれからの時期だと「夏休み 宿題」「自由研究」なんかがそうだ。
過去にいろいろ変なことをしてきたおかげで割とあっさり作ることができた。
調子にのってあと2本も作ってみた。
たった450円!都内で天然温泉に銭湯料金で入れる温泉銭湯まとめ
僕温泉とか銭湯とかが死ぬほど好きなのでお風呂ネタを2つ。 このケースみたいに、自分の得意分野の記事は書いてても楽しい。
一本あたり1時間くらいで制作!
INGNITONチームとミーティング
先ほどの、社長のけんすうさんの話にも出ていたとおり、nanapiさんはIGNITIONという海外向けメディアの運営もされています。
- 海外向けのメディア「IGNITION 」
そちらの運営チームの人が話を聞きたい、とおっしゃっていただいたのでミーティング。
「なんで僕なの!?」とも思ったのですが、以前に僕が連載している「オモコロ」で、国内でウケた記事を3本ほど翻訳して英語圏に流した事があって、一晩で100万PVを超える流入があったことがあるんですよね。
その時の記事がこちら。
外国人に日本の馬鹿サイトの感想を聞いたらえらい騒ぎになった件
その時の体験談などをお話。
この、海外向けのメディア運営って、今後「来る」と思ってるんですよね僕も。
僕が国内向けに書いた記事がまるっと翻訳されて、海外のニュースサイトで話題になったりするケースが最近すごく増えてて、僕だけじゃなくて僕の知り合いのライターなんかにもそういうケースがちらほら。
記事を一から作ることに比べると翻訳だけならそこまで手間がかからないし、そもそも日本語圏と英語圏じゃあ市場が20倍くらい違いますからね。
となると国内向けのコンテンツを作ってるような会社はどんどん海外にもシフトしていくような時代になるんじゃないか、と思っております。
もちろん海外向けに一からコンテンツを作るとなるとめちゃくちゃ大変だと思いますが……!
そんなわけで……
業務終了~~~~~!!!!
いやーー、思ったよりあっという間でしたね。
10時の業務開始から19時までの業務が無事に終わった~!
nanapiの社員の方が「みんないい人」というのは本当で、部外者でろくでもない記事ばっかり書いてる僕なんかにもみんな優しい!
変顔を撮って遊んだりもしたよ。
僕は19時で上がりですが、まだ残ってる社員さんもチラホラいて、
その人たちに話を聞くと「会社の居心地が良くて、残業が苦にならないから別に平気です」とか言ってましたからね。
そんなわけで一日働いてみて痛感した、
「nanapiの居心地の良さ」について人事担当役員の宮﨑さんに聞いてみた。
Q:社訓ってあるんですか?
宮﨑さん「いや、特に決めてないんですよ。会社の価値観はわかりやすく表現したいと思ってるのですが、”すべき”といった類のものは置いていません。世の中がすごい勢いで変化し続けているので、変に決めちゃってもしょうがないと思うんですよね。だから、今nanapiで働いている人達の考え方をそのまま見せて、これがnanapiだよっていう。今あるものをそのまま見せるくらいしかできないんです。一つだけ言えるとしたらキーワードは【変化に強い】かな」
Q:雰囲気の良い社内作り
宮﨑さん「別に仲良くしろ、とか勉強しろ、とかそういうことも特に言ってるわけじゃないんですよね。会社としては、テクノロジーを活用して世界中のユーザの課題を解決する、というミッションを掲げています。そこへの道の途中で、自分のやりたいこととか、自分がどうなりたいかとか、そういう自己実現のために会社を大いに使ってもらって、それによって個人がパワーアップしてくれればいいなって思ってます。自律を重んじていますね」
な~るほ~どね~!
それで皆さん伸び伸び働いてるわけですね。
っていうか、そもそも僕みたいな人間を丸一日受け入れてくれたってことは内側見せられるくらいに自信があった、ってことですもんね。
これが怒号が飛び交うような職場ならまず受け入れようってならないですもん。
いやー、本日はありがとうございました!
というわけで8時間分の時給ゲット~~~!最高~~~!
……と、まあこんな感じではじまった新しい企画。
死ぬほど長い記事でうんざりしたかも知れませんが、いかがだったでしょうか。
3年前に会社辞めてからまともにオフィスで働いた記憶がないのでどうなることかと思いましたが、nanapiの皆さんのおかげでなんとか業務が完了!
ゆくゆくはアメリカのペンタゴンとかに派遣されていきたいと思いますので、何卒皆さん応援のほどよろしくお願いします。
そんなわけでnanapiの皆さん、ありがとうございましたーーーー!!
※本記事は「CodeIQ MAGAZINE」掲載の記事を転載しております。