仕事を頑張るとモテなくなるのは本当か? モテを遠ざける“キャリア病”とは

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人材コンサルティング会社・株式会社ジョヤンテ代表の川崎貴子です。

20代の女性たちと話していると、たびたび不安げな顔で「仕事を頑張るとモテなくなるのは本当ですか?」といった質問をされます。また、コンサルティングやキャリアカウンセリングの現場でも、昇進や新しいプロジェクトにチャレンジせず、成功を回避する女性たちに遭遇することがあります。聞けば「私、早く結婚したいんです。昇進したり、新規プロジェクトでバリバリ頑張っていたら相手が見つからなくなりそうで!」という悲痛な叫びがぼろぼろと。そんな彼女たちの声を聞くたびに私は、

「我々が不甲斐なくてたいへん申し訳ない!」

と、声を大にして謝罪したい気持ちになるのです。働く先輩である私たちが、もし仕事を頑張っていても男性にモテモテだったら、もしくは、モテていそうに見えていたら……彼女たちがそんな不安を抱える必要はなかったわけですからね。面目ないっす。

でも、安心してください。

昨今は「結婚するなら共働き」「尊敬しあえる関係がいい」など、「社会で頑張っている女性推し」の独身男性がかなり増加したように思います。また、30代のキャリア女性たちを見ていても、モテるモテないは役職や収入に左右されていない様子。というのも、バリキャリでモテモテの人もいれば、一方で仕事が忙しすぎてモテないと悩んでいる人もいる状態です。私が考えるに、この両者の差は仕事を頑張っているかどうかではなく、仕事を頑張っている女性に一定数存在する「肥大した自意識を持つ人がモテない」のです。

私はこれを“キャリア病”と呼んでいます。

モテを全力で遠ざける“キャリア病”とは何か?

では、私が考えるキャリア病とはどういったものなのか。その特徴を紹介します。

1.いつだって仕事優先

毎日の生活の中で10の優先順位をつけるとしたら、その1位が仕事という女性は結構たくさんおります。しかし、1位から5位までが全て仕事関連のことで埋まっている女性は、キャリア病かもしれません。そんな人たちの残りの5つは、生きるために必要な睡眠やら食事やお風呂、そして最低限の生活必需品であるテレビ、スマホの時間などで占められている状態。美容だお洒落だ合コンだ、というような「モテ」につながる何かが入り込む余地はないからです。

また、仕事以外のことを優先する女性を「はいはい、腰掛けで羨ましいですこと」などと心の中で全否定しにかかる傾向があります。そして、しばらくすると、今度は自分自身が他人からそう思われることを極端に恐れるようになり「私は決してそんな女ではない!」という謎のブランディングを展開しがちです。その結果「私を気軽に誘ってくれるな」という結界を張り、実際に社員同士の飲みや合コンを断ったりして自ら出会いのチャンスを逃しまくることに。

2.女性らしさを楽しめない

次に、「仕事ができない女だと思われたくない」という強い思いに取り憑かれ、ファッションが“いかにもな感じ”に固定化されます。私も20代の頃は、若くして起業してしまったために、テンパって「社長の私が仕事できないように見られたらまずい!」と、クローゼットにイカついパンツスーツをずらりと並べておりました。問題はパンツスーツ自体ではなく、私が少しも「女性としてオシャレを楽しんでいなかった」ということです。パンツスーツという名の戦闘服以外は、コンビニに行くようなどうでもよい服しか持っておらず、当時の私は「カジュアルフライデーに怯える50過ぎのおじさん(※役職は部長)」そのものでした。

仕事の上でTPOは大切です。しかし、女性を楽しんでいないどころか、常に女性らしさを拒絶しているように見えるファッションの女性がモテるはずもなく……20代の頃の私が何よりもの生き証人です(清々しいぐらいにモテませんでしたよ!)。その他、クローゼットが黒、白、グレー、茶色などの渋い色ばかりで埋め尽くされている場合も症状が進行しています。早めの検査を!

3.コミュニケーションを「情報交換」だと認識している

世間話が不得手になるのも特徴の1つ。コミュニケーションはなにも、情報を伝達するための行為ではなく、共感しあったり、場を和ませたり、相手への心配をやんわりと伝えたり……人間関係を円滑にするためにも行われているわけです。ところが、このコミュニケーションそのものを「仕事に関係あるかどうか?」「内容に意味があるかどうか?」で精査してしまうのは重度のキャリア病だと考えます。世間話をしている女性たちを「くだらない話をしている人たち」という目で眺めてしまうのも重傷。自分では「自身のタイムマネジメントが完璧」なつもりでも、傍から見れば「余裕のない人」であり「人間味のない人」です。余裕と人間味のない女性が、社内でもっとも仕事ができるイケメン男性に言い寄られ、どんどん心を開いていき、どんどん可愛くなっていく……なんてーのは少女漫画の世界だけですよ! 現実は怖がられて終わりです!

4.分析的、客観的、批判的な話し方が癖になっている

プライベートでも視点や所作、口癖などが「お仕事モード」になってくると、キャリア病が進みつつある傾向。デート中に彼氏が「昨日こんなことがあってさ~」と世間話のつもりで振ったセリフに対して、「それはあなたがすぐに対応したら未然に防げたのでは?」「部下がメールで詫びたって?」「あなたの会社、ビジネスマナーのカリキュラムはどうなっているの?」というように批判的なトーンで理路整然と返されたら、もはやデートの雰囲気ではなくなるでしょう。

たしかに仕事上では、ロジカルな話し方や客観的な視点がモノをいう場面が多く、これを体得した女性たちがビジネスシーンでは有利だったりします。ただ、これをプライベートでもやってしまうと、男性に興ざめされること請け合いです。私も未だに「ただの世間話」をしている夫に対して、「ごめん、その話の問題点はどこ? 結論を先に教えて」をたまにやってしまい、激しく興ざめされておりますので本当です。

分析的、客観的、批判的な視点や話し方は、ロマンチックとの相性が如何ともしがたく最悪です。どんなに会議室で多用していたとしても、いざプライベートへ戻るときは会社の引き出しに閉まって鍵を。「持ち出し厳禁シール」を貼るのも忘れずに!

5.素直になれない

最後の特徴は「弱みを見せること=負け」だと思い、人に頼ったり、謝ることを頑なに回避しようとすることです。もし誰かに頼ったらレッドカードでも出されるのか? 謝ったら裁判で負けるのか? という勢いで「素直な態度」を封印しがちです。そして、頼らないから必然的に、誰かに「ありがとう」と言うチャンスも少ないわけです。

しかし、たいへん残念なことに男性は、頼られたり、お礼を言われたり、素直に謝られるのが大好物な生き物。「素直になれないなんて俺だけで十分」とばかりに女性には自分にない資質を求めますゆえ、素直な女子の人気は高いのです。「弱みを見せずに仕事を頑張っている女性」を「強がっていて可愛い」などと近寄ってくるのは既婚の遊び人のおじさんぐらいですが、これは完全なる無駄モテ。既婚おじさんとの不倫はさらなる非モテスパイラルの原因にもなりますので、くれぐれもご自愛のほどを。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

“キャリア病”の克服は「自意識」との戦い

また長々と書いてしまいましたが、キャリア病は不治の病ではありません。猛省し、1つ1つ意識して行動を変えれば確実に治る病です。ただ、これは「自意識」との戦いです。

「私は特別であり、個性的であり、キャリアがある」という肥大した自意識がキャリア病を増幅させていることをどうかお忘れなく。女たる者、自分を幸せにしない病などさっさと退治して、浮世を笑顔で渡ってゆきましょう。健全なプライドとキャリアをしっかりと携えて。

著者:川崎貴子

1972年生まれ。埼玉県出身。1997年に働く女性をサポートするための人材コンサルティング会社(株)ジョヤンテを設立。女性に特化した人材紹介業、教育事業、女性活用コンサルティング事業を展開。女性誌での執筆活動や講演多数。著書に「結婚したい女子のためのハンティング・レッスン」「私たちが仕事を辞めてはいけない57の理由」「愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる。」「上司の頭はまる見え。」がある。2014年より株式会社ninoya取締役を兼任し、ブログ「酒と泪と女と女」を執筆。婚活結社「魔女のサバト」主宰。女性の裏と表を知り尽くし、フォローしてきた女性は1万人以上。「女性マネージメントのプロ」「黒魔女」の異名を取る。10歳と3歳の娘を持つワーキングマザーでもある。
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編集:鈴木健介
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