こんにちは、川崎貴子です。私は女性に特化した人材コンサルティングの会社を19年間経営しております。
若いお嬢さん方の相談に乗っていると、
「好きな人ができると仕事が手につかなくなっちゃうんです~」
「仕事に没頭しすぎていたら、あっという間に5年が経っていて彼氏がいません」
という両極端なタイプにたびたび遭遇します。
そんなときはいつも、この両極端なタイプの2人を足して2で割ったり、互いの爪垢を煎じあって飲ませたい妄想&衝動に駆られるわけですが、そうはいかないのが人間の個性。神様はいろんな仕様に人間を作りたもうたわけです。
個人的な好みで言わせてもらえれば、「仕事と恋愛のバランスが悪い女性」の方が私は好きです。女の人生において、我を忘れるほどの「好き」や「熱中」を味わえるのは、若い頃の特権的シーズンなのですから。
例えば、私のような43歳中年のワーキングマザーの日常など、何か1つに熱中できる余地は皆無。ベルトコンベヤーで時間通りに「経営」「子育て」「執筆」「家事」「講演」「PTA」「取材」「義母対応」などのタスクがぼんぼこ流れてきて、次なる仕事に取り掛かる時には、さっきの仕事を忘れないと脳のキャパ的にも到底こなせません。
……今、一生懸命に思い出してみましたが、最近「1日中頭から離れなかった」のは、うっかり聞いてしまって脳内リフレインしまくった、吉幾三「ドリーム」(某リフォーム会社のCMソング)だけでした。あれは本当に困りました。
というわけで、恋も仕事も好きなだけ味わいなはれ、というのが私の本音ですが、両者にアドバイスできそうなことが多少はあるので紹介します。
キャリアは手放さない
まずは「恋愛没頭タイプの女子」へ。
「たとえ恋の奴隷になっても、彼のことで頭がいっぱい」でも構いません。ただし、仕事中はくれぐれも、周囲にばれないようにご注意いただきたい。
いつもよりぼーっとしているな、という自覚があるならば、いつもの作業もダブルチェックしたり、ONとOFFを切り替えて仕事に支障をきたさない工夫が必要です。
あなたは多分、この恋が結婚につながらなかったら、また同じように恋に溺れます。そのときに仕事が無かったら、もしくは年収ダウンしていたら……恋だ愛だと言ってはいられません。
また、生活に困窮して好きでもない男性と結婚するハメになるなんて、恋愛体質女子一生の不覚です。恋にうつつを抜かすという脳内麻薬を味わえるのは、期間限定および衣食住足りてのことで、心の余裕もなくしかねない「年収ダウン」は、ロマンスにはマイナスですよ。
生きるため、次なる素敵な恋愛のためにも、キャリアは手放さないが吉!
プライベートの予定ほど先に押さえる
お次は「仕事没頭タイプの女子」へ。
恋愛は誰にでも必要なものではないけれど、彼氏が欲しい、もしくは結婚や出産がしたいという希望が明白ならば、そろそろ「仕事が忙しくて」は自分に対して禁句にいたしましょう。
ご自身が思うよりも、仕事優先の鉄のルーティンはあなたの生活パターンに組み込まれています。相当な気合を入れない限り、せっかくの新規合コンも「仕事が終わらなくて」と言いながらキャンセル。あなたが暗いオフィスで1人残業している姿がおばちゃんには見えます。
私もそうですが、仕事に比べて「軽んじてしまいがち」なプライベートの予定ほど、先に押さえにかかる必要があります。そして、押さえたら最後、テコでも動かさないという断固たる決意を持たなければなりません。具体的には、そのプライベートの予定に合わせて仕事をこなすぐらいにならないと、5年後もまた同じ台詞を吐くハメになります。
この業務〈恋愛活動〉は、社長命令クラスの重要度と緊急度である、と半ば自分をだまくらかしてでも遂行してください。
好きな彼氏や家族ができるということは、自分の人生に自分以外の味方ができるということです。それは必ず、後から仕事のモチベーションにもつながります。大事な仕事の時間を割き、優先順位を見直して活動する価値があった、といつか振り返って思える日が来ますので安心して取り組んでくださいまし!
最後に
仕事と恋愛のバランスを取るのはなかなか難しいけれど、仕事も恋愛も女性たちを幸せにするものだと、この年になると実感します。器用なバランサーになる必要は全くないけれど、女は欲張って欲張ってなんぼです。恋をして、働いて、ご自身の幸せの最大化に努めてゆきましょうね。
著者:川崎貴子
1972年生まれ。埼玉県出身。1997年に働く女性をサポートするための人材コンサルティング会社(株)ジョヤンテを設立。女性に特化した人材紹介業、教育事業、女性活用コンサルティング事業を展開。女性誌での執筆活動や講演多数。著書に「結婚したい女子のためのハンティング・レッスン」「私たちが仕事を辞めてはいけない57の理由」「愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる。」「上司の頭はまる見え。」がある。2014年より株式会社ninoya取締役を兼任し、ブログ「酒と泪と女と女」を執筆。婚活結社「魔女のサバト」主宰。女性の裏と表を知り尽くし、フォローしてきた女性は1万人以上。「女性マネージメントのプロ」「黒魔女」の異名を取る。10歳と3歳の娘を持つワーキングマザーでもある。
Facebookはこちら