銭湯の素晴らしさを世に伝えている「銭湯神」ことヨッピーが、「風呂グラマ」として著名な増井雄一郎さんと一緒に、老舗の銭湯「寿湯」さんで、銭湯の経営とかについてイロイロ聞いてきました。
なぜ銭湯?って、意味がわからないと思うけど、まあとにかく読んでみてくれ!
銭湯神と風呂グラマが、老舗の銭湯「寿湯」さんに突撃!
こんにちは。ヨッピーです。
普段はインターネットでしょうもない記事を書きつつ、
なんとかその日暮らしをしているのですが、その一方で「銭湯神」を名乗り、
銭湯の素晴らしさを世に広める啓蒙活動をしております。
そんな僕ですが、本日はこちらの「風呂グラマ」
つまりは、お風呂でプログラミングするエンジニアとして
著名な増井雄一郎さんと対談させていただくことになりました。
言っちゃなんだけど、頭がおかしい。
ちなみに本日お邪魔しているのはこちら。
台東区上野からも徒歩で行ける距離にある老舗の銭湯「寿湯」さん。
なぜ、この寿湯さんでロケをしたのか、
については後ほど語らせていただきますが、
僕のゴリ押しでここを選んだということだけはお伝えしておきます。
せっかく来たし、お風呂に入りながら話そう
と、いうことで、さっそくお風呂へ。
※特別に許可を得て撮影しています
「そもそも、なんでお風呂にパソコン持ち込むんですか?
僕もたいがいお風呂好きですけど、
流石に風呂場にパソコン持ち込んだことないですもん」
「まずですね、腰痛に良いんですよ。浮力の関係で腰にかかる負担が減るので。
腰痛はエンジニアの職業病みたいなもので腰痛に悩んでる人って多いんですよね。座り仕事ですし。
炎症起こしてるような急性の腰痛だとお風呂入っちゃダメなんですけど、長時間のデスクワークで凝っちゃった時なんかは血行も良くなるし、楽になります!」
「なるほど。まあ疲れを取るには最高ですもんね」
「でしょう。あとは集中できることですね。
さすがに僕も銭湯ではこんなことしないんで、家の風呂でやるんですが、家庭の風呂って完璧な個室じゃないですか。
『このバグを取り除くまで風呂を出ないぞ!』って決めてから入ったり」
「素朴な疑問なんですけど、パソコンが壊れたりしないんですか?」
「僕は壊したことないんですけど、友達が2台ダメにしました。
その友達はペットを飼ってるんで、例えば動物の毛がパソコンの内部に入り込んでて、それが水分を吸っちゃった、とかかなぁと思ってるんですが……。
あくまで自己責任でお願いします!
あと水分補給と、あんまり無理しすぎなように気をつけないと、ぶっ倒れるのでご注意を!」
「やっぱり、風呂でプログラム組むのはやりすぎな気がしてきた」
「ヨッピーさんはなぜ銭湯通いを?」
「僕が銭湯行きはじめたのってサラリーマンの頃なんですよね。
サラリーマンの平日って基本的には家と会社の往復じゃないですか。
仕事終わって一息ついたとしても『また明日も会社か』って思うと『仕事モード』みたいなのが抜けないんですよ。それがもう嫌で嫌で。
その時に近所にあった銭湯に寄ってみたら、
すごくリラックスできるんですよ、これが。
オンオフのスイッチを強制的に『オフ』にできるんですよね。
そしたら寝付きもよいしで『これは最高だ!』と思いまして。
それから平日はほぼ毎日、この寿湯さんに寄ってから家に帰ってました」
サウナにまでパソコンを持ち込む増井さん。
スティーブ・ジョブズが見たら激怒しそう。
サウナの後は水風呂に入る!
「僕は常々『エンジニアこそ風呂に入るべき!』って思ってるんですが、友達にもあんまり風呂好きがいないんですよね。
だから開発合宿とかも温泉とかでやって徐々にお風呂好きの輪を広げようと画策してます」
「開発合宿でもお風呂にパソコン持ち込むんですか?」
「はい。そうするとみんながワーッとカメラ持って集まってきますね」
「珍獣みたいな扱い」
自動車の自動運転とか、ロボット・AIとか、未来の話
内湯は白湯と薬湯がある。薬湯はなんと日替わり!
「僕ね、最近思うんですけど、『技術の進歩とかもうそろそろよくない?』とか思いません?エンジニアの人に聞いてみたいなと思ってたんですけど」
「ん?どういうことですか?」
「なんか、世の中がいろいろ便利になりすぎて、逆に怖いなって思うんですよ。ロボットやAIが人間の仕事を奪う、とか言われてるわけじゃないですか。車の自動運転が実現したくらいで技術はもういいじゃん、って。スマホもあって今は何でも調べれば出て来るし、もう世の中は十分便利だよ、って思うんですよ」
「あーなるほど。僕はそれないですね。技術を追いかけるのは単純に楽しいし、どんどん技術を進歩させていくのが人類の務めだと思ってますからね。IoTとかも含めて、これから加速度的に発展していくだろうな、と」
※IoT……Internet of Thingsの略。ありとあらゆるものがインターネットに接続するようになる、という考え方
「やっぱりそうなんだ。でも車の自動運転だって、実現したら日本の自動車産業ヤバいじゃん、とか思うんですよね」
「まあそうですね。僕もアメリカ行ったら、一日に何回かGoogleの自動運転車見かけますけど、日本だと実験できないし、このままだと負けちゃいそうですね……」
「嫌だなぁ……。まあ僕は日本のエンジニアの皆さん頑張って!くらいしか言えないですけど」
「だからこそみんなで風呂に入ってリフレッシュして、バリバリプログラム書きましょう!」
「そこ!?」
素晴らしきかな寿湯
そうそう、寿湯には銭湯には欠かせない、富士山の絵もバッチリあるぞ!
「まあそんなわけで、そろそろ本日の対談場所にこちらの寿湯さんを指定した理由について述べようと思います」
「ほうほう」
「あのね、寿湯さんはおもてなしの精神がすごいんですよ」
例えばこれ。携帯電話を充電してよいスペースがあったり、
シャンプーやボディソープも備え付けのものがあったり、
タオルセットが50円で安かったり、
ちなみにこんなセット。
有料アメニティの種類も豊富だし、
缶詰のおつまみなんかも売られていて、
電子レンジで温めてそれをツマミにビールを一杯ひっかけることまでできる!
「たしかにこれはすごい」
「でしょう。銭湯ってざっくり2種類に分けられると思ってまして。
ひとつは古くて趣があるけど、サービスはあんまり良くない銭湯っていう昔ながらのタイプと、新しくてサービスは良いけど趣があるわけじゃない新しいタイプ。
寿湯さんは建物は古くて趣があるのに、サービスも充実してるっていう珍しいタイプ。僕は『ハイブリッド型』って勝手に名付けてるんですよ」
お風呂上りに触れるパソコンだってある!
「たしかに。僕は銭湯にはあんまり行かないんですけど、ここは素晴らしいですね」
と言いながら、マッサージ機に酔いしれる増井さん。
「そうなんです。普通のサウナと塩サウナの2種類あるし、露天風呂もあるしで最高なんですよ。なので今日はいろいろと聞いてみようと思います!」
じゃん!そんなわけで真ん中にいらっしゃるのが寿湯のオーナーさん。
普段からお店に立ってバリバリ働いてらっしゃいます。
「いつもお世話になっております!いやーほんと、おもてなしの精神がすごいですよね。お店の前に『雨で自転車が濡れた時にサドルを拭く用のタオル』とかが置いてあってビックリしましたもん。そこまでやるんだ!って」
「時代の流れとして、銭湯の経営って厳しいので……。試行錯誤して、どうしたらお客さんに喜んでもらえるかを日々考えてる感じですね」
「やっぱり厳しいんですか?寿湯さんはいつもお客さんがいて繁盛してるのかなって思ってましたけど……」
「都内の銭湯もどんどん廃業してますからね。まあ、後継者不足とかもありますが、ウチで言うと人件費とガス代、あとは消費税の値上がりが厳しかったですね……!単純に計算すると一日20人のお客さんが増えれば消費税の値上がり分はペイできる計算なんですが、じゃあどうやって20人増やすか、っていう」
「1日20人ってけっこう大変ですね」
「そうなんです。だからあれこれ考えてサービス増やしてるんですけど」
特別に見せていただいたボイラー室。
ちなみにこういうボイラーが故障したりすると、修理費がえらいことになったりするそうだ。
目に見えない支出も、銭湯の経営上はたくさんあるらしい。
「全然関係ないですけど、水風呂って井戸水ですよね?」
「おお。そうです。よくわかりますね」
「水からミネラルの香りがするんですよね。これがまた気持ちよくて……!」
「いやほんと、僕銭湯は好きですけど、全部が全部好きなわけではないんですよ。サービスとか清掃とかがイマイチなところも正直あるし。でも寿湯さんは、いつ来ても従業員の人がせっせと働いてるし、掃除も行き届いてるしで最高だな、と。上野らへんに来ると絶対寄ることにしてるんですよね。なんか僕ばっかりしゃべってすいません」
「いや、でも銭湯って趣味として考えるとすごくリーズナブルですよね。都内だと500円あれば入れるし、それで全身の疲れが取れてリフレッシュできるって考えたらコスパすごく安いですもん」
「でしょう。あと出張とか多い人だったら、現地で銭湯探して入るっていう新しい楽しみにもなりますからね。オーナーさんからも、見てる人にぜひ一言言ってやってください!」
「ええと、銭湯行ったことない、っていう人もたくさんいると思うんですが、ぜひ一度来てみてください!」
「よっしゃー!決まった~~~~!」
そんなわけでお風呂上りにアイスを食べる僕と増井さん。
日頃疲れてるなぁ、っていう人や、気分転換した人には、銭湯ってマジでおすすめなので、皆さんもぜひお近くの銭湯に行ってみてください!!
■この記事を書いた人
ヨッピー
プロの無職。平日毎日更新のおばかサイト「オモコロ」にて体を張った実験記事を執筆。ほかにも「Yahoo!こちら検索探偵」「トゥギャッチ!」などで活躍中。TwitterIDは@yoppymodel。
※本記事は「CodeIQ MAGAZINE」掲載の記事を転載しております。