iPadから顔を上げて、家族一緒に楽しめるものを──知育アプリ開発のキッズスターに行ってきた!

わかばちゃんが気になる会社のオフィスに訪問するシリーズ。
今回訪問するのは、知育アプリ・デジタルアトラクションを開発している株式会社キッズスター。
創業のきっかけ・開発にかける想いを、ググッと掘り下げて聞いてきたよ!

知育アプリを手がけるキッズスターに突撃してきたよ!


8,568通り、あなたはどのタイプ?

学校がそのままオフィスに!?

キッズスターのオフィスがあるのは、なんと学校!

ここは「IID 世田谷ものづくり学校」という場所で、もともとは中学校として使われていたそうです。

使われなくなった校舎を世田谷区から譲り受け、企業で再活用しているのだとか。

今ではオフィスのほか、アートギャラリー、カフェ、パン屋さんまで入居している、おもしろ校舎なのです。

オフィスの前の黒板には、キッズスターのメンバーの似顔絵が。

クラス番号がかかる場所には、部屋番号と会社名が掲げられています。

教室の半分は子どもたちが遊べるようにキッズスペースとして使われています。

近隣の保育施設などから子どもたちを招いて、常時ユーザーテストしながらプロダクト製作を行っているのだとか!

8,568通り、あなたはどのタイプ?

こちらの3人にインタビューするよ!


株式会社キッズスターの代表取締役。
「子どもたちの夢中を育てる」ことに情熱を燃やすアツい社長。


株式会社キッズスターで働く、自称「何でも屋さん」 。
Unity使って知育アプリを作ったり、Kinectを使ったデジタルサイネージアプリを作ったりしています。好きな言語はC#とJavaScript。最近はRuby on Railsと Raspberry Pi にも興味あり。


株式会社キッズスターで働く、嫁と娘と息子を愛するパパプログラマー!
夢中になって書いたコードがプロダクトになり、子どもたちの手元へ届き、そして、笑顔を生み出してくれたら、もう最高です!

株式会社キッズスターを立ち上げたきっかけは?


どういったきっかけで、「株式会社キッズスター」を立ち上げることになったのでしょうか?


話は、まだ世間にスマホが浸透しておらず、ガラケーがスタンダードだった時代に遡ります。

その頃在籍していた会社では、デコメールをメインとした事業を展開していたんです。イラストレーターさんをたくさん抱え、デコメールを大量に描いてもらっていました。

そのあと、ガラケーからスマホにユーザーが移行していく転換期が来たんですよね。
当然、デコメールだけじゃやっていけないよねと。
プラス、イラストレーターさんをたくさん抱えていた。


さてどうしようかと。
でも、逆に考えれば、社内にイラストレーターさんがたくさんいるってすごい資産じゃないですか。

そこで、社内のイラストレーターさんに「今後どうなりたいか」をインタビューしてみたんです。
そうしたら、「絵本作家になりたい」という人が多かったんですよ。

ちょうどその頃、自分に子どもが生まれたというタイミングもあって、じゃあテクノロジーと絵本を掛け合わせて何かできないかと。

それで、Webで絵本を公開できるサイトや、絵本読み放題アプリ、読み聞かせアプリを作りはじめました。

☆アプリ:森のえほん館

森のえほん館」は、絵本の読み放題アプリです。
※現在は、株式会社アイフリークモバイルのアプリとなっています


ちょうど、iPadが出始めた時でしょうか。
2011〜2012年とか、それぐらいの。


そうそう。
iPadによってアプリがより身近になって、「子ども+デジタル」の組み合わせが注目され始めた頃ですね。


絵本読み放題アプリは、モバイルコンテンツアワードという賞もとったことがあるんですよ。


へぇ〜!すごいですね!


そういう経緯があって、「子ども+デジタルという組み合わせのプロダクトをもっと展開していきたい」という想いから、キッズスターという会社を立ち上げたんです。

子どもと社会を近づけたい - 知育アプリに込められた想い


キッズスターとして独立してから、「なりきり!!ごっこランド」というアプリを2013年にローンチしました。

これが、かなり多くの子どもたちに遊んでもらえていて。
Apple Storeの「子どもアプリ」カテゴリでずっと1位をキープしていましたね。

GooglePlayでも好評で。我々が「なりきり!!ごっこランド」をリリースしてしばらくしてから、GooglePlay内に「ごっこ遊び」というカテゴリができたという逸話があります。


カテゴリを作っちゃったわけですね(笑)。




うんうん、わかります。
私も子どもの頃、「しろくまちゃんのほっとけーき」という絵本が好きで、よく読み聞かせしてもらってたんですけど。

ホットケーキを焼いているとプツプツと穴があいてくる描写があるんですよ。「あれを実際にやってみたい!」とお母さんにせがんで、一緒に作ってもらったことがありますね(笑)。


いいですね(笑)。
やっぱり、我が子に「ケーキを作ってみたい!」「飛行場に行ってみたい!」と言われれば、親としても「よーし、やるか」という気持ちになるもんなんですよ。


そういうふうに、子どもたちが自発的に、やりたいこと・学びたいことを選びとっていけるのっていいですよね。

iPadから顔を上げて、家族で一緒に楽しめるものを


キッズスターは、知育アプリの他に、デジタルアトラクションも作っていますよね。


はい、そうなんです。
たとえばこんなゲームですね。

フリフリコースターは、親子でトロッコを動かして、できるだけ早くゴールを目指すデジタルアトラクションです。

☆遊び方

  • 親子で両手を前に突き出して、大きく上下させることでトロッコが走り出します
  • 腕を早く振るほど、どんどん加速!
  • 子どもがパンチのジェスチャーをすると、ロケットパンチを繰り出して、線路の途中に仕掛けられた障害物を壊せます
  • 障害物を壊さずに衝突してしまうと、頑張って加速したトロッコのスピード落ちてしまうので注意!


iPadでアプリを楽しむのもいいんですけど、iPadから顔を上げて、家族で一緒に楽しめるものも作りたくて。
協力して何かを達成して、お互いハイタッチできるような。


確かに、大人と子どもが一緒になって遊べるものって意外と少ないかも。


そうなんです。「子どもと一緒に遊ぶ」という気持ちよりも、「子どもを遊ばせる」という意識の方が強かったりして。
公園やテーマパークで子どもを遊ばせている間、大人は疲れた顔してたりね。


わかる(笑)。


キッズスターのデジタルアトラクションでは、大人と子どもが協力して初めて点数が取れるように工夫しています。

たとえば、パタパタフライヤーでは、大人は飛行の浮力をコントロールして、子どもは左右への移動とパンチをコントロールするんです。

パタパタフライヤー

パタパタフライヤーは、親子で空飛ぶロボットを操作して、できるだけたくさんのフルーツジュエルを集めるデジタルアトラクションです。

☆遊び方

  • 親は手を横に大きくパタパタさせてロボットの浮力を生み出します
  • 子どもは左右に移動して空中に浮いているフルーツジュエルを取りまくります
  • 子どもはロケットパンチを繰り出して、大量得点ゲットに繋がる大きなフルーツジュエルを破壊する役目もあります


このように役割分担がしてあるから、プレイ中に自然とコミュニケーションが生まれるんですよ。
「もっと右!」「もっと上!」とか。


大人も子どもも大騒ぎです(笑)。

デジタルをうまく活かせば、体を動かすことができる!


よくも悪くも、「デジタル=インドア」「デジタル=閉じこもりがち」というイメージってあると思うんですよ。

キッズスターは、そのイメージを塗り替えていきたい。
デジタルはもっとアクティブになれると思うんです。


デジタルアトラクションは、ファミリーが集まるイベントの盛り上げに、目玉コンテンツとしてご活用いただいています。

お声がけいただくのは、商業施設、住宅展示場、カー用品店、家電量販店、テレビ局などですね。

商業施設に出展した時の様子

デイサービスでの活用事例も


他にも、デイサービスでの活用事例もあります。
たとえば、ご年配の方と子どもとの交流会。いきなり「将棋で交流しましょう」ではハードルが高すぎる。

そんなときに、難しい操作やコントローラーが必要なく、体を動かすだけで誰でも楽しめるデジタルアトラクションってぴったりなんです。

子どもからご年配の方まで楽しめる、脳トレアトラクション「脳エクササイズ」
脳エクササイズ プレイ動画 – YouTube


ポイントとしては

  • 初見でも操作できること
  • シンプルであること
  • 競いあえるものであること

ですね。


なるほど〜!
キッズスターのデジタルアトラクションは、そういった点を考慮して作られているから、幅広い年代の方々が集まるような場所でも、一緒になって楽しめるんですね!

子どもの「やってみたい」の可能性を広げたい


それでは最後に、今後どのように展開していきたいか、伺ってもよろしいですか?


はい。子どもの「やってみたい」の可能性を広げたいですね。

実際の職業って、学校の5教科のいずれかにぴっちり分類されるかっていうと、全然そんなことないですよね。


僕らエンジニアの仕事で考えてみても、数学や理科も使えば、国語も使います。ドキュメントを読むために英語も使う。


実は、「働くこと」って教科横断的なんですよね。


はい、その通りですね。
なので、「子ども」という軸を持ったまま、もっといろんなジャンルのアプリを展開していきたいです。

子どもたちができる体験って、大人のモチベーションに左右されがちですよね。
しかも、大人から子どもへ教材を与えるようなパターンが多いじゃないですか。
そこを、子ども発信にしていきたいんです。

子どもたちが、自ら興味があるものを選びとり、自主的に学び、体験していく。
僕たちはそういう世界を作っていきたいですね。


それってすごく素敵ですね。
私が小さい頃も、そんなアプリがあったらよかったのになぁ。今の時代を生きている子どもたちがうらやましい!
キッズスターのみなさん、本日はありがとうございました!

キッズスターから告知情報だよ!

「なりきり!!ごっこランド」は、無料でインタラクティブに遊びながら学べる、子ども向け職業疑似体験型の知育ゲームアプリです。現在は、6つのごっこ遊びが楽しめるようになっており、今後も、どんどんバージョンアップを重ねて、よりたくさんの子どもたちを夢中にさせる体験を創出していきます。

ぜひ、お子さまと一緒にごっこランドをプレイして、楽しんでいただければと思います。



キッズスター関連リンク

※本記事は「CodeIQ MAGAZINE」掲載の記事を転載しております。

マンガ:湊川あい(みなとがわ あい)

湊川あいフリーランスのWebデザイナー・マンガ家・イラストレーター。マンガと図解で、技術をわかりやすく伝えることが好き。
主な著書 わかばちゃんと学ぶ Webサイト制作の基本わかばちゃんと学ぶ Git使い方入門わかばちゃんと学ぶ Googleアナリティクス〈アクセス解析・Webマーケティング入門〉Twitter: @llminatoll

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