バブルを知らない20代必見!「ポストバブル世代の扱い方」を間違えるな!

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気がつけば、平成元年(1989年)生まれの大卒フレッシュマンたちも25歳となり、入社4年目。学生気分も抜け、会社にグチのひとつもこぼしたくなるころ。いっぽう多くの会社で現場を任されるのは、現在35~45歳前後の中堅どころたち。現在25歳の若手世代と、現在45歳のミドルマネジメント世代の間には、ちょうど日本経済の「失われた20年」が横たわる。

20代の若手ビジネスパーソンにとって、80年代のバブル景気も90年代のITバブルも、どちらもリアリティの無い話かもしれない。だがミドル層にとってのバブルは、幼いころ、若いころの原体験として、いまだに彼らの価値観を確実に支配している。

サラリーマンである以上、先輩や上司を選ぶことはできない。だが“あしらう”ことはできる。今回はそんなミドル層の上司・先輩たちを、バブル景気(1986~1991年)への距離感からあえて2つのグループにぶった切り、彼ら・彼女らの成り立ちと、その上手な扱い方を説明していこう。

ポストバブル世代は大きく2種類に分かれる点に注意!

8,568通り、あなたはどのタイプ?

その1:バブル残り香世代=40~44才(1970~74年生まれ)

新聞雑誌では「バブル崩壊」の文字が躍っていたものの、イマイチ実感のないまま、なんだかんだで1991年公開の映画タイトルのような『就職戦線異状なし』といった状況で切り抜けてきた。先輩や上司のご相伴にあずかり、いまでは難しいであろう派手な接待もひととおり経験。バブル末期に閉店した、バブルを象徴する伝説のディスコ「ジュリアナ東京」にもかろうじて行ったことがある世代。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

その2:バブル憧れ世代=35~39才(1975~79年生まれ)

「クルーザーで入社式」、「寿司、海外旅行で内定者拘束」…。大人になればこんな未来が待っている、とさんざん聞かされて育ちながら、いざ自身が就職するころには「スキルアップ」「自己責任」の大合唱で、昨年までとまったく異なる就職市場に思わず、涙がこぼれるような就職氷河期を体験した世代。

以上の違いを踏まえて、その具体的なあしらいかたを考察してみよう。

「バブル世代」と言われることに強い違和感を抱く

まず理解しておきたいのは、残り香世代、憧れ世代ともに、「バブル世代」ではない、という事実だ。1965~69年に生まれ、1988~1992年のバブル期に入社したいわゆる「バブル入社組」は現在45~49才となる人々だ。なんとなく40歳以上だから、という理由で彼ら・彼女らに対して「XXXさんってバブル世代ですよね?」と決めつけるのはNG。平成生まれからすれば近親憎悪にも見えるこの数年の差は、当事者にとっては意外と譲れないのだ。

残り香組と憧れ組とで異なるのは「就活の思い出」

では、ミドル層を分断するのは何か?答えは“社会人になるまでの道のり”だ。その世代を見極めるのが、彼ら・彼女らをうまく“あしらう”第一歩だ。

残り香世代の就職時期(大卒)は1993~1996年ごろまで。有効求人倍率は0.63(1995年)まで下がり、「就職氷河期」という言葉も生まれたが、それでも1998年までは大卒者の就職率は70%前後で推移(バブル末期の1992年は81%超え)していた。

状況が悪化したのは1999年。この年の有効求人倍率は0.48、この数字は、リーマンショック後の2009年(0.47)とほぼ同じレベルだ。翌2000年の大卒者就職率はわずか55%。憧れ世代には、この就職“超”氷河期を、自らの実力と努力で勝ち抜いてきた、という自負がある。その自尊心をくすぐることが、彼ら・彼女らの心をフッと緩めるのだ。

スニーカー、時計、バッグ…隠されたコミュニケーションツールを見逃すな!

具体的なコミュニケーションポイントとは何か?それにはまず王道となる、「上司の持ち物のセンスをほめる」ところからスタートしよう。残り香世代がなんだかんだ言いつつDCブランド信仰を捨てきれないのに対し、憧れ世代のバイブルは当時、ストリートファッション誌の代名詞だった『Boon』。いずれにしても彼ら・彼女らにとって身に着ける服や小物は、一種のコミュニケーションツールだ。ちょっとカラフルな新しいナイキのスニーカーを履いていたら、常に「ツッコミ待ち」の状態であると言っていい。「そのシューズかわいいですね、どこで買ってるんですか?」とひと声かければ、そのシューズがいかにレアかを立て板に水のごとく説明してくれるはず。

スポーツ好きには「いたねえソイツ!」の話が鉄板

スポーツは世代を超えたトピックの定番。キング・カズや山本昌の話題もいいが、「こいつなかなかデキるな」と思わせたいなら、懐かしの外国人選手ネタが鉄板だ。いったん記憶のトビラが開けば、あとはただ、彼らの思い出話をニコニコしながら聞いていればいい。西武ライオンズ黄金時代のAKD砲(秋山、清原、デストラーデ)では当たり前すぎるので、できればもう一歩踏み込んだ名前、たとえば呂 明賜(1988~1991巨人)や、タイ・バン・バークレオ(1987西武⇒1991広島)あたりをサジェストしたい。サッカーならJリーグ初期のアルシンド(1993~1996、鹿島、川崎V等)、シジマール(1993~1995清水)あたりがいい”ネタ“だろう。

「ガンダム」「エヴァ」「プロレス」は、鉄板だが大きな落とし穴も

注意したいのは『機動戦士ガンダム』、『新世紀ヴァンゲリオン』といったアニメ作品や、80~90年代プロレスなどのテーマ。これらのファンは“リアルタイム放送原理主義”の傾向も強いうえに、そのアツさに個人差が大きい。かわいがってもらおうと話かけた結果、「XXX社とXXXX社のシェア争いをア・バオア・クーの戦いに例えるとだな…」「アイツとオレは三沢と川田みたいなもんで、ライバルというより戦友…」といった数時間に及ぶ説教が始まるリスクも高い。

まとめ

起業家がもてはやされたITバブル(1999~2000年ころ)やライブドア騒動(2005年ころ)などを横目にサラリーマン生活を貫いた彼ら・彼女らは、“(やればできる子なのに)あえて起業しなかった”人たち、でもあるのだ。いちど、酒の席にでも聞いてみてほしい。その時代のミリオンセラー『WOW WAR TONIGHT 〜時には起こせよムーヴメント』(H Jungle with T、1995年)の歌詞にあるような「時代を動かすムーブメントを起こしてやりたい」という気持ちがひそかに感じられるはずだ。彼ら・彼女らのそんな野望を、平成生まれ諸君はぜひ生暖かく見守ってやってほしい。そして彼ら・彼女らの「バブル時代の狭間に青年期を生きたせつなさ」の源となっている体験を理解すると、「仕事の邪魔」から「仕事の味方」へと変化させることができるだろう。

著者:バブル時代研究家DJGB

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