【キリンビール流宴会術 2】30年続く密書『接待の心得』とは

大手酒類メーカー・キリンビールには、30年間、脈々と先輩から後輩に受け継がれている密書『接待の心得~恥ずかしくない接待をするために~』(以下略『接待の心得』)が存在します。気になりますよね。


入社3年目の若き宴会部長、安藤毅さん(27歳/キリンビール株式会社マーケティング部/「のどごし<生>」担当)※にその中身について詳しく聞いてきました。

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■『接待の心得』は新人のときに暗記するのですか
暗記はしませんが、最終チェックに使います。名刺サイズに加工して名刺入れに入れている人もいれば、手帳の中に折りたたんでいる人もいます。不安なときにトイレなどで見返して、漏れがないようにします。

■『接待の心得』で最も重視しているものは?
やはり「トイレのメンテナンス:自分が使ったあとも清潔にしておく」でしょうか。トイレがキレイな店は接待をする方のために探すのはもちろんですが、自分が出たあとのトイレをさらにキレイにしていく気持ちはより大事ですよね。会社でも、トイレを出るときには自分が使う前よりキレイにしていく人は多いと思います。

■乾杯の際に気をつけていることは
上席の方に「お疲れさま」と言っていただくのを定例化するのではなく、誰かの誕生日やお子様の誕生など、本人にはサプライズで何かおめでたい話を盛り込んでいただきながら乾杯してもらうようにしています。

■会社飲みが苦手な方はどう楽しませています?
事前に年齢や趣味をヒアリングしておいて、その方が楽しいと思えるきっかけを作ることを心掛けますね。席選びは中でも重要。たとえばゲーム好きの方なら、そういった話題で盛り上がれる方をその方のテーブルまわりに集めておく。すると疎外感を持つことなく、趣味を打ち明けあったり、情報交換したりできますよね。

■お酒が飲めない方に心おきなく楽しんでもらう工夫は?
その方の好きな食べ物やお店の雰囲気を重視します。それと先ほどの話題と重複しますが、好きな話題や趣味など、お酒以外の話で盛り上がれる方同士を集めます。あとはお酒の新しい一面を知っていただくために「この一番搾り、フルーティーな香りがしませんか?」「ビールによって香りが違うんですよ」と香りで攻めることもありますが、決して無理強いはいたしません!

■おすすめのノンアルコール・ドリンクは
ノンアルコールビールの「キリンフリー」が、やはりお薦めですね。そのまま飲んでももちろんおいしいですが、ジンジャーエールやオレンジジュース、マスカットジュースと割ってカクテルにするのもおいしいんですよ。是非試して頂きたいですね。

■店舗に喜ばれる宴会客はどんなお客?
最低限のマナーとして後片付けは大事ですよね。大皿や箸が散乱した状態のまま終わることがないよう、お皿やグラス、箸などを分類して、なるべく引き上げやすいように整えてから店を出ます。

あとは生ビールのおかわりを頼む際に、ジョッキの取っ手を自分側に向けて出すのではなく、相手側に向けて差し出したり。食事の最中でも、お店の方が下げやすいように取りやすい位置にお皿をよけておくなど、わりと基本的なことですね。

■宴会の際に一番気を付けていることは
楽しくなるのはいいのですが、やはり適正飲酒量を守って、節度ある飲み方を心がけるのは、常に酒類メーカーの社員として念頭に置いています。自分では気を付けているつもりでも、実際に周りのお客様に迷惑をかけているかもしれないと目配りをすることは大事です。

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2013年12月30日「次世代リーダーサミット」記事より掲載。会社名、部署名、年齢等は取材当時のもの。

※2014年12月現在はキリンビールマーケティング株式会社 広域販売推進統括本部 広域販売推進第2支社営業1部に所属

取材・文 山葵夕子

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