【懐かしの放課後グッズ物語】販売個数約7億個!「ねるねるねるね」の人気のヒミツを解き明かす

 水と粉を混ぜあわせることで色が変化する、不思議なお菓子「ねるねるねるね」。子どもの頃、まるで科学の実験のように楽しんだ人も多いのでは? 

 1986年の発売当初から現在まで、なんと累計約7億個以上も売れている大ロングセラー商品。しかも、発売から28年を経た今も、当時の希望小売価格100円(税抜)のままなのです。今回は、クラシエフーズ株式会社のマーケティング室・津田未典さんに「ねるねるねるね」の秘密を伺いました。

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――1986年当時「ねるねるねるね」が発売に至った経緯を教えてください

 当時、粉末ジュースを発売していたことから、粉を活用して子供たちに喜ばれるお菓子ができないかと検討しました。その中で、砂場で泥遊びをする子供たちを見て、当時の開発担当者が「まぜる」「ねる」動作をお菓子に活かせないかと考えました。

――製品のネーミングに込められた意味、狙いはありますか?

 まるで魔法の呪文をかけるように、まぜながら口ずさんでもらえるような楽しく不思議なネーミングを考えました。ほかの候補にあった「ねるねるね」と迷った、とのことです。

――CMで魔女が起用されることになった理由は?

 色が変わったり、膨らんだりする不思議なお菓子を表現するときに「魔法」というキーワードが浮かび上がり、そのイメージに合った魔女を起用しました。

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――発売当初や現在まで、保護者から色を心配するお問い合わせはありましたか?

 発売当初は、ほかに例を見ないお菓子ということで、色が変わったりふくらんだりという不思議さが、保護者の方にあまりよい印象を与えていない時代がありました。そこで、2006年より“知育菓子®”という名称を商品に付加し「創造力など子どもの成長に必要な力を育んでもらいたい」という願いを伝えたり、現在は商品パッケージに「なぜ色が変わるのか」「合成着色料・保存料不使用」をうたっていたり、全国で開催している「知育菓子教室®」を通して商品を理解していただいています。また、現在はクラシエフーズの知育菓子®はすべて「合成着色料・保存料」不使用です。

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――これまでに改良された点は?

 2013年からスプーンの先を四角形から丸型に変えました。それまでにお客様より「最後まですべてぴかぴかに食べきりたい」というご要望があり、ねるねるが入っているトレーのカーブとピッタリ合い、最後まで残さず食べきれるよう改良しました。また、トレーのトッピングを入れるところは、以前までクローバーのような形でしたが、楽しさをさらに演出するために知育菓子®のイメージキャラクターである「ねるね」の形に変えました。実は、たまにウインクしているものがありますよ。現在まで、20種類を超えるフレーバーを販売していますが、ぶどう味やソーダ味に関しても、その時代の子供たちの嗜好に合わせて風味を改良をしています。

――子どもの頃に「ねるねるねるね」を楽しんでいたユーザーへ伝えたいことはありますか?

 「ねるねるねるね」は、今年28年目を迎えています。ぜひ、懐かしい気持ちでお試しいただいたり、お子様と一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです。「ねるねるねるね」から発展した知育菓子®「ポッピンクッキン たのしいおすしやさん」など、大人の方が楽しんでくださっている商品もあります。日本ならではのおもしろいお菓子として、YOU TUBEなどで非常に話題になっていますので、ぜひご覧いただいて楽しんでみてください。

 当時、「ねるねるねるね」を買っていた子どもが、今では親になり、自分の子どもと楽しむことができる長寿商品。人気を支えているのは、ワクワクと胸がときめく遊び心と、きめ細やかな改良にあるようですね。当時を思い出して、もう一度遊んでみたくなりました。

取材・文:八幡啓司  写真提供:クラシエフーズ株式会社
 24時間フル稼働のフリーランス生活を送りながらも、12時間睡眠が必須のコピーライター。座右の銘は「いざとなったら、すぐ寝る」。寝ても覚めても、夢の中を生きる。

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