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東京に比べ、なぜ大阪の電車は「古い」のか?

日本を代表する都市である「東京」と「大阪」。

毎日多くの通勤客を乗せて、JR&私鉄含めて稠密な路線網を、大量の電車が縦横無尽に運行されています。

普段、それぞれの地域で乗っている分には感じませんが、この「東京」と「大阪」の両都市を走る電車を比較してみると、“ある大きな違い”が浮き彫りに。その違いについて今回、クローズアップします。

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車両の長さやアルミorステンレス、編成数etc.…東京と大阪の電車の違い

東京と大阪の電車の違いについては、細かい点まで観察するといくつか浮かび上がってきます。

 

1編成当たりの車両数

東京の場合、JRでは「上野東京ライン・横須賀総武快速線・常磐線・湘南新宿ライン」といったところが最大15両編成で、私鉄では「京急線」が最大12両。

大阪の場合、JRでは「京都線や神戸線・琵琶湖線を含む、東海道~山陽本線を運行する快速」が12両で、私鉄では「大阪市営地下鉄御堂筋線」の最大10両。これは単純に、両都市の人口規模の差がそのまま車両数に反映されているといえるでしょう。

この「人口規模の違い」に関しては、他にも「1車両当たりの長さ」や「ドア数」にも影響しています。

東京の場合、京急・京成や銀座線・丸の内線・都営浅草線・大江戸線などを除き、「1車両あたり20m級×4扉」の車両が多数派。

一方、大阪では私鉄を中心に「18m級×3扉」が比較的多く運行されています。

 

そしてもう一つ、東京と大阪の車両を比べて気づくことがあります。

それはズバリ「車両の質」。

例えば東京の場合、JRを中心に東急・東武・西武・京成・京王・小田急・相鉄など「銀色のステンレス製車両」が多数運行されていて、近年では「赤い電車」でおなじみの京急でも、銀色のステンレス車両の運行が増えています。

一方、大阪で運行される車両の中心は「着色されたアルミ製車両」。あの独特の渋みを持つ「阪急マルーン色」でおなじみの阪急電車をはじめ、京阪・近鉄なども車両全体が塗装されたアルミ製が中心(※古い車両は鋼鉄製)。逆に銀色ステンレス車両は、JRと南海電車、そして阪神電車の最新型や地下鉄車両が中心で、比較的アルミ製とステンレス製車両がバランスよく配置されています。

銀色ステンレス車両が多い東京と、着色されたアルミ車両が多い大阪。

その理由は「伝統色を重んじる」「発注する車両メーカーの特性」「塗装等の維持コストを重視」など諸説ありますが、ハッキリとした理由はわかりません。

東京では「すでに引退した電車」が、大阪では今も現役で運行中

そして東京と大阪の電車で、最も大きな違いを感じるのは「車両の古さ」。

先述した「東京は比較的銀色ステンレス車両が多い」のは、裏を返せば「最近の車両が多い(※一部例外もあります)」ことでもあります。

一方、大阪では「製造から40~50年」という車両が、今も現役で運行されているケースが多々あります。

ステンレス車両中心の南海電車においても、昭和40年代に製造された車両が運行中。さらにJRでは、すでに東京で引退した鋼鉄製車両(「103系」「201系」と呼ばれる、旧国鉄時代に製造された通勤型車両)が、今も大阪環状線や関西線、阪和線、奈良線などを中心に運行されています。

 

どうして大阪では古い電車が長く運行されているのか?

この理由も諸説ありますが、最も大きな理由はやはり、鉄道会社の財政基盤や経営規模の違いだと思われます。

少子高齢化が急速に進みつつある日本において、東京だけは依然として人口が増え続けているため鉄道輸送に対するニーズが高く、最新型の車両製造に対して積極的に投資できる会社が多い反面、すでに人口減少などによる顕著な鉄道利用者数の減少傾向がみられる大阪では、大規模な車両製造に対する投資が難しいケースも多いと思われます。その結果、古い車両を定期的に更新・リニューアルすることで長く、大切に使い続ける傾向が。

 

しかし最近になって大阪環状線に新型ステンレス車両が導入されて話題になるなど、最新型車両への置き換えが着実に進んでいるのも事実。あと5年もすると、大阪で昔ながらの鋼鉄製電車に乗る機会はごく限られてくることが予想されます。

「昭和の古き良き時代を思い起こさせる電車で通勤したい」と思う方は、残り限られた貴重な時間をじっくり堪能しながら通勤してみてはいかがでしょうか。

 

WRITING:山田モーキン イラスト:海月あいる