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リクナビNEXTジャーナル

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最近やる気が全然出ない…これって五月病!?【今すぐできる五月病のセルフチェック&セルフケア】

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 GWも気がつけば終了…!連休明け、ちゃんと仕事できましたか? 生活のリズムが乱れて睡眠時間がぐちゃぐちゃ、会社に行ってもやる気が出ない…など、不調を感じ始めたら要注意!もしかしたら…“五月病”かもしれません! 五月病は放っておくと悪化し、「うつ病」になってしまう恐れもあるとか…。

 そこで今回は、「おかしいな?」と思ったらすぐにできる「五月病のセルフチェック&セルフケア」を、産業医としてビジネスパーソンの健康サポートをしている奥田弘美先生に聞いてきました!

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奥田弘美(おくだ・ひろみ)

精神科医・産業医・作家。1992年山口大学医学部卒業。精神科医、都内約20か所の企業の産業医として数多くのビジネスパーソンの心と身体のケアに関わるとともに、執筆や講演活動を行う。銀座スキンクリニックではカウンセリングルームを持ちメンタルケアコーチングやダイエットコーチングを実施している。著書に『何をやっても痩せないのは脳の使い方をまちがえていたから』(扶桑社)、『女医が教える 働く男の怒りと疲れをパワーに変える処方箋』(メディカルトリビューン)、『ココロの毒がスーッと消える本』(講談社+α文庫)、『これならできる!魔法のスリム習慣』(太陽出版)などがある。現在は、FM世田谷「三浦和人とドクター弘美の心デトックス・ナイト」(毎週金曜日23:30~)のパーソナリティーも務めている。

http://medical-life.info/ 

 

●五月病は、なんと3月から始まっていた!?

——そもそも五月病とはどういう症状なのですか?

 「軽い抑うつ状態」と診断されるような状態のことを指しますが、医学用語ではありません。3月~4月の環境の大きな変化や、連休中の遊び疲れ、不規則な生活などによって、自律神経の働きの乱れと身体の疲労が合わさって憂鬱になり、体調が優れないなどの症状が表れます。

 

——自律神経について詳しく教えて下さい。

 循環器、消化器など自分の意思で動かせない臓器の活動や各種ホルモンの分泌、睡眠などの調整する神経で、体の活動時、つまり昼間に活発になる交感神経と、睡眠時や夜に活発になる副交感神経の2つから成り立っています。2つのバランスが乱れることが「自律神経の乱れ」です。連休中の不規則な生活や、仕事などのストレスによって自律神経の働きが乱れると、さまざまな不調が現われてきます。

 

——具体的な五月病の原因はどんなことですか?

 3月から4月は環境が大きく変化する時期で、その頃からメンタル面の不調を訴える人は増えていきます。就職や転職、転勤、異動といった職場環境以外にも、子供の入学、受験といった家庭環境の変化に伴う緊張感やプレッシャーで、知らず知らずのうちに自律神経の働きは乱れていきます。また、この時期は天候も不順で温度差も激しく、10℃くらいまでしか上がらない冬日だと思ったら、25℃くらいまで上がる夏日ということも多いですよね。5℃以上の気温差も自律神経の働きが乱れる原因のひとつです。ストレスが貯まりやすい3月、4月の間に蓄積された疲労が、5月の連休でひと息ついた瞬間にドッと出てしまう状態が「五月病」です。せっかくの休みだからと遠出をしたり、びっしりと予定を入れてしまったり、ストレスが溜まった状態で無理すると、生活のリズムを崩して体調に影響が出てくるのです。

 

——五月病になりやすい人とはどんな人ですか?

 自分のわがままを抑えこみ、気持ちを出さずに周りの顔色を見て合わせてしまう、いわゆる「いい人」ですね。あるいは、完璧主義で人に任せられない人。一から十まで自分でやろうとする人や、コミュニケーションが苦手で頼めずに抱え込む人。そういったタイプは同時に自分の悩みや不安も抱え込みやすいのです。

 

——周りにつらそうな人がいたときの対応はどうすればいいですか?

 まずは心身共にゆったり過ごす時間を増やしてあげてください。相手が部下や同僚の場合は、叱咤激励は避けて見守るように心掛け、アフターファイブも無理に飲みに誘わない。気分転換も大事なので、本人が話を聞いて欲しいなら積極的に聞いてあげて欲しいのですが、根掘り葉掘り聞き出そうとするのは逆効果です。メンタル不調時は集中力や決断力が鈍るので、責任やプレッシャーのかかる仕事を与えると悪化してしまいます。本人と相談しながら、一時的に仕事を引き受けたり、締め切りを延ばしたりと、抱えている仕事を減らす気遣いをしてあげて下さい。家族の場合は、睡眠や食事をきちんと取れるように衣食住のサポートをして、土日などは無理やり外に連れ出さない。家族で出かければ気分が晴れると思うかもしれませんが、本当に疲れているときはかえって負担になってしまいます。本人が嫌がる場合は出かけずに家でゆっくりしたほうがいいでしょう。

 

●「五月病」のセルフチェック&セルフケア

【五月病かも…?と思ったときのセルフチェック】

①寝つきに1時間以上かかる、中途覚醒など睡眠の異常はありませんか?

 睡眠は、身体はもちろん、脳の疲れも取ってくれるもの。通常は6時間以上寝ないと翌日に疲れを持ち越し、気分が憂鬱になったり作業能力が落ちたりするほか、健康被害が増えると言われています。寝つきに1時間以上かかる、途中で何度も起きる(中途覚醒)、早朝に目覚めて眠れない(早朝覚醒)などの睡眠障害が起こっていないでしょうか?

②極端な過食や食欲減退、アルコールの多飲などはありませんか?

 食欲が落ちたり、甘い物やアルコールを過剰摂取したりと、食事に影響が出る人も多いです。気持ちが落ち込んでいる場合は、自分が「美味しく食べられているかどうか」を見直して下さい。原因不明の胃もたれ、胃痛、便秘、下痢が続いている場合も自立神経の働きが乱れているサインです。

③感情が不安定になっていませんか?

 イライラしたり、怒りっぽくなったりする人も多いです。興奮してはしゃいだと思ったら泣いてしまうなど、感情が不安定になり、ブレーキが効かなくなっていると感じたら要注意。

④身体がだるい、気持ちが憂鬱などの心身の倦怠感はありませんか?

 朝起きたときの倦怠感も、五月病のサイン。20代~40代の働き盛りの方ならば一晩ぐっすり寝ると疲れはほぼとれているのが普通ですが、抑うつ状態になってくると、朝起きても身体のだるさが残り、日中も気だるく憂鬱さが晴れないなど心身の倦怠感が続いていないでしょうか?

⑤うっかりミスが増えていませんか?

 脳が疲れて抑うつ状態になってくると、うっかりミスが増え、パフォーマンスが低下します。今まで1時間でできていた仕事が2時間以上かかる、料理のメニューがなかなか決められないなど、思考力低下や判断力低下を招くことも。「頭にモヤがかかった感じが増える」「考えがまとまりにくい」といった症状を感じていないでしょうか?

⑥「人嫌い」の症状は出ていませんか?

 人と会うのが面倒くさい、苦痛になるという症状が出ることも。ケンカをしたわけでも、仲がこじれたわけでもないのに、電話が鳴っても出たくない、メールの返信をするのも億劫、遊びに誘われてもつい断ってしまう…といった「人嫌い」症状は要注意です。 

⑦「面倒くさい」と思うことが増えていませんか?

 すべてが面倒くさく感じ、女性はおしゃれや化粧が手抜きになり、男性は髭も剃らずに髪の毛はボサボサ…といった具合に、身だしなみに気を配れなくなります。異性への興味や性欲も減退していくので、合コンやデートに誘われても断ってしまうことも。趣味やスポーツ観戦などへの興味もなくなり、家にこもりがちになっていないでしょうか?

⑧「被害妄想」が増えていませんか?

 飲み会に誘われなかったり、友人からの連絡が間遠になったりしただけで、「嫌われている、仲間外れにされている」といった被害妄想を感じる人も多いです。SNSなどでリア充な人々を見て過剰に落ち込むのも、被害妄想が原因の場合があります。

 たくさん当てはまる人ほど要注意!少ししか当てはまらない場合も、2週間以上症状が続き、生活に障害が出ているようであれば“五月病”かもしれません…!

 

【五月病を改善するためのセルフケア】

①仕事をセーブし、6時間以上睡眠を取る

 まずはなんとか仕事をセーブする。上司や先輩、同僚に体調が悪いことを伝え、プレッシャーのかかる仕事や宿泊を伴う出張は免除してもらい、なるべく定時勤務をさせてもらう。早めに帰宅できたら、普段12時に寝ている方なら10時か11時までには布団に入り、できれば7時間は寝る。遅く寝ることは体内リズムを乱す原因になりますが、早く寝る分には体調に影響しません。本来人間は、日の入りとともに休み、日の出とともに起きるという体内リズムを持っているので、なるべくそれに合わせた生活を心がけることをオススメします。友達と遊んだり、話を聞いてもらったりする場合も、早めに切り上げて7時間の睡眠を確保するようにして下さい。眠れない場合はお風呂にゆったり浸かる、心地良い音楽を聴くといったリラックス時間を増やすと眠りやすくなります。公園で日向ぼっこをしたり、近場の緑地帯をゆっくりと散歩したりすることも、緊張過多に傾いていた自律神経の調整に役立ちます。

②スマートフォンやゲームなどIT機器を見過ぎない

 スマートフォンやゲーム機器などのIT機器は脳を疲労させメンタル不調を悪化させる可能性があります。ブルーライトが不眠症を誘発させることも指摘されています。特にSNSは、不調の時はあまり見ないほうがいいと思います。自分が辛いときに他人の幸せな様子を見て辛くなったり、LINEなどの文字だけのやりとりですれ違ったりと、良いことはありません。そもそもコミュニケーションとはストレスを生むことなので、ネガティブ思考が働いているときは余計なことが気になってしまいます。スマホは寝る2~3時間前から見ないこと。電源を切ってしまってもいいです。夜中に着信に気づいて起きてしまい、眠れなくなるといった話も多く聞きます。スマホをいじるのをやめて、自分の好きな音楽を聞いたり、雑誌をパラパラとめくったり、ゆったりとした時間を過ごして良い睡眠を取っていただくことが理想です。

③バランスの良い食事を摂る

 タンパク質には疲労回復物質がたくさん入っているので、疲れているときはタンパク質をしっかり摂って下さい。脂っこいものは胃もたれの原因になるのでNG。蒸鶏やお刺身、焼き魚やお鍋、冷しゃぶ、温泉卵など、油分が少なめのあっさりとしたメニューは、食欲がないときにもオススメ。とにかく良質のタンパク質と野菜をしっかり摂ること。糖質も脳のエネルギーになり、気持ちを安定させてくれますので、炭水化物もほどよく摂って下さい。「糖質オフダイエット」をしている人は少しお休みを。食事をゆったり食べることで、緊張していた神経がほぐされて、頭の切り替えにもなります。無理に調理をするのは大変なので、ひとり暮らしの人はデパ地下やコンビニの惣菜、定食屋さんやファミレスを活用して下さい。

④適度な運動を心がける

 無理して運動をする必要はありませんが、休日などを利用して、ウォーキングやサイクリング、ジョギングなど、できるところから有酸素運動を取り入れてみて下さい。ジムで軽く身体をほぐすのもいいと思います。ヨガやピラティスなどを習慣的に取り入れるのもオススメです。身体を動かすことでストレス発散にもなりますし、筋肉の凝りや疲労もほぐれて寝付きも良くなっていきます。一駅前で降りてウォーキングするなど、簡単なことから始めてみるといいと思います。

⑤悩みや心配ごとを溜め込まない

 真面目な人ほど自分の気持ちを抱え込みやすいので、会社での不安や心配ごとは、信頼のおける上司や同僚に聞いてもらって下さい。話すことで気持ちがデトックスされるという効果もあります。ただ、秘密保持の出来ない人に話すと大変なので、人は選ぶこと。何ごとも溜め過ぎず、ほどよくわがままになることも大切です。

⑥アロマ効果を活用する

 純度の高いアロマのエッセンシャルオイルは実際に脳に働き感情や認知能力に役立つことが科学的にも明らかになっています。五月病の症状があるときは、とにかくリラックス効果の高い、ラベンダー、オレンジスウィート、カモミール、ローズなどのアロマオイルがオススメです。ティッシュやハンカチに数的振りかけ、枕元やソファーの近くに置く、ディヒューザーで拡散させたり、入浴時に数的振り入れたりといった方法で、アロマセラピーの効果を試してみるのも良いでしょう。

 

●デキるビジネスパーソンは「セルフケア力」を身に着けている!

——セルフケアをしても改善されない場合はどうすればいいですか?

 自力で眠れないことは、メンタル面に不調をきたしている大きなサイン。いきなりメンタルクリニックに行くのはハードルが高いのであれば、市販の導眠剤なども試されてもいいとは思います。それでも寝付きが悪く途中で何度も起きてしまうなど、なかなか改善しないようであれば医師に相談しましょう。眠れるけど会社に行く気力がわかない、不安で仕方がないといった、普段と違うような兆候が1週間以上続くような人も相談してみて下さい。今はメンタルクリニックも敷居が低くなっていますので、“少し話を聞いてもらう”といった感覚で、まずはお問い合わせを。

 

——最後に、悩めるビジネスパーソンにメッセージをお願いします。

 産業医として多くのビジネスパーソンと接していますが、ストレスに強く、仕事のデキる人は、自分の健康に関心が高い「セルフケア力」のある人です。まずは自分の生活を振り返り、寝不足が続いていたらその状態を連続させないこと。寝不足な日の次の日は寝る。遊び過ぎて疲れたらゆったりするといった感じで、緩急を上手につけることでメンタルは強くなっていきます。当然ながら、身体が疲れると気力が下がっていきます。いかに身体を疲れさせずにベストコンディションに持っていけるどうかが、ビジネスパーソンとして良いパフォーマンスをするための基本ではないかなと。これから自分のキャリアを伸ばして行きたいと思っていらっしゃる方には、ぜひ「セルフケア力」を身につけていただきたいです。

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 EDIT&WRITING:石本真樹